花咲塾ブログ「咲かせてみよう君の花」

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福岡県久留米市にある花咲塾のブログです。
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プロ野球の大谷翔平選手は10時間、将棋の藤井聡太さんは8時間
何のことかというと、睡眠時間の話です。
体を使う競技,頭脳を使う競技でそれぞれトップを行くこの2人が「十分な睡眠をとっている」という事実は、たびたびネットニュースやテレビなどで報道され注目を集めました


 

睡眠には「脳や身体の休養」「疲労回復」「免疫機能の増加」「記憶の固定」「感情整理」、子どもであれば、それらに加えて「体と脳の成長促進」など、多くの重要な役割があります。
逆に言えば、睡眠が不足していると、脳や身体が休養できず,疲労も十分には回復せず,免疫力が低下して病気にかかりやすくなり,記憶が定着しにくく,感情も不安定になり、子どもは体と脳が十分に成長しない、ということになります。

日本人の睡眠時間は、世界の国々と比べても少ないという調査結果が出ています。
OECD(経済協力開発機構)が2021年に行った調査によると、日本人の平均睡眠時間は「7時間22分」で各国平均の「8時間28分」より1時間以上短く、加盟33か国の中で最も短いという結果だったとのこと。

これを受けて、厚生労働省の検討会は、推奨する睡眠時間や生活習慣を世代ごとに示した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を新たにまとめました。
その中で、「小学生は9時間から12時間」「中学生・高校生は8時間から10時間」「成人は6時間以上」「高齢者は8時間以上にならないように」睡眠時間を確保することが、それぞれの世代について推奨されています。

検討会の座長を務める久留米大学の内村直尚学長は、「日本人は睡眠に対して無頓着なところがあり、眠ることを犠牲にして働くことが頑張っている証拠だとして、戦後、睡眠を削って働いたり勉強したりすることによって経済成長と教育のレベルを高めてきたと思う。それが日本人の健康寿命を短くしたり幸福度を低くしたりといった一つの要因になっている」と言っておられます。
「健康寿命を短く」する一因となっているというのは、なるほど納得させられました。
睡眠不足が頭脳にも身体に悪影響を及ぼすのは間違いなさそうなので、認知症や病気のリスクを高めるのだろうと推察します。

もうひとつ、ここで出てきた「幸福度」という言葉を見て、私は『ゲゲゲの鬼太郎』の作者として知られている水木しげる先生を思い出しました。
水木先生は、ことあるごとに睡眠の大切さについて述べておられます。
先生が描かれた漫画の台詞をご紹介。
「徹夜が続いている」と言う手塚治虫先生と石ノ森章太郎先生に対して、水木先生が言い聞かせた言葉。

>自分はどんなに忙しくても十時間は寝ています
>アンタら睡眠をバカにしちゃいけませんョ
>眠っている時間分だけ長生きするんです
>幸せなんかも"睡眠力"から湧いてくる
>"睡眠力"こそが全ての源ですッ!!


90歳を超えても元気に仕事をされていた水木先生だからこそ、この言葉には説得力があります。
偏見かもしれませんが、睡眠不足の人と十分に寝ている人を見比べたら、前者よりも後者の方が幸せそうに見えますからね。

睡眠を十分とった時の方が頭がよく働き、体の調子も良く、心にも余裕ができるというのは、私自身も経験としてよくわかります。
忙しいこの時代ですが、できる限り睡眠時間は確保したいものです。

[参考URL・文献]
・睡眠時間の推奨 成人は6時間 “睡眠の質”上げるポイントは? [NHK]
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231221/k10014294701000.html
・最適な睡眠時間って何時間? [大塚製薬]
https://www.otsuka.co.jp/suimin/column02.html
・水木しげる『睡眠のチカラ』

 

【リンク】
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