ちょっと、待って!仏壇のSDGs | wai blog~日々是安泰~

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今回は私自身の体験ではなく、訪問介護ヘルパー仲間だったAさんの体験談。


ちょっと不思議で、そして、ゾッする話。


かれこれ15年くらい前のお話です。

 

 

Aさんが訪問介護ヘルパーとして担当していたのは

若年性認知症のNさん

(仮名・女性)だった。

 

当初は、時々おかしな言動があるものの、会話も成り立ち、安全確保のために一緒に家事や買い物に出かる介助をしていたそうだ。

 

Nさんの若年性認知症の症状は、数年で崖を転げ落ちるように悪化の一途を辿り、日常生活全般に介助が必要になっていった。

 

お茶が目の前にあっても「飲む」動作がわからなくなり、「歩く」ことが分からなくなったのだという。

 

「まだ若いのに。。。残酷な病気」

とAさんは自分の母親に重ねて、よく涙したそうだ。

 

 

「自宅での生活が限界にきたので施設入所を検討したい。」

というご家族の意向があり、Nさんの介護に関わるケアマネ、ヘルパー、訪問看護士が集まった。

 

一人でNさんの面倒を見ていた旦那さんはすっかりやつれ、年齢以上に老け込んでいた。

 

現状の確認をし、施設申込の手順を話終えた頃

 

普段遠方で暮らしている息子さんが

唐突に口を開いた。

 

「気のせいかもしれないんですけど。

 

お母さんが、

おかしくなったのって

仏壇をもらった頃からなんですよ。

 

関係、ないですよね?

 

ずっと気になってて。」

 


仏壇を、もらった?

 

どうやら、知り合いから立派な仏壇を譲り受けたらしい。

 

 

Aさんはじめ、その場にいた誰もが

『仏壇って、

誰かからもらうもの?』

とそっちが気になって、変な空気が流れた。

 

 

病気発症当時、まだ高校生で家にいた息子さんによると

仏壇がきてから、お母さんが仏間に向かって何か言ったりするようになったのだそう。

 

まるでそこに誰かいて、話している感じがして不気味だったそうだ。

 

だが、すぐに高校を卒業して実家を離れた時期だったので、それについて誰かに相談することもなく忘れていた。

久しぶりに帰省して認知症が進むお母さんを見てショックを受け、仏壇のことが気になりだしたのだという。

 


それを聞いてAさんは、ハッとした。

 

Aさんが訪問介護でお邪魔した時にも

何度かNさんが仏間にいたことがあったからだ。

 

「すいませんねぇ。

お客さんが来たから、そろそろ帰ってもらえます?」

Nさんが一人で話していた。

 

それを認知症症状の一つか、薬の副作用の幻覚か何かだと思い込んでいたAさん。

 

「Nさん、誰もいませんよ!」と言いたい気持ちをぐっとこらえて

 

「すいませんねぇ。

大切な用事がありまして。

Nさんをお借りしますね。」

なんて話を合わせていた。

 

ガランとした仏間に向かって!!!

 

私ったら、誰に向かって言ってたんだろう???

 

それを思い出したAさん。

背筋がゾゾゾ。

 

 

解散後、ご家族と別れ、ケアマネさんらと立話。

 

「もらった仏壇、ちゃんと魂抜いてもらったのかな?」

「いやいや、抜いたとしたって、ダメだって!」

「仏壇って、もらいあったりするもんなの?」

「ダメなやつだよね」

 

「Nさんの認知症、もし本当に仏壇が原因だったとしたら・・・」

「Nさんが施設に入ったら、今度はお父さん、大丈夫かな?」

 

「まさか、仏壇処分してください、なんてケアマネだって言いにくいよね」

「仏壇をもらったせいで、認知症発症の可能性あり、なんて書ける?」

「息子さんがなんとかするといいねぇ」

 

~Aさんの回想、ここまで。~

 

どう考えても、仏壇って人様に気軽にあげるようなものでもないと思うけど。

お高いものだから、ほしいって方もいるのかしら。

 

「老後を考えて、マンションに引っ越すことにしたの。

仏壇がいらなくなったけど、いる?

結構いいやつよ~」

「あら、いいの?

ちょうど、仏壇がほしかったのよ~」

「もらってもらえると私も助かるわ~。

今度持っていくわね」

「あら、悪いわねぇ」

的な会話がNさんと友人間で発生したのだろうか。

 


または、メルカリ?

当時はまだメルカリなかったけど。


メルカリでも売ってるの?と検索したらいろいろ出てきた。


この話を聞いた後では、仏壇関係を個人が気軽に売買しても大丈夫なのかと心配になる。


 

というわけで、いくら地球のためにSDGsが叫ばれる時代とはいえ

仏壇だけは、安易に人からもらうのはやめておいた方がいいと思う。

 

何が一緒にくっついてくるかわからないもの。


これは昔の話だけど、最近似たような話を聞いたので、思わず記事にしてしまった。

 

信じるも信じないもあなた次第だけど、

「おーっと、仏壇もらうところだった」

というタイミングで見たのなら、一考したほうがいいかもしれない。

もらったとしても自己責任で。

 

どなたかの参考になれば幸いです。

 

 

ちょうど、実家の床の間に新しい掛軸がほしいと言っていた母に

おしゃれなタペストリーはどうよ~?と連絡していた。

 



サイズがいまいちだったようで

「もう少し掛軸探してみるわ」で電話を切ったのだが。

 

掛軸!!!

掛軸も、あんまりもらっちゃダメな気がする。

 

代々伝わるいい掛軸とか、その家だからこその物は

気軽にもらわないようにしよう。

 

アマゾンで新品ゲットしたほうが絶対いいと思うわ。


1万円くらいで、気楽に買って、気楽に処分できるくらいのものがいいなぁ。

 

 

 

 

 

wai