3Dプリンターによる超小型バッテリーの「印刷」に成功 | 真実と幸せ、科学をサポートする ラエリアンハニーリーです

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[修正] 3Dプリンターによる超小型バッテリーの「印刷」に成功ーハーバード、イリノイ大学の研究者ら



バッテリーの小型化・軽量化は小型ロボットやスマートフォンなどの電子機器などにとって最も重要な課題の一つですが、ハーバード大学とイリノイ大学の研究者らによると、3Dプリンティングによってそれらの問題を解決できるかもしれません。

小型バッテリー_顕微鏡

今回開発されたバッテリー構造体の電子顕微鏡写真。

グループによると、小型バッテリーの印刷は、人間の髪の毛(およそ50-150ミクロン、1ミクロンは1ミリの千分の一)より細い直径30ミクロンのノズルを搭載した独自の3Dプリンタを使用。リチウムなどのナノ粒子を混合した特殊インクを射出し、互いに噛み合った2つの積層電極を作成、それらを容器で囲った後で内部に電解液を注入し、パッケージ化しているとのことです。

超小型バッテリー構造

パッケージングの模式図。

印刷したバッテリーは小型ながら “充放電率” 、 “エネルギー密度” 、 ”サイクル寿命” ともに商用バッテリーに匹敵するほどの性能が得られ、空を飛ぶ昆虫型ロボットやスマートグラスなどに内蔵するためのバッテリーとして用いることができるかもしれないとのことです。

従来は、薄膜を重ね合わせる方法で作成していた積層電極ですが、3Dプリンターの特性を活かした自由な構造のバッテリーが作成できるようになれば、例えば外装にバッテリーを埋め込んだり、入り組んでいて無駄になっていたデッドスペースを有効活用できる様なバッテリーが登場するかもしれません。

個人的には、今回の成果はバッテリー界における革命だと感じています。

以下補足(初稿から修正しました)

初稿時、記事中の図を含めた内容の一部を取り違えており、それについて誤った解説をしてしまったことをお詫び申し上げます。つきまして、改めて調査した内容について解説させていただきます。

通常、リチウムイオン電池のようなバッテリーは二つの電極と電解液というイオンを運ぶための液体から構成されます。

図5

上図の様にバッテリーを充電する際は+極に電流が流れ込み、それによって “酸化” という反応が起きます。また同様に負極側では ”還元” と呼ばれる反応が起き、この際に+に帯電したイオンがー極の方に移動します。こうやって-極側にイオンが溜まった状態が、いわゆる “充電された状態” となります。

充電された状態の電極間に電球などを接続すると、電極間で元の状態に戻ろうとする反応が起きるため、その際に電流が発生し電球が光ります。我々はこのような性質を利用してバッテリーを作っています。
(※)本来は電極間に、ショートを防ぐためのセパレータが挿入されているのですが、説明を簡略化するためにあえて省いています。

図7

従来のリチウムイオン電池では上図の左側の様に、 「+極」「電解ポリマー」「-極」 の薄膜を重ね合わせることで作成していました。しかし、この方法では電極の機械的強度などの問題や高密度化が難しいことなどから、バッテリーの微細化はハードルの高い課題となっていました。

今回、ハーバード大学とイリノイ大学の研究グループは、薄電極を特別な3Dプリンターで印刷することによって、エネルギー密度などを従来のバッテリーと同等に維持したままで大幅なサイズダウンに成功したとのことです。

  『3Dプリンターによる超小型バッテリーの「印刷」に成功
                 ハーバード、イリノイ大学の研究者ら』
   [ガジェット速報]


    [英語版 元記事]