10年ぶり北海道旅 最終日】

6:41発 富良野線に乗り

美馬牛駅に行くつもりでいた

チェックアウトの日でもあり

5時に起床 荷造りをしつつ

なぜか心のどこかが

モヤついている

 

美馬牛・美瑛へは20代、30代の頃

何度も足を運んだ

開拓使の方々の 苦労あっての丘 

ということは忘れない

美馬牛リバティユースホステル を拠点に

ガイドの山小屋 で自転車を借り 丘巡りをしたり

トロルド・ハウゲンに宿泊したり

帯広へ日帰りしたり 

ペンション星ヶ丘 に宿泊し 

ご夫婦のおもてなし行き届く

ひとときを過ごしたり

夜に外へ出て見上げた 満天の星や流れ星

草のにおい

思い出詰まる土地である

 

久しぶりに 

その思い出の場所を 辿りたかった

なのに、なぜ気が乗らないのか

荷造りをしながら、原因が明確になってきた

 

・飛行機の時間を考えると 

遅くとも14:00旭川発の特急に 乗らねばならない

美馬牛駅(佇むだけで至極の時間)、美瑛(三愛の丘、「木のいいなかま」でランチ)

という予定が タイトスケジュールの予感

 

・早朝出発のため 

ホテルの美味しい朝食バイキングをいただけない

美馬牛駅周辺のお店はまだ開いていない

コンビニおにぎりは ちょいさみしい

旅の朝は しっかり朝食をとって動き出したい

 

チェックアウト後

とりあえず

旭川駅まで行ってみた

(ちなみに、ホテルはサービスがかなりシンプル化されていた。

部屋に荷台はない、連泊の場合ベッドメイキング要・不要を選択できる

不要の場合は フロント横に置いてある歯ブラシなどを自分で持っていく

チェックアウトは 特に用がない場合 ボックスにカードキーを返却でOK。

シンプルだが 不快感はまったくなく、部屋も清潔で必要なサービスは完備されているわけで

むしろ心地よかった)

 

 

結局、札幌行の列車に乗った

 

発車前、座席窓ごしに 

奥のホームから 富良野線が動き出すのが見えた

 

懐かしい富良野線

 

昔はトンネルのような地下から 

かわいい花模様の「ようこそ富良野線へ」 みたいな看板の下をくぐり

ホームへ上がると グレー地に紫と緑(だったと思う)のラインが入った

レトロな列車が 待っていたっけ

今、駅舎は完全に建て替えられ

木のあたたかみが存分に出ているデザインは好きだが

変わっていくことに一抹の寂しさも覚える

 

発車していく富良野線電車

あれに乗れば、思い出深い美馬牛・美瑛に行ける

 

だけど今回は、札幌行を選んだ

ゆったりとしたスケジュールと 

ゆったりとおいしくいただける朝食タイムの方を優先させた――

こんなところにも、自分の価値観の変化を感じる

少しの後悔は否めない 

 

でも、それにも勝り 行きたかったところが札幌にある

というのも、事実である

まあ、美瑛・美馬牛は 次の楽しみとして とっておくことにしよう

廃線になりませんように

 

札幌駅8:26着

再びロッカーにスーツケースを収め

向かうは

 

やはり、北海道大学

 

あの別世界空間に もう一度、「帰り」たかった

そして、ゆっくりと朝食をとりたかった

 

2日前に行った北大マルシェではなく

今度は正門入ってすぐ左「エルムの森」へ 

 

 

朝9時前 北大のカフェで 

窓の外の緑を眺めながら 優雅に朝食 

最高である

(レジで「学生証をお持ちでしたら割引できます」と言われた。超複雑!)

美馬牛駅のベンチで コンビニのおにぎりをいただく朝食より

今回はやっぱり こちらがしっくり来た。

 

さあ。これからどうするか。

一日はまだ長い。

 

空港へ行くのも まだ早い。

タイトスケジュールでは感じ得ない この「ゆったりとした気持ち」の中で

行動を決めていけることの幸せ。

再び大野池へ行こうとも思ったが

初日にじっくり一人の時間を堪能した

もう一度行けば、それは惰性になる 

そんな気がして 

敢えて次の旅までとっておくことにした

 

南門から外に出る

少し歩き、「北海道大学植物園」に到着

やはり、北大つながりである

 

 

少し枯れかかっていたが

レブンアツモリソウに出合えたのは

幸運だった

 

 

そして、一番の目的

それは、会いたい犬がいたから。

 

 

博物館本館に 

映画『南極物語』の元となった 

樺太犬「タロ」の剥製がいる

南極観測隊が日本に帰国、南極に残された後も

生き残った犬の一匹である

日本に帰ってからは

ここ北大植物園の まさにこの博物館の辺りで

余生を過ごし、14歳まで生きたらしい

 

剥製のタロと目を合わせ

心をこめて話しかけた

よく生き抜いた、頑張った、強い、すごい!

