hantootere1979のブログ

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「自閉症児のためのTEACCHハンドブック」佐々木正美 著水上先生が教えてくれた、発達障害に関する本、図書館に見つからないものもあった。でもよくよく思い返してみると、ひとつは「これはどこどこが発行している資料だから、普通の本ではないかもしれないわ」と言っていた。その資料は、どこかの研究機関が内部向けに発行したものということらしく、図書館になくても当然だった。それからもう一冊、見つからないと思っていたものがあったが、もう一度検索してみたら、見つけることができた。「TEACCH」という単語を「TEACH」と入力していたため、検索結果に出なかったらしい。この本は、学校で自閉症児童を指導している先生などが読むような本だと思った。TEACCHとは、自閉症の特性を理解し、自閉症者に合った教え方、指導をしていこう、というプログラムのようだ。まず最初は、自閉症や自閉症の理解について。それからTEACCHプログラムについて。抜粋を交えながら、簡単にまとめてみよう。---------------------------------------------------------------自閉症の子どもや人が、視覚的な情報に親和性が豊かで、意味や概念を見いだして適応する傾向や特性が強いことはよく知られている。この特性は、どんなに日常会話などの話しことばに不自由がないように見える高機能自閉症の人の場合でも、共通している。TEACCHプログラムの実践者が、教育やその他の支援の場面で、相手の機能に合わせて、必要な程度や内容で、視覚的構造化と呼ぶ手法を用いながら、広くコミュニケーションを求め合うように支援するのはそのためであり、成果の大きさもその結果である。---------------------------------------------------------------そして例が出される。以前は自閉症の子どもを医者にかからせるとき、押さえつけたりしていた。しかし、ある歯科医療従事者が、これからすることを何枚かの絵カードに書いて予告するようになった。---------------------------------------------------------------自閉症の子どもは、これから何がどのように起きるのかを、理解できるように予告されることによって、多くの場合安心して診療を受け入れるものである。---------------------------------------------------------------TEACCHプログラムは世界中で注目されているプログラムだそうだ。---------------------------------------------------------------TEACCHプログラムが一貫して強調し続けている原理は、1 自閉症の障害の本質は中枢神経系を含む器質的な問題であり、それが彼らの見る世界や状況の見通しに混乱や影響を及ぼしていること2 療育は両親(家族)と専門家が親密な協力関係で実施すること3 療育者はスペシャリストであることを超えてジェネラリストであること4 療育プログラムは包括的に調整されなければならないこと5 人生全般にわたって支援されなければならないこと6 療育はあくまで個別化の概念のもとに行われること------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------自閉書の人への治療や教育あるいはその他の支援は、従来の種々の療育法を単独に実施したり、単純に組み合わせて行うだけではまったく不十分である。療育者は、彼らが周囲の世界を一般の人と違ったように見たり感じたりしている事実をできるだけ詳細に、かつ正確に理解して、彼らの知覚と周囲の人や環境から提示される刺激や情報の意味との間に存在するギャップを、丁寧に埋めていくように援助することが使命となる。このようにTEACCHプログラムでは、自閉症の人と一般の人との間に存在する違いを認識しながら、自閉症の人の権利を守り、尊厳を損なうことがないように、彼らの認知障害の意味をよく理解して、彼らの知覚や思考の方法と一般社会で適応するために必要な機能との間のギャップを埋めていくことが、プログラムの基本的方策であるとしている。---------------------------------------------------------------自閉症児はほとんどがコミュニケーションに問題を抱えている。脳の仕組みについて説明があり、どのようにしてコミュニケーションがとれるようにしていくか、手法が語られる。