日曜日、ヒロ君にせがまれてサッカーをやった

僕「ヒロ、今週で兄ちゃんは受験がおわりだから
 そうしたらまた、一緒にサッカーやってくれるよ」

ヒロ「う~ん、むりだと思う」

僕「どうして?」

ヒロ「だってこの前、『サッカーやって』って言ったら
   なぐられた」

僕「・・・そうかあ、今は兄ちゃんいそがしいんだよ
  また、受験が終わったら、元の優しい兄ちゃんに
  戻ると思うよ」

今週は毎日、5:30起き

月曜は第2志望
火曜は第1志望を受験
今日、水曜日は第3志望を受ける
そして、僕はその間、第1志望の発表を見に行く


第1志望はかなり難関である
たぶん一発合格は無理だろう
受かっていればそのまま入学手続きだが・・・

一応、入学金は用意しておいた

第3志望校を受けにいく兄ちゃんと母親には
お昼に横浜で一緒に食事しようと伝えた

もしも合格していたら、ニーニにはヒロちゃんに優しく
するように話そう
受験の間、みんなに協力してもらった事を
感謝するように、という事から話そう

学校につくと、校舎に大きく結果が張り出されていた
目が良いので、遠くからでも見える
ニーニの番号が、無いように見える

思わず目を伏せてあるいた
そうして近づいてもう一度確認

無い、どう考えても無い

予想していた通りだ、仕方あるまい

メールで母親に伝えることもできたが
その気が起こらず
昼に連絡があるまで待った

母「今終わった、発表どうだったの?」
僕「うん、だめだったよ。横浜で会おう」

横浜駅で待っていると、母親とニーニがやってきた
ニーニ・・・子供だと思ってたけど
もう母親より背が高くなっていたんだな

僕「母さんに聞いたか?」
ニ「うん」
僕「そうか・・・何が食べたい?」
ニ「なんでもいい」

お勧めの麻婆豆腐の店へ連れて行った
少し店の外で待たされた

うつむいているニーニの膝に
大粒の涙が
ボトリ、ボトリ・・・

あまり会話もなく、昼食をとった
何か言おうと思ったが、
とうとう何も言わなかった

午後3時から、月曜に受けた第2志望校の合格発表がある
月曜の試験終了時点で聞いたニーニの手ごたえは
『社会が全然わからなかった』

第2志望もかなりの名門校である
うちは遠いから第2志望と言ってるだけで
首相を二人も出している、名門中の名門
一科目失敗して受かるほど甘くない

もう絶望視しているのだが、
しかし、予定ではこの後、
母とニーニが合格発表を見に行く事に
なっている

ここで続けて不合格を見るのはつらいだろう・・・
明日の第一志望の2回目受験に備えて
今日は早く帰って、切り替えて勉強するべきじゃ
ないだろうか・・・?
母親だけで見に行けばいいんじゃないか?

そう思ったが、ここで母親ともめたくなかったので
黙っていた
(うちら夫婦は意見がいつも合わず、
 普段は些細な事ですぐ口論になる)

何を思ったか、母親が
「一緒に見に来る?」
「いや、仕事があるからダメだよ」

母親も厳しいと思っていたから
心細かったのだと思うが
仕方がない

午後、仕事も手につかず
このまま明日、第3志望も不合格だったら
そのまま4校目に願書を出しに行かなければ・・・と
考えていると

ニーニから電話が

僕「もう発表みたのか?どうだった?」
ニ「どうだったと思う?」

ん、なんか明るいな?もうふっきれたかな?

ニ「受かったよ」

僕「何?なんだって?」

ニ「合格してたよ」

なんかの間違いじゃないのか?

切ってから母親の携帯に電話してみる

「よかったよ、受かってたよ」

どうも本当らしい

母「今夜は何が食べたい?」
僕「何いってる、それはニーニに聞けよ」

寿司が食べたいという。明日も試験があるので
スーパーで寿司を買って帰る事に

しかし、いつもの握りずしコーナーに
太巻きしか置いてない! なんだなんだ???

あ、そうかあ、恵方巻きか
今日は節分だ

豆も購入

今年は無いかと思ったが
我が家の一大イベント豆まきが行われた

慣例にのっとり、鬼は交代で受け持つが
毎年の事ながら、母親の鬼は実に似合っている

そうだ、ヒロ君にやさしくするように言うの忘れてた!
それは明日、2度目の第一志望、
最後の試験が終わってから言おう

もう第4志望は、受験する必要は無くなった

2年以上続いたニーニの中学受験が、明日終わる

小学生にとって、2年は長いよね。
よくがんばったね。