Здравствуйте、埴安神けーきです。
今回は前回に引き続き「ACR」について解説します。
第3回の今回は第二回に入りきらなかった軍向けのACRについて少し解説して終わらせます。

↓前回 2/3

 ACR-IC





アメリカ陸軍は長らく使用し続けているM4A1を更新することを画策し、2010年8月に共同要件監視評議会によって承認され、陸軍は年末までに参加企業を募集した。
そして事前勧誘通知W15QKN-11-R-F003が2011年1月31日に発行された。このプロジェクトは「個人用カービン(英語:Individual Carbine)」と命名された。
参加企業にはレミントンコルトLWRCロビンソンアームズFNH&KKACなどがあった。そのうちレミントンが提出した試作モデルが「ACR-IC」(ICはIndividual Carbineの略)(単にACRと呼ばれる場合も多い)である。

個人用カービンの要件は以下の通りだった。
  • 高い精度
  • 高い信頼性
  • 軽量化
  • セミオートとフルオートを切り替え可能
  • ピカティニーレールの設置
  • 完全なアンビ設計
  • 5.56×45mm弾または7.62×51mm弾を使用
この中でも企業らが最も注力したのは軽量化で各試作はどれも大幅な軽量化がされている。

レミントンのACR-ICも例外ではなく軽量化のためにさまざまな機能が省略されている。



まずストックの折り畳み機能が省略され固定となった。さらにコッキングレバーは折り畳み可能となり、レバー式の迅速銃身交換機能も省略されレバー式ではなく専用のレンチを使用するように変更された。この方式はレミントン社のMSRと同様の方式である。
単に軽量化の意図だけではなく従来の迅速銃身交換システムは射撃時の振動によって銃身がずれ、精度が低下することを発見したためそれの改善でもある。また標準銃身にあたる14.5インチの銃身には軽量化と冷却の効率化のために溝が掘られた





上記の変更がされたACR-ICは2011年にフランス・パリにて開催された警察装備展示会「MILIPOL」にて初めて公開された。


ショットショー2012でもACR-ICが展示された。またこの際にはACR-ICではなく単に「ACR」として展示されている。(ACR-ICとは正式な名称ではなく通常ACRと区別するために付けられた俗称?)


2012年のNDIAにも同じモデルのACR-IC、また合わせて新型のカービンモデルである「ACR-C」も公開された。

 ACR-C





2012年のNDIAにて公開されたACR-ICのカービンモデル
9.75インチの銃身折り畳み可能な従来のACRと同様のストックを備えている。ハンドガードは短いM-LOKスロットを備えたものを取り付けている。構成的にはレミントンの製造するACRのカービン型と同様
後に名称は「ACR-PDW」に更新された。

個人カービン計画は2011年から12~18ヶ月のテストフェーズが開始された。100万発以上の実弾発射試験が行われ、継続的な射撃による精度の悪化について試験された。また導入にかかる費用についても審査された。
これらのテストは国防長官室によって評価されテストが完全にオープンかつ不正がないように監視された。
最初はNATOの新型標準5.56×45mm弾である「M855A1弾」と完全な互換性があるかどうかのテストが行われた。
その後はフェーズI~IIの段階に分けられてテストされた。

フェーズI
フェーズIでは銃器の拡張性について試験され、具体的には光学照準器やサプレッサーなどのアタッチメントとの互換性があるかテストされた。また月に2000~4000挺の銃器が生産できるかなど生産力に関しても試験された。
2011年11月でコルトのCM901(APCの7.62×51mm弾仕様)、LWRCKAC、生産企業として参加していたS&WM&Pスタッグアームズが脱落または離脱した。
その後スタッグアームズは計画に勝利した製品の3分の1を生産する権利に入札、KACはAPCの部品の一部を生産する権利に入札した。

フェーズII
フェーズIでは十分な生産能力を持たない企業を排除したが、フェーズIIでは精度信頼性耐久性を評価するため実弾発射試験が実施された。
フェーズIIへと進行した企業はFNH&Kレミントンコルトアドコーディフェンス(新規)、ベアエリート(新規)、ベレッタ(新規)。
フェーズIIは次の5つの評価項目にて得点制で評価され、12~18ヶ月の期間で候補を3つまでに絞った。

第1次テスト

90ラウンドの弾薬を使用して100、200、600mでの距離で精度と分散の詳細な評価。さらに21000発の射撃試験で信頼性、耐久性、銃身の耐久性および機関部の耐久性が評価された。

第2次テスト
過酷な温度および環境での作動性が評価された。具体的には水に浸された状態や高所から落下された状態、潤滑が不足した状態、氷に覆われた状態、泥に覆われた状態にて継続的に射撃できるかどうか試験された。

コスト
アメリカ陸軍は高額な製品は採用しないとしており、できる限り低価格であることが必要とされた。

政府の目的権(?)
アメリカ陸軍は3つの企業と契約し、それぞれ最大178890挺の製品を生産し、できる限りコストを削減し、生産目標を達成できない場合でも軍への納入を確実に行える生産能力が必要とされた。

特定兵士評価
テストでは選抜された男女16名の兵士によって行われた。トリガープルやトリガーを引いてから激発するまでの時差、戦闘環境での機動性と携帯性などより実用性を重視した試験が行われた。
射撃試験では近距離だけではなく中距離および遠距離のターゲットで試験された。ターゲットは静止した状態、移動している状態などさまざまな状態を再現する。

この計画には3000万ドルが使用された。
計画で勝利するためには「明確な改善点」があることが最重要とされ、どの試作品も要件を満たせなかった場合既存のM4A1をアップグレードすることで補完される。

2013年3月19日に、国防総省は軍全体における無駄を削減するための取り組みの一環として個人カービン計画を中止すること提案した。同年5月2日には陸軍も個人カービン計画を中止することを検討していることを発表した。個人カービン計画はフェーズIIは完了したもののフェーズIIIは未完了であり兵士による評価は生産企業の審査なども完了していなかった。
そしてついに同年6月13日に正式に個人カービン計画は停止された。フェーズIIIではどの試作型も要件をクリアできなかった。

計画自体の頓挫によりACR-ICも失敗した試作型として歴史の闇へと葬られた。

これにて1~3回にわたるACRの解説は終了とします。ここまで読んでくださりありがとございます。

【資料】