一番簡単に説明できるものは、絵や文字のカード(対象となる子供の特性によって選ぶものが違うようだ)を使うこと。言葉でやりとりしようとしてもうまくできないとき、カードを使ってこちらの意図を伝えたり、自閉症児に気持ちを伝えさせたりする。たとえばお腹が空いているなら、食事をしている絵のカードを差し出すとか。学習指導をする際の「構造化」についても語られる。自閉症児は、言葉や文章では理解が難しいときがある。逆に、視覚的には優れている場合が多いので、視覚的に構造化をしていくのである。たとえば教室も、普通の教室とは違う。勉強するスペースと遊びのスペースが分けられていて、ここでは何をすることを期待されているか分かりやすくする。今は単純に例示しているけれど、実際はもっといろいろに構造化されている。こういった教室の物理的な構造化以外にも、構造化がなされている。各自が今日する学習のスケジュールを、分かりやすい絵やひらがなのついた札を順に貼っておく。たとえば終わった授業は分かりやすいように、裏返したりはずしたりする。子供たちは常に、次に何をするのか、自分のスケジュール掲示を見に行って確認できる。自習時間を設けて課題をさせるにも、かごを色分けして机の左右に置き、これからやる課題はこの色のかご、終わった課題はこの色のかごと決めてある。具体的なアイディアがたくさん示されている本なので、いちいち紹介できない。必要がある方は、読んでいただくのが一番だと思う。文章も分かりやすく、内容もまとまっていて、とても読みやすい本だった。それから就労の際の支援について少し語られて、次に余暇活動を指導する話になる。余暇活動? 休日などの暇なときは、好きなことをしていたらいいじゃないか、と一瞬驚いてしまった。---------------------------------------------------------------自閉症の子どもは(大人になった人の大多数も)、遊びや娯楽の内容のレパートリーを、自分の力で発展させていくことが難しい。彼らの多くは、自由時間よりも、ワーク・システムに従って身につけた、習慣的で定型的な作業をしているときのほうが生き生きとしており、喜びや楽しみを感じているようにさえ見える。おそらくそうなのであろう。できないことを見よう見まねで、意欲的に、多少でも冒険的にやってみようとするようなことは、めったにない。そういうことには臆病で警戒心がきわめて強い人が多い。自閉症の子どもの不適応行動は、しばしば自由時間という放置されている時間に発生し、自由時間に固着しがちである。おそらく彼らにとって、自由時間の多くは、何を、いつまでしていればよいか分からない、不安と混乱の時間なのであろう。彼らに余暇活動を積極的に指導することの意義は、こういう彼らの特性にもよるところが大きいのである。習慣や日課のようになった余暇活動のスキルを身につけることで、多くの人はやっと安定した日常生活を送ることができるのだと思う。---------------------------------------------------------------少し長いけれど、引用した。TEACCHプログラムが、自閉症者の人生全体を援助するプログラムだと力説しているのがうなずける。学校の勉強や、職場での業務だけでなく、余暇活動も楽しめるよう援助するのか――「余暇を好きなことをして楽しむ」ということが、教えてもらわなければならないものだとは気づかなかった。たとえば「特に趣味はないなぁ。休日はぼんやりテレビでも見てるうちに終わってしまいますよ」と言っている人だって、「余暇に趣味を楽しむ」ということの意味は分かる。特に自分にはないという人も、趣味に熱中しているのがどういう状態か、想像できる。それに、家のリラックスした雰囲気を楽しみながら漫然とテレビを見ることも、積極的ではないながらやっぱり余暇活動だ。当然、両親と援助者が協力しなくては、支援はできない。「うちの子はこんなことが好きらしい」という情報も必要だし、好きなことであっても教室に通ったりするには、最初は一緒に通うなど、親の助力が要る。TEACCHプログラムは、親や関係者や支援者が協力して行うことだと書いてあったが、なるほど周囲の人たちが協力して行わなければ効果がないだろう。「誰かが指示したことに、他の人が従う」ということではなく、互いの観察結果を持ち寄り、当事者のことを考えて決めていかなくてはならないだろう。特別支援学級に関わっている知り合いは、この本を知っていた。基本中の基本らしい。興味や必要がある方は、実際に本を読んでいただくのが一番だと思う・・・・・・●6年目:高次脳機能障害・発達障害Chapter 2 発達障害■目次へ■■まえがきにかえて(おことわり)■ ワーキングレディズカフェ ...