埼玉県の人口は増えているのか、減っているのか

「埼玉は東京のベッドタウンだから、人が増えているはず」と思う人は多いと思います。
実際の数字を確認すると、県全体ではまだ人口が増えています。

  • 2015年1月の埼玉県人口:7,239,813人
  • 2025年1月の埼玉県人口:7,326,255人
  • 10年間の増減:+86,442人(約+1.2%)

一方で、市町村ごとのデータを見ると状況はかなり違います。
滑川町や八潮市、さいたま市、戸田市、朝霞市などは人口が増えていますが、
小鹿野町、東秩父村、長瀞町、皆野町などでは人口が2割前後減少しています。

同じ埼玉県の中で、

  • 「東京通勤圏として伸びている市町村」と
  • 「県北・秩父地域を中心に、人口減少が進んでいる市町村」

がはっきりと分かれているのが特徴です。

※人口データは、埼玉県公式の 「埼玉県推計人口(月報データ)」
(2015年1月・2025年1月)をもとに筆者が市町村別に集計しています。
四捨五入の関係で、元の統計表と端数が異なる場合があります。

 

人口が増えた市町村の特徴

2015年から2025年のあいだに、人口が増加している市町村はいくつもあります。
増加率が高い自治体として、次のようなところが挙げられます。

  • 滑川町(+10.8%)
  • 八潮市(+10.1%)
  • さいたま市(+7.9%)
  • 戸田市(+7.8%)
  • 朝霞市(+7.8%)
  • 蕨市(+4.9%)
  • 志木市・三郷市(各+4.4%)
  • 富士見市(+4.1%)
  • 川口市(+3.9%) など

それぞれの市町村には、次のような傾向が見られます。

滑川町
東武東上線・森林公園駅の周辺に住宅地が広がる町で、10年間で約2千人増加しています。
広めの戸建てを求める子育て世帯などが流入しやすいエリアと考えられます。

八潮市
つくばエクスプレス沿線の市で、都心へのアクセスが良く、マンションや賃貸物件が多い地域です。
2015〜2025年のあいだに約8,600人増えており、働き盛りの世代が集まりやすい状況が続いています。

さいたま市・戸田市・朝霞市・川口市など
JRや地下鉄で都心と直結している市が多く、通勤先が東京でも、住まいは埼玉というライフスタイルに合っています。(川口市の人口について
駅周辺に商業施設やマンションが集まり、人口が増えやすい条件がそろっていると言えます。

人口が増えている市町村を地図で追うと、
「東京まで電車で通いやすいエリア」「新しい住宅が供給されているエリア」がはっきりと浮かび上がります。

 

人口減少率が高い市町村の現状

一方で、人口減少率が大きい市町村も目立ちます。
減少率が高い自治体の例を挙げると、次のようになります。

  • 小鹿野町(▲21.4%)
  • 東秩父村(▲21.4%)
  • 長瀞町(▲15.8%)
  • 皆野町(▲15.1%)
  • ときがわ町(▲15.0%)
  • 小川町(▲14.1%)
  • 吉見町(▲13.8%)
  • 秩父市(▲13.0%)
  • 横瀬町(▲13.0%)
  • 川島町・越生町(各▲12.8%) など

秩父郡市や比企地域、県北部の町村が多く含まれています。
長瀞町や皆野町、秩父市は観光地としてよく知られていますが、
住んでいる人の数はこの10年間で1〜2割減少しています。(長瀞町のページ

背景としては、次のような動きが考えられます。

  • 高校卒業後に若い世代が、さいたま市や川口市、東京都内へ移っていく
  • 残る世帯の中心は高齢世帯になり、空き家が増えやすくなる
  • 自家用車に頼る生活が基本で、運転が難しくなると暮らしにくくなる

人口減少と高齢化が同時に進んでいる地域では、
学校の統廃合や路線バスの維持、商店の減少など、身近な生活に直結する課題が表に出やすくなっています。

人数に注目すると、熊谷市や秩父市、春日部市、入間市、行田市なども
数千〜1万人規模で人口が減っており、
県内での人の流れが変わってきていることが分かります。

 

埼玉県 市町村別人口増減一覧表【2015年→2025年】

ここまで、増加・減少が目立つ市町村を中心に見てきましたが、
実際には63市町村それぞれに違う動きがあります。


 

