分水嶺、分水界という言葉があります。区別は厳密には分かりませんが、どちらも水の流れが変わるポイントであることには変わりありません。日本の本州で言うと日本海側へ向かうのか、太平洋、瀬戸内海に向かうかの分かれるポイントになります。本州の海岸線に概ね平行に分水界の線が敷かれています。大概は高い山の上なんですが、意外にも低地に分水嶺がある事があります。日本で一番低地にある分水界は、兵庫県丹波市氷上にあります。ＪＲの駅で言うと福知山の少し大阪寄りにある石生駅の近くです。水分かれ公園にそれはあります。

分かりやすい案内が出ていました。黄色に着色された方は加古川水系、赤に着色された方は由良川水系になります。当然加古川は瀬戸内海に、由良川は日本海に注ぎます。水分かれ公園は黄色と赤の境目で、尚且つ山から降りてきた谷口にあります。画面ほぼ中央の山と平地の境目付近がそれです。そこから伸びた分水界が平地を走っています。山の方にも線が引かれており、色分けはされていませんが、線の左側は日本海へ、右側は瀬戸内海に向かうものと思われます。尾根にも線が引かれており、（このラインは分水嶺と言うにふさわしい）山の向こう側は、すべて日本海へ行くものと思われます。

実際の分水地点です。日本海へ向かう方が、直角に曲がっています。この地点の標高が95mであり、日本一標高の低い分水点になると言う事です。実際には、この先の平地にも分水界の線は延びていますので、もう少し低い所もあるのでしょうが、その辺りは地下水なので、実際に地表を流れる川として、一番低いというのがこのポイントだと思われます。

公園は水の公園として整備されており、普段ですと子供たちの声が響き渡っている事でしょう。しかし時節柄、静かで落ち着いた公園でした。岩場を流れる滝をシャッタースピードを変えて撮ってみました。上は1/8、下は1/8000と千倍スピードが違います。遅い方は手振れを起こして岩が揺らいでいます。水は常に形を変えてとどまる事をしないと過去の文豪も言っていますね。確か方丈記だったかと思いますが、まさにその通りです。

雰囲気の良い神社もありました。山の偏に石と書いていそと読ませて、山石（本当は一文字）部神社（いそべ）といそうです。私のPCのIMEパットには、収録されていませんでした。それでもこの神社は延喜式内社です。1000年以上の歴史が少なくともあると言う事です。朝廷の官社としてリストに掲載された、延喜式神名帳が纏められたのが972年です。そこに掲載されていると言う事は由緒正しいと言う事になります。全国に2861社あったとの事です。旧街道を歩いている時によく見かけました。

手前の大きな木は夫婦檜だそうです。途中で2本に分かれています。霊験あらたかな感じがしました。

以上でひっそりと一日散歩に行ってきました。帰りに淡河で豊助饅頭、鈴蘭台で神戸養蜂の食パンを仕入れて来ました。車で点を結んで、完全防備で出かける位しないと、気が滅入ってしまいます。