私は毎朝、グラスを隠していく。



 甘くて飲めない夏みかんジュース。


父はそれを特別っぽいグラスに入れる。


不味くて飲めない甘過ぎるジュース。


飲みたくないからジュースを捨てる。

そして特別っぽいグラスを隠した。


でも次の朝、他の特別っぽいグラスに注がれた。


毎朝毎朝、特別っぽいグラスを隠した。


その度に新たに特別っぽいグラスが朝ごはんの食卓に置かれた。


とうとう見える場所から特別っぽいグラスが消えた。


今朝は普通のマグカップで甘過ぎるジュースが出された。


 「何か変だ」と気付かないのか。

毎日、グラスが消えていくことに異変を感じないのか。


 どーしたら父が甘過ぎるジュースを作らなくなるのか。

分かりません。


 指摘されるとブチ切れる人格。


嫌がっていることを察することができない人。


嫌味が理解できない人。


漫才を見てるそばで「何で今笑ったの?」と聞いてくる人。


 変な人。