市町村名 2015年1月の人口 2025年1月の人口 人口増減数 人口増減率(%)
滑川町 18,080 20,039 1,959 10.8
八潮市 85,949 94,599 8,650 10.1
さいたま市 1,252,569 1,351,535 98,966 7.9
戸田市 131,900 142,181 10,281 7.8
朝霞市 133,569 144,018 10,449 7.8
蕨市 71,426 74,922 3,496 4.9
志木市 71,893 75,059 3,166 4.4
三郷市 135,508 141,472 5,964 4.4
富士見市 108,706 113,174 4,468 4.1
川口市 572,077 594,450 22,373 3.9
吉川市 68,835 71,149 2,314 3.4
東松山市 90,020 92,758 2,738 3
和光市 82,404 84,680 2,276 2.8
ふじみ野市 110,588 113,624 3,036 2.7
新座市 162,175 166,189 4,014 2.5
伊奈町 43,977 45,000 1,023 2.3
越谷市 332,713 338,793 6,080 1.8
白岡市 51,337 52,189 852 1.7
草加市 246,113 250,109 3,996 1.6
川越市 349,783 354,282 4,499 1.3
上尾市 224,810 227,825 3,015 1.3
宮代町 33,668 33,757 89 0.3
桶川市 73,968 73,710 -258 -0.3
鶴ヶ島市 70,310 70,062 -248 -0.4
所沢市 342,389 340,660 -1,729 -0.5
加須市 112,335 110,785 -1,550 -1.4
鴻巣市 118,013 116,355 -1,658 -1.4
三芳町 38,344 37,637 -707 -1.8
蓮田市 62,216 61,025 -1,191 -1.9
久喜市 152,137 148,901 -3,236 -2.1
上里町 30,636 30,001 -635 -2.1
坂戸市 101,662 99,462 -2,200 -2.2
深谷市 142,489 139,117 -3,372 -2.4
本庄市 79,710 77,484 -2,226 -2.8
飯能市 81,429 79,081 -2,348 -2.9
春日部市 234,030 225,923 -8,107 -3.5
狭山市 152,517 146,896 -5,621 -3.7
北本市 67,350 64,413 -2,937 -4.4
嵐山町 18,286 17,481 -805 -4.4
入間市 148,901 141,776 -7,125 -4.8
熊谷市 199,361 189,591 -9,770 -4.9
羽生市 55,038 52,156 -2,882 -5.2
杉戸町 45,611 42,910 -2,701 -5.9
日高市 56,857 53,367 -3,490 -6.1
美里町 11,439 10,620 -819 -7.2
幸手市 52,617 48,494 -4,123 -7.8
行田市 82,699 76,142 -6,557 -7.9
神川町 13,907 12,717 -1,190 -8.6
毛呂山町 37,752 34,199 -3,553 -9.4
寄居町 34,200 30,999 -3,201 -9.4
松伏町 30,208 27,161 -3,047 -10.1
鳩山町 14,321 12,844 -1,477 -10.3
越生町 11,938 10,407 -1,531 -12.8
川島町 20,980 18,303 -2,677 -12.8
秩父市 63,839 55,551 -8,288 -13
横瀬町 8,565 7,450 -1,115 -13
吉見町 19,861 17,123 -2,738 -13.8
小川町 31,180 26,770 -4,410 -14.1
ときがわ町 11,551 9,822 -1,729 -15
皆野町 10,197 8,655 -1,542 -15.1
長瀞町 7,462 6,286 -1,176 -15.8
小鹿野町 12,381 9,736 -2,645 -21.4
東秩父村 3,027 2,379 -648 -21.4

表を見ながら、自分が住んでいる市町村や、
これから住むことを検討している地域の数字を確認してみると、
「何となく」のイメージではなく、具体的な変化がつかみやすくなります。

 

暮らしとビジネスの視点から見た埼玉の人口変化

人口データは、統計として眺めるだけではもったいない情報です。
暮らしや仕事の計画を立てるうえで、次のような使い方ができます。

住む場所を選ぶとき

  • 都内に通勤しつつ、住宅費もできるだけ抑えたい場合
    増加傾向にあるさいたま市、川口市、戸田市、朝霞市、和光市、八潮市、三郷市などは、
    今後も鉄道や商業施設が維持されやすいエリアと言えます。

  • もう少し落ち着いた環境を求める場合
    越谷市、上尾市、白岡市、伊奈町なども、増加率は控えめながら人口が増えている自治体で、
    利便性と住宅環境のバランスを取りやすい地域です。

  • 自然が多い地域での暮らしを考えている場合
    秩父地域や比企地域の町村では、人口減少が進む一方で、
    空き家や広い土地の活用など、都市部とは違う選択肢が広がっています。

出店やサービス提供エリアを考えるとき

  • 小売店や飲食店、日常生活に関わるサービスを考える場合
    人口が増えている、もしくは横ばいの市町村は、一定の需要が見込みやすいエリアです。

  • 人口減少が進んでいる地域では
    高齢者向けの生活支援、移動販売、宅配、送迎サービスなどの需要が大きくなる傾向があります。
    熊谷市、秩父市、行田市、小川町などでは、こうした分野を意識したビジネスの余地があるかもしれません。

 

使用データと出典

この記事で扱っているデータは、次の条件で集計しています。

  • 対象:埼玉県内 63市町村

  • 比較時点:2015年1月1日現在 と 2025年1月1日現在

  • 掲載項目:

    • 2015年1月の人口
    • 2025年1月の人口
    • 人口増減数(2025年人口 − 2015年人口)

    • 人口増減率(人口増減数 ÷ 2015年人口 ×100)

人口の数値は、埼玉県公式の「埼玉県推計人口(月報データ)」から引用し、
筆者が市町村別に集計・整理したものです。
見やすさを重視して一部で四捨五入を行っているため、元の統計表と端数が異なる場合があります。

「埼玉県 市町村別 人口減少率 ランキング 2015 2025」や
「埼玉県 市町村別 人口増減 一覧」を確認したいときに、
このページが判断材料のひとつとして役に立てば幸いです。