嵯峨野の奥の化野（あだしの）念仏寺に行ってきました。40年以上前の高校生の頃、紅葉の撮影に出かけて以来の訪問です。

化野に至るあの雰囲気のある道は、保津峡に行く際に車では何度も通過しているのですが、そぞろ歩きしたのは久しぶりです。

化野は京の都の外れに在り、その昔は京の墓場でした。しかも高貴な人々ではなく、一般市民の墓場でしたので、野ざらしのまま遺骸が放置されていたそうです。歴史によれば、８１１年空海が野ざらしの遺骸を供養するために千体の石仏を設置したのが、念仏寺の始まりとされています。

本日も車でやって来ました。駐車場もガラガラ人も殆どいません。お手軽京都観光が図らずも気に入ってしまっています。普段ならとても車で行くことはありません。念仏寺は嵐山の奥にあるので、足が良くありません。嵐電嵐山からでも徒歩30分位かかります。紅葉の頃などは沿道がものすごい人の波になります。

本日は天気も非常に良くて私の化野のイメージから言うと健康的すぎます。歴史的な謂れからも化野では、何か薄暗く物の怪でも出るのではと言う雰囲気が私の勝手な化野の設定です。

苔むした庭が雰囲気を盛り上げてくれます。

西院の河原の千体念仏で野ざらしの遺骸を集めて供養した無縁仏です。本来は本日夕刻から千灯供養の日に当たり、この石仏すべてに蠟燭を灯す儀式があったのですが、コロナ絡みで中止になったそうです。

本尊の阿弥陀様です。

この竹林の階段もよく観光案内には登場しますね。無人の道は珍しい眺めだと思います。

六面六体地蔵様です。六面に六道が描かれそれぞれに地蔵が人々を救済しているとされています。

蒼モミジ美しいです。青空に映えます。

念仏寺を出て沿道散策です。食事系の店は殆ど閉まっています。

小間物店に入り涼を得ました。黒豆茶を出してもらいました。奥にある丹波焼の蔵を見に行くと、白い物の怪が動いたのが見えました。物陰からひょっこり顔を出した白猫でした。店の人の話によると野良猫だそうです。

これにて化野は終了しました。快晴の下気温もぐんぐん上がり、汗が大量に出ました。食事の跡大原方面に移動しました。

化野念仏寺