相談 | Web手外科研究所

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「手の外科無料相談所」で相談を受けたメールとその返事を患者さんの氏名を匿名にする等一部改変して掲載しています。どなたでも読者登録O.K.

 はじめまして。私は、34歳女性です。手術をするかどうかを迷っています。
症状があるのは左手小指利き手は右手
現在、治療中
職業、営業職
(→太陽光電池をとりつける会社でかたがきは営業なんですが、おもに図面を書いています。どちらかというと設計に近いです。)
スポーツはけがするまえはジョギングをしていたのですが、現在は、手をふると痛いのでウォーキングが精いっぱいです。
どこから説明したらよいのかわからないので長くなりますが最初のいきさつから説明します。一年二ヶ月前に猫に左手小指をかまれました。傷は犬歯がささっただけなので、鉛筆の芯がささったくらいの小さいものでした。その日のうちにはれたので、近くの外科(医院)にかかりました。先生に『膿をそとにだしていれは骨にいくことはないから毎日、消毒にかよいなさい』といわれ二週間通いました。毎日、膿をしぼりだしていても傷はスッキリせず、しろうとめにも“あやしいな”・・・とおもいだしたのはこのあたりからです。。傷も小さいし医者にかかっているのだからと油断してしまいました。結局そこから一週間後に紹介状をかいてもらい、総合病院を受診することになりました。総合病院に行って検査をしてもらったのが、猫にかまれてから3週間目のことです。骨髄炎の診断をうけ、受診した日に即入院。抗生物質の点滴を6時間ピッチで投与。3日後に手術をうけました。手術後、第一関節の関節液の中にバイ菌がはいったのが悪かった。と説明をうけました。DIP関節を中心に炎症があり、骨には爪の側から指の腹側にむかって鉛筆の芯くらいの穴があいていたそうです。そのまわりの腱や血管も溶けていたそうです。DIP関節が動くようになることは難しいと説明をうけました。骨にあいている穴に抗生物質をうめて炎症のおさまるのを待つとのことでした。神経も傷をつけるようになった為しびれが残りました。(【傷病名】左小指末梢骨骨髄炎・左小指DIP化膿性関節炎・左小指屈筋健壊死)手術後も点滴は続き、入院した日から20日間点滴をしました。その後、内服薬にかわり5日後に退院。11月末まで抗生物質服用。2度目の手術は猫に咬まれてから四ヵ月後。指の中にある抗生物質をとりだし、骨にあいている穴に腰の骨を移植し、DIP関節をワイヤーで固定しました。(2度目の手術までの間、週2回リハビリに通っていたのですが、指を曲げる際、指先にかなりの痛みがでた為)その後半年間、週2回リハビリに通いました。この時点で、MP関節はゆっくりですが自力で曲げることができ、PIP関節は自力では曲がらず、右手で指をもち固定してやると30°程度曲る。先生には、「リハビリでは、これ以上改善しない。PIP関節の手術を考えてください。」と言われました。「リハビリも休憩しますか?」と提案があったのですが、リハビリに通わないと、こわばり感とつっぱり感で痛みがでます。そのため、現在まで週1回リハビリを続けています。現在も曲がりかたは、週2回リハビリテーションを続けていた最後の時点と変わりありません。小指の感覚は、触るとしびれて痛いのでわかるけど、痛みを感じるのは鈍いです。薬指に小指の痛みの感覚がきます。こわばっているかんじは常にあります。しびれはさわらないとわからないので楽になりました。先生の説明だと、ゆちゃくがおこっているそうです。次、手術をする場合は【1回目】PIP関節に対し創外固定をし関節に隙間をあけてやるそうです。【2回目】1回目の手術から二週間後くらいにおこない、創外固定を外し、ゆちゃくをはがし、シリコンシートを再ゆちゃく防止のためいれる。手術後、4~6週間リハビリのため入院。【3回目】様子をみて時期を決め、シリコンをとりだす。
 手術をするのを悩んでいるのは先生から、骨髄炎の時に炎症がかなりの範囲に及んでいたため、手術をしてみないとどの程度動くようになるかわからない。またしびれがでるかもしれない。前回はうまいこと消えてくれたけど今回も同じように消えるかはわからない。と言われています。リスクも高いので手術は自分で決めてほしい。と言われました。現在、先生には手術をする旨を伝え、手術日も一ヵ月後に決めたのですが、やはりこれでいいのか日々迷っています。でも、このままでは左手にほとんど力が入らず日常生活がやっとできている状態です。そのことを考えると手術をしたほうがよいとは思うのですが・・・。前回の手術後のしびれは水があたってもいたくて辛かったので、どの程度改善するのか?どの程度後遺症が残るのか?この病院で手術をうけていいのか?最悪のケースを含みおきうる可能性を先生は言われるので不安のほうが大きく、かなりの痛みを伴う手術ときいているので、日々迷っています。ご意見おきかせください。よろしくお願いします。

 メール拝見しました(私用のため返事が遅れて申し訳ありません)。
 犬咬症(猫ですが)後の化膿性腱鞘炎の治療は悲惨な結果になることも少なくありません。文面から判断すると手術を受けられてもそれほど多くの改善は見込めない可能性が高そうです。現状に耐えられなければ可能性は高くなくても手術の改善にかけてみて、現状が我慢できる範囲であれば手術を受けないという基準で判断されるしかないと思います。リスクが高いというよりは改善の見込みが立ちにくい手術という印象です。ちなみに猫が飼い猫で飼い主がいれば、こんなに悲惨な目にあっているのでしたら損害賠償請求するべきだと思います。整形外科の中でも手の外科が専門の医師のセカンドオピニオンを求められてもいいかと思います。その際、レントゲン等の検査データは貸し出しの手続きをとり持参されると話が早いかと思います。
 手の外科病院一覧を貼っておきます。参考にしてみてください。(これ重要⇒手の外科専門の医師の診察を受けないと意味はありません)