仕事のミスで泣いた。幾年ぶりに泣いてしまった。

 この辛酸を舐める経験を記憶が鮮明なうちにブログに残そうと思う。

 

 これはとある平日の話だ。

 前日に業務都合で仕事を休んでいた小生はいつも通り出勤した。

 席について開口一番、隣の上司が声をかけてきた。

 上司「羽田君、この書類の件覚えているか?」

 一瞬で悪寒を感じた。

 瞬時に理解したのだ。この書類は本来2か月前に提出しなければならなかった書類だ。

 小生は昔からそうだ。忘れ物が多く、不注意が非常に多い。

 だから、自分のことを理解し新社会人として働き始めてからメモを書くようにしていた。

 無論、この書類の件もメモに残していたのだ。

 

 小生は身震いしながら答える。

 小生「こ、この書類は私が担当していたお客様に提出する書類です。」と。

 

 上司は笑いながら言う(目は笑っていない)。

 上司「いや、全然怒ってないよ(怒っているか聞いていない)。昨日たくさんの人に迷惑かけただけだし、もうおわったことだしね。まあ、Bさんからはご指導あるとおもうけど(笑)。」

 

 Bさんは同部署ではかなり優しい上司だ。この一年間で怒っていたことを見たことがない。

 そんなBさんが激怒していたとの話である。

 

 幸いBさんはまだ出勤していない。

 この間に、どう謝るか、考えていた。

 いろいろ考えた結果。素直に謝ることにした。

 

 Bさんが出勤してきた。

 小生はBさんが席についてすぐに深くお辞儀をし、謝罪した。

 その光景は客観的にみて滑稽だっただろうか。

 たくさんの社員がいるなかで、普段ほとんどしゃべらない窓際社員が謝っているのだから。

 小生は実力もないのにプライドだけは一人前の小心者だ。

 この時点で、涙腺は崩壊寸前であった。

 

 しかし、Bさんの返答は思いもよらないものだった。

 Bさん「全然気にしていないよ(笑いながら)。」

 以上。

 

 怖かった。

 素直に怒られるのではなく、こいつはもうどうにもならないと思われ怒られもしなかったのだ。

 怒られるうちが花についてここで理解した。

 静まり返った部署の中で一人声も出ず、お辞儀した顔も挙げられない。

 社会人になっておきながら非常に恥ずかしいことかもしれないが、まわりの視線や考えが気になってしょうがない。

 

 一人立ち尽くす小生を尻目に、なにも言わずBさんは離席した。

 とりあえず、小生は席に戻った。

 仕事を開始しようとしても全く手がつかなかった。

 自分への不甲斐なさや不安、緊張などいろいろな気持ちや状態が混ざり合っていたと思う。

 ほかの社員同士が話していることさえも自分の陰口なんじゃないかと思えるくらいに(実際は違うだろうが)。

 その一日は浮ついたまま岐路につく。

 自宅に帰り、電気もつけずに布団に入る。

 しんどい気持ちの捌け口をYouTubeやラジオに当てる。

 しかし、気づいた時には涙が頬を伝っていた。

 涙を拭っても拭っても瞳から珠がこぼれ続けるのだ。

 

 非常に恥ずかしい話だが、このミスを改善しようではなく、会社を辞めようと考えていた。

 小生は社会人としてだけでなく、人間としても落ちぶれている。

 

 自宅のメタモンを抱きながら、物思いにふけるのであった。