手紙を書かなくなって久しいです。僕が最後に手紙を書いたのは、確か大学時代でした。両親に宛てたもので、言葉遣いや表現方法に悩んだのを良く覚えています。会話する様に書くと、子供っぽくなってしまうので、堅い表現の手紙になってしまいます。今のメールとは違い、手紙にはその人の常識力や語彙力が出てきます。そして、書いてる人の気持ちも読み取れるのが手紙の凄い所です。気持ちを文章に込める事ができるからこそ、直接言えなかった事も手紙の中では言えるのかもしれませんね。あの時言えなかった真実、告白、気持ちを自分の中に押し込めている人は少なくないと思います。湊かなえ「往復書簡」に出てくる色々な告白に触れ、手紙がただの通信手段ではなく、人の気持ちを運んでくれる事を思い出しました。手紙を書く時ほど、相手の気持ちを考える事ってないかも…そんな手紙の素晴らしさと、手紙だからできる切ないミステリー作品。


