物理の法則に反する新物質が発見される | 真実と幸せ、科学をサポートする ラエリアンハニーリーです

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例えば「石を強く握ったらスポンジの密度になる」ってそんなバカな!?米研究所が高圧力で肥大する新物質を発見!

普段の我々の生活の中で、圧力を加えたら大きくなる物質など考えられないに違いない。例えばスーツケースに収まるようにモノをぎゅうぎゅうに詰め込んだら、モノはそれに反発して肥大。もっと大きなスーツケースが必要になるという事だろうか? 「そんなの物理的に間違ってる!!」…そう叫びたいのは研究者らも同じだったようだ。この度、米アルゴンヌ国立研究所が、圧力を加えたら肥大する新物質を発見! それは「石を握ったら巨大なスポンジになる」ようなものだという。

「ふつう物質というのは、大きな圧力下では密度が高くなり、よりコンパクトになるもの。私たちはその真逆を目にしている。この物質は圧力を加えると元の半分の密度になってしまう」と、述べるのは米エネルギー省研究所の化学者カリーナ・チャップマン女史。この半直感的で不可解な物質を説明するため、研究者らは何年もの月日を再実験に費やしたのだという。「物質の接合状態が完全に変わってしまうの。まったく信じられない!」

研究者らはダイアモンドアンビルセルを使用し、シアン化亜鉛に0.9~1.8ギガパスカルの圧力(海面気圧の9000~18000倍)をかけた。そして“凝縮”の際に件の物質の周りに別の液体を使用することで、これを5つの相変化型に分けることに成功。うち2つは、正常圧で独自の浸透性を獲得した。

この物質の特質を利用すれば、分子の貯蔵、保存、フィルターなどに応用できる見込み。スポンジのような構造は、水のフィルターや化学センサーに利用できるほか、水素燃料電池の製造工程に発生する二酸化炭素のための、圧縮可能な貯蔵装置への応用も可能だとか。この物質密度の特質をコントロールする事で、薬物の持続時間、プラスチックや食品の化学反応時間すら操作可能だ。

この発見のスゴイ所は、科学の教科書を書き換えるだけではなく、浸透性物質を使用する工場、ヘルスケアや環境持続可能性の効率を2倍に引き上げられる見込みがある所ではないだろうか? 研究結果はJournal of the American Chemical Societyに掲載された