1カ月以上更新しておらず、突然の記事更新となってしまい、読者の皆さん、お許し下さい。写真の「黄色のバラ」は、今日の記事と関係があるのですが、「お花大好き!」の私が、お花を語るブログなので、やはりお花を語りたいと思いますが、この「黄色のバラ」はこれからお話するドラマを象徴するお花です。

 

お友だちの紹介で、テレビドラマ『愛してたって、秘密はある。』を知り、観ていない1話から8話までを動画で視聴し、テレビで9話と最終回を視聴しました。その続編をHuluオリジナルストーリー「僕は誰だ?」で、前編・後編の2話に分けて動画配信するというので、早速前編1話を今視聴しました。後編2話は9月24日配信予定だそうです。

 

このドラマを語ると長くなりそうですが、弁護士を目指す司法修習生の黎(福士蒼汰)と同期の司法修習生・爽(川口春奈)の二人は結婚を決意しますが、黎には誰にも言えない秘密があります。11年前、中学生だった黎は、父親の皓介(堀部圭亮)が母親の晶子(鈴木保奈美)に激しい暴力を振るっているところを目撃し、晶子の命の危機を感じた黎は、とっさに皓介を殴り殺してしまったのです。黎は自首しようとしますが、晶子はそれを止めます。黎と晶子は皓介の遺体を自宅の庭に埋めて、黎の罪を隠す選択をしたのです。以来、黎の心には常にこの日の出来事が重くのしかかって消えることがなく、この黎の家庭が抱えた秘密とドラマの中で明らかになって行く婚約者の爽の家庭が抱えた秘密にはつながりがあり、二人はこの秘密を一緒に抱きかかえることでしか実らない結婚である現実と向き合うことになります。

 

 

黄色のバラは、父の日の花として定着している「しあわせを象徴する花」ですが、黎にとっては母親を守るためではあっても父親を殺害するという罪を犯しただけでなく、その罪を償うどころか「罪はなかったことにすれば罪でなくなるの!」という母、晶子の言葉に従い罪を隠蔽した「トラウマを象徴する花」であり、「不幸を象徴する花」でした。罪は償わない限り罪のままだし、罪の重荷から解放してくれるものは「赦し」と「真実の愛」でしかないのに、「子どもを守るために」と言いながら、罪を罪と認めず、罪と向き合わずにトラウマを抱えたまま身動きの取れない自縄自縛の選択をして、かえって黎と一緒に沈む船に乗ってしまった母子の姿に、人間の弱さを観ます。花はどんな花も人間のしあわせのために咲く花なのに、その花が「トラウマ」と「不幸」の花になるのは、人間があるべき本来の姿を喪失している以外の何ものでもありません。母親が子どもを守ることは間違っていませんが、「罪はなかったことにすれば罪でなくなるの!」という考えも、判断も、選択も間違いでした。

 

婚約者の爽は、「赦し」について語ります。そして、黎が持つ本来の人間性、黎の「本性」を変わらずに愛することを誓い、婚約を破棄せずに「ずっと、ふたりで」生きる二人の居場所を確かめ合って最終回を迎えますが、他者を赦すことで自分が赦され、愛することで自分が救われることを知るなら、あらゆる艱難と困難の中にあっても自分を見失わずに、たとえ沈む船であっても沈まずに航海できるのだという「希望」を残してくれました。そして黎は「バラの花の香りがする」と語りながらトラウマを抱えたままドラマは閉じるのですが、黎と爽の二人がこれから一緒に抱える現実は、二人と同じ人生の航海をしている船に乗った現実と向き合う私たち一人一人へのエールでもあったのだと受け止めました。

 

他にも語りたいことがたくさんありますが、あとは紹介してくれたお友達と一緒に語り合うことにします。ありがとうございました。