休み時間にひとりでいる事が当たり前となった。放課後もピアノ、塾、家庭教師、英会話、ダンスとやる事も多く家の近くの子と一緒に帰る事もなかった。
成績はこれだけ塾にいけば問題ない。ひとりでも不自由はなかった。だけど体育でのペア、美術でのデッサンでのペア、つぎつぎと周りは友達に声を掛け合う。私は自分からは声をかけない、いや友達がいないからかける相手がいない。私と組む子は仲良しの友達が休んでる子か先生。
嫌な時間が来た。今日は体育も美術もないのに孤独感を全身で感じるイベント調理実習。
先生に決められた班は私が苦手なクラスでも目立つタイプの子が多い班でした。
私は友達のいない子ではない。友達を作らない子ということ。自分がそう望んでる。私は自分に暗示をかけていたんだろう。
授業が始まり、ワイワイといつもと違う授業にみんな浮かれている。エプロンがかわいいね~や、気になる男子の班をチラチラみながらコソコソ話す女子。
黙々と作業に入る私を空気読めないなって目で見てくるクラスメイト達。
こんなに周りの状況を把握してるんだから空気読めてると私は思う。
さっさと作業に取り掛かろうと小麦をボールに移し黙々と授業を進行していた。
「はるかちゃんエプロン大人っぽいね。」
片岡友美。小さくて少しウェーブした髪が腰まであるおとなしい子。
私が転校してきた初めの頃は物珍しさからクラス中の子が休み時間になれば私の机を取り囲み、質問攻めにあったが彼女は一度も私に話しかけてはこず、休み時間になると机に覆いかぶさる様に寝てた。
「あ、はるかちゃんって呼んでいいかな?私の事はトモって呼んでね」
イヤな視線。トモじゃない。数人の女の子達が私たちを見てる。
きっと無言の協定が女子の間に結ばれていたんだろう。中学生くらいによくある特定の相手を無視する。
感じの悪い転校生を無視する。トモはそのルールをしってか知らずか笑顔で好きな芸能人の話をしていた。
小さい頃から親の顔色ばかり気にしていた私は、そういう空気に敏感。
型抜きしていいかな?とトモの問いかけにクラスメイトはぎこちない返答をする。
さっきまで一緒に実習室へ向かい、たわいない会話で笑あってた友達のはずが、一瞬の間に知らないひとに対する態度へと変化した。
休み時間トモはひとりになった。
私は自分がひとりでいることより、彼女がひとりになることに胸がチクリとした。
