日本酒と日本料理 北新地 はな柳（はなやぎ）
店主の柳谷です。
この鍋は最初に修行していた料亭の親方の
形見分けでいただいた鍋です。
親方が使っていた期間も合わせると
約40年以上も使っている計算になりますが、
今でもピカピカに磨き上げています。
修行時代に鍋にアクがついて曇っていると
「お前の心が曇っている証拠や！ちゃんと磨いとけ！」
とよく言われたものです（笑）
実は精神論（？）だけでなく、
鍋を磨くにはきちんと意味があるのです。
意外かもしれませんが、
料理をする時は 「味覚」だけでなく
「視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚」 の五感の
全部を使って料理しています。
だから鍋が曇っていると出し汁と調味料の微妙な色が
わかりなくくなってしまうんですね～。
レシピ通り調味料を入れて炊いたら
美味いもんができるというものではないのですね。
だからプロは料理でお金をいただけるのだと思います。
鍋を磨く…
そんな基本的な事がプロへの第一歩なんだ、
と親方は教えたかったのかもしれません。
そんな事を思いながら、
今日も親方にいただいた鍋をせっせと磨き、
美味しい料理を準備して、皆様をお待ちしています！(^^)