野性の力、尊敬以外の何物でもない

 

博物館は重要文化財に指定されている

 

 

そりゃ目の前に現れたら、身動き取れないっしょ

でも、熊だって、命懸けなんだ

 

敷地内をしばし歩く

 

初めてエゾリスに会えた

動きがすばしっこい

 

 

 

手入れされているゾーン、原生のゾーン

アイヌの人たちが効用を見出し 

活用していた植物たちのゾーン

アイヌの人たちが使っていた道具の展示

北海道ならではのモノ・コトに触れられ 

勉強になった

 

 

 

 

さて

 

植物園を出て、札幌駅へと向かう

一歩外へ出れば、そこはもう、ただの都市

ビルやお店が立ち並び 北海道自然地帯を旅する私にとっては

なんの魅力もなくなる

それでも 駅南口のメインストリートはかつてもよく歩いた

もう一度 たどりながら駅へ

雪印パーラーは移転したらしい

確かこの辺に書店があったのだが・・ ない (逆方向へ進めばあったのかもしれない)

諸行無常 

 

とにかく 北大と植物園で得た感覚を

まだ失いたくない

そそくさと駅へ戻る

と言っておきながら、駅に着くなり大丸百貨店の地下へと下り

旭川の居酒屋さんでいただいた日本酒

「男山 生酛 純米」720mlを買う

旭川駅前のイオンモールでは 900mlが販売されていたが

荷物のことを考えて先送りにしていた 

あってよかった 

 

 

大丸を出て 駅チカ「よつ葉 ホワイトコージ」へ

よつ葉乳業の直営店

ランチをいただいた

さすがよつ葉乳業、アイスクリームはおいしかった!

 

そして・・

 

空港へ戻るその前に

 

また、行ってしまった

 

どこって

決まってるっしょー

 

まさかのこの旅3回目

 

北大です

 

もう、学内の主要スポット 

(学部ではなく、カフェなど一般人向けの場所) の地図は

大体つかめている

 

 

北大マルシェへ再び向かい

初日に飲んでとてもおいしかった 

平取トマトのジュース「ニシパの恋人」を購入

家族に持って帰りたかったのだ

 

 

マルシェ前には 川が流れていて

大野池同様、カモもいる 

私と同じように

一人ベンチで川を眺めている人も いる

それぞれの人が それぞれの思いのまま 

そこにいることができる

 

 

しばらく座り、時を過ごす

まもなく北大を後にする 

次来るのはいつだろう

札幌なら、その気になれば日帰りだってできる

いつもここは、変わらずここにあり

季節ごとに木々は色を変え、生き物はそれぞれの営みを繰り返し

冬には銀世界となり また美しい緑の木々が戻ってくる

地元に戻っても 

目を閉じ ここでの時間に思いを馳せれば

それだけで 心の中に 

清らかな思い出が よみがえる

次、また来る、その日まで 

byebye

 

さあ、帰るとするか 

 

札幌駅でロッカーのスーツケースを取り

今度こそ新千歳空港へ

 

空港に到着。

飛行機出発時間まで 2時間以上ある

そう、空港でもゆったり 時を過ごしたかった

完全に買い物のためであるが

北海道の特産が どれだけあるか

一度ゆっくり 見て回りたかった

 

あれもこれも とは思わない

厳選し、鮭の昆布巻きといかめし、ルタオのお菓子を購入

 

最後に お客さんの順番待ちで

長蛇の列ができているお店の前を 通りかかる

何のお店だろう?

なんと、お寿司屋さん!

画面で注文し、立って食べる 超合理的お寿司屋さん!

せっかく北海道に来たのだから 入ってみよう

 

「札幌市中央卸売市場水産仲御 札幌シーフーズ」

国内線ターミナルビル2F

 

 

並んだ甲斐があった

どれも、おいしい

あがりも、おいしい

新千歳空港に来たら、外せない 

そんなお店を見つけられたことが

うれしい

 

これで心置きなく

搭乗口に向かうことができる

 

3日間

10年ぶりの北海道

 

新しい所へ というよりは

これまでに行った場所を 辿る旅

そして その頃の自分と 今の自分を重ねに行く 

そんな旅となった

 

同じ場所に立ち、目の前の大自然に 

同じように感動することもあれば

人生の持ち時間が かつてより減少した今だからこそ芽生えた 

新たな思いもあった

変わらない風景もあれば 人工的な部分は 変わっているところも多かった

諸行無常

 

こんなふうに

10年ぶりの北海道旅は 

少々回顧的な旅となった

北海道 特に自然地帯への旅は私の場合

何にも勝って価値ある わが心の旅

 

今回のような回顧色強き旅には 

これで一旦、ピリオドを打ち

これからは、過去でも未来でもなく

思い切り「今の自分、気持ち」と向き合う北海道旅をしていきたい

早速秋にでも、行きたいところだが

同じ2泊3日で2倍のお値段

悩ましいところである

 

 

 

end, thanks