涙の流し方を
忘れ
心へビールを
注ぐ

皆さん、ごきげんよう。佳き夜の暮れ方。
下界を過ぎていく車の音、髪を濡らす雨。
なんともしんどい気持ちになる夜ですね。

先日置き引きに遭ってしまったのでした。
といっても、コンビニのトイレに忘れた
10分の間に鞄と財布が失われたという
ただのわしの粗相によるものなのですが。
現金は一万五千円ほど、他には小説だけ。
カードも全部止めて今日のうちにすでに
再発行の手続きを全て済ませてきました。
いろいろ終わってぐったり午後を過ごし
夜に明後日のための授業準備を済ませて
お酒を飲みながら小説を読んでましたが
お酒にも物語にも入り込めずにこうして
霧雨の中お散歩に出て、歩道橋の辺りで
日記をしたためておるわけでございます。

失った現金については別にいいんですよ。
ただ、鞄も財布も贈ってもらったもので、
わしにとってとても大切な些細なものが
財布の中にはおさめてありましたのでね
それが突然に失われて今何といいますか
気持ちがよくわからない感じになってて
おうちに帰りたくない気持ちなんですよ。

皆さん、近頃、身近なひとや両親などに
お手紙でも、封筒でも構わないのですが
直筆で何かを差し上げたりはしましたか。
メールやメッセージで済ますことの多い
この現代で、ひとのメモを手にするのは
非常にレアケースになっている気がして
どうしてもそういったものをたやすくは
捨てられないというのがわしなのですよ。

ほんまに悲しいのなら泣くのでしょうが
なんででしょうね、泣き方がわからずに
今こうして悶々と雨の降る空を見上げて
これまでにどうやって泣いていたんやろ
って全く建設的でない考えを懐きながら
酒をあおったりしている真夜中なのです。

みゆきさんの歌が心に沁みてまいります。

好きだと言えば不安になる
言われていなきゃ不安になる
言えないことから伝わってしまう
皮肉なものだね

月はもう西に沈んでしまったようですね。
明日は今日より佳き日になるでしょうか。

きっと明日も元気に。