我が家の目の前にある桜の巨木が、今年も立派に満開の花を咲かせてくれました。


もう何年になるのか、、いつの間にか数えるのを辞めた年月が、次女がこの家を出た日から経ちました。

その日は4月1日、エイプリル・フール。桜が満開の日でした。

朝、バイトに行ってきます、と家を出た次女。いつも通りなら夕方から夜には家に帰る筈が、夜8時を回っても帰って来ない、、携帯にメッセージを送っても全く返信もない、既読もつかない、、、嫌な予感が全身を包んみました。

あの子は家を出た、、慌ててあの子のパスポートがある場所を確認すると、パスポートが無くなってる、、、まさか、まさか、、、あんなに家族を大好きな娘が、、私は絶対お母さんやお父さんを苦しめるような事はしないからね、長女が反抗期で悩んでいた時、そう言って慰めてくれたあの子が、、、私は一晩中、絶対に帰ってくる、そう信じ、祈りながら、泣きながら、ドアの前に立ち、満開の桜の木を見つめて、あの桜の木の下を歩いてあの子が帰ってくるとそのイメージを強くもちながら待ち続けました。


結局、反対していた相手の親が手助けした形で、娘はアメリカに行ってしまい、情報を遮断され、半分洗脳されたように、あの男と結婚してしまった。

その日から満開の桜を見るとトラウマの様に辛い気持ちが湧き上がってきて悲しみに押しつぶされる様になりました。

この数年やっと、単純に満開の桜を見ても辛さは前ほどではなくなりました、、、でも我が家の目の前の桜を見るとどうしても、あの夜の満開の桜を思い出してしまいます。

今でも、あの子が満開の桜の木の下を歩いて、あの日の姿のまま帰って来てくれる、、、そんな幻想を抱いてしまいます。

今年もそんな季節です。