昨日は初めて付き合った人の誕生日だった。


それを一日思い出さないままだった。


それはきっといいことなのだろう。

なぜなら今の自分には将来を誓い合った恋人がいる。


それでもふと思い出してしまう時がある。



その人のことは別れた後もずっと好きだったんだ。

今の恋人と付き合ったときも、まだそれは恋のままで、今でこそ、恋とは違う感情に出来たけれど、やっぱり、大事な人であることに変わりはなくて。



なんでこんなにも気になってしまうのか。


その人はとても不器用で、要領が悪くて、

たくさんのことをいっぺんにはできなくて、

心配になってしまうのだ。


そこに自分がいたら、きっと困らせてしまうから、一緒にいることをやめたんだ。

そんな人と約束をしてしまったんだ。


もしお互いに、それでも新しい恋人ができないなら、そのときはまた一緒になろうと。


そのとき向こうがどんな気持ちでその約束をしたのかはわからない。


冗談だったかもしれない。でも本当は本気だったのかもしれない。


今さらもう確認することもできない。


その時自分は本気だっただろう。

でも寂しさに耐えることはできなくなってしまっていたのだ。


今の恋人と出会って、生活が変わって、この人のいない生活に戻ったら、またあの寒いところに戻らなければならない。この暖かい場所に居たいと思ってしまった。


それは間違いではなかったと確信するほどに、楽しくて幸せで、暖かい日々をおくっている。

だからこそ将来を誓い合ったのだ。


それでも、もしあの約束を、今でも待っていたとしたら、


どうにもこうにも、申し訳ないという気持ちで溢れてしまう。



だから話したいんだ。あなたと。

あやまりたいのだ。あなたに。

ききたいんだ。いまのあなたが、

しあわせかどうかを。


そしてやっぱり、あやまりたいのだ。


そして、笑って、今度こそ、

ちゃんとさよならをしたいんだ。


自分勝手で申し訳ないが、

その蟠りを、あなたに解いて欲しい。


もしもまた合えたら、そのときは笑顔で。

あのときの話と、それからの話、そして、これからの話を。


あなたと、話がしたいよ。