福知山線の生瀬―武田尾は1986年に複線電化された折に、西宮名塩を経由する、ほぼトンネル区間にルート変更され、旧線は廃線になりました。廃線後は武庫川沿いを走る、風光明媚なルートであった事もあり、線路跡を勝手にハイキングする人が続出しました。当初JR西日本は危険として、廃線ハイキングを認めていませんでしたが、がっちり柵で囲まれていたわけではないので、廃線ウォークを楽しむ人が多くいました。2016年にJR西日本が、根負けしたのか最低限の安全策を施して、正式にハイキングコースとして開放しました。

本日は我々夫婦が還暦を迎えた事もあり、子供たちが何か記念になるものをと言う事で、宝塚のワシントンホテルに、ディナー付きの宿泊を手配してくれました。そして昼間は、16年ぶりに解放された廃線跡を歩こうと言う事で、やって来ました。

子供たちが小学校高学年の頃一度来ています。当時は川原に降りて牛乳パックホットドックのお弁当をもってやって来ました。

今回は整備された後初めてです。廃線跡は4.7㎞2時間弱の行程です。トンネルは全部で6つ。最長は413mです。11時頃から歩き始めました。

実は今回明日の予定もあり車で来ています。駐車場は生瀬より武田尾の方が充実しており、武田尾の駐車場に車を置いて、まず先に電車で生瀬駅に向かいました。武田尾駅は現在トンネルに挟まれホームも半分以上トンネルの中です。旧線上から写真を撮っていますが、昔は武庫川沿いに、今の線路と直角に走っていました。山の中の交換設備を持つ、木造駅舎の良い雰囲気の駅でした。旧型客車が、交換のために停車すると無音の世界になり、対向のディーゼル特急まつかぜが通過して行くと言うような趣のある駅で、小さい頃からよく通っていました。

生瀬からしばらく国道沿いを歩き、中国道の下を潜ってから、いよいよ廃線跡に入ります。この出発地点にはトイレが整備されています。以前はもっと民家の裏口みたいな所から、始まっていたと記憶していますが、ＪＲが手を入れて分かりやすくしたものと思われます。

最初のトンネルである北山第1トンネルです。長さは319m。灯は無く真っ暗です。枕木が残っており時折躓きます。

トンネルを二つ越えて3つ目に差し掛かる所に広場がありました。ここで弁当としました。ケーキが割れてこぼれたカスにアリが群がりました。最初は1匹だったのですが、いつの間にか多くのアリが集まり、みんなで運んでいきました。結構あちこちにアリがいたのですが、大集合が掛かったのか、それらのアリがいなくなりました。

丁度この辺りは流れが急になって小さな滝が連続していました。

短いトンネルが連続する区間には途中にトラス橋が残っていました。

武田尾側の入り口付近です。無事食事込みで、3時間歩ききりました。本日は時折日が差す程度で、そんなに暑くもなく丁度良い加減でした。家族づれから老人クラブ、友達小グループなど多種多彩のメンバーが楽しんで散策していました。勾配が苦手な列車が走っていたので、起伏が少なくフラットな行程です。トンネル内は真っ暗なので明かりが必要です。スマホのライトでもいけますが、数人でつけてようやくと言う程度なので、できればちゃんとしたライトを持参した方が良いです。武田尾駅周辺は温泉もあって日帰り入浴や、宿泊もできます。あと1か月位後の紅葉シーズンは、大渋滞になるかもと言う位混むかもしれません。

無事車上の人となり、少し早くホテルにチェックインして、風呂に入ったり散歩したりして、夕食は武庫川の見える窓辺で、ワインと洋食を子供たちからご馳走になりました。ありがと。

福知山線廃線ウォーク