New Blood -No.47:ヴェルヴェッツの娘たちPins / ピンズのシュガー・ラッシュ

New crush: UKマンチェスター発 Pins (@WeArePins) ピンズ。

ピンズはフェイス・ホルゲート（Faith Holgate：ボーカル、ギター）、ルイス・マクドナルド（Lois McDonald：ギター）、アナ・ドネガン（Anna Donigan：ベース）、ララ・ウィリアムズ（Lara Williams：ドラム）からなる女性４人組バンド。

彼女たちはヴェルヴェット・アンダーグラウンド (The Velvet Underground)を親とする娘たちだ。

ヴェルヴェッツの特徴のひとつである「ドローン」は一般には単音で変化の無い長い音を指すが、ヴェルヴェッツの場合は単音あるいはわずかな数のコード進行をリフとともに繰り返すというもの。またヴェルヴェッツはフィードバック奏法を多用することによって複数のアンプの発音のタイミングがズレたようなダブリングの効果でもって音に分厚さを充てがう。いわゆる「音の壁」を作る。「ドローン」と「音の壁」の振り子がヴェルヴェッツのサウンドの肝だ。そこに循環ループなメロディーとルー・リード（Lou Reed）のフラットなボーカリングがサーキュラー‐ピッチ（circular pitch）する。　

（※: サーキュラー‐ピッチ＝円を描くようにして動くこと）。
ヴェルヴェッツの特徴にはルー・リードの一家言「シンバルはギターをだめにする」からドラムはバスドラとタムのみので演奏されるというのもある。


リバーブレーターをかけることによってこのヴェルヴェッツの娘たちのサーキュラー‐ピッチは柔らかい浮遊感を伴うサウンドスケープになっている。これはロサンゼルスの女性４人組バンドのウォーペイント(Warpaint)と同様にメランコリックな深淵さを生む。

目撃した彼女たちのギグのセットリストにはバウハウス（Bauhaus）の"Bela Lugosi's Dead"が入れられていて私は余計に彼女たちが好きになった。

また、"SHOOT YOU"などはヴィヴィアン・ガールズ（Vivian Girls）のような60'Sガールズ・ポップを通過した瑞々しいガレージなトラックもありゴシック模様から一転してシュガー・ラッシュ(Sugar Rush＝甘い興奮）になる。

ピンズの場合はヴィヴィアン・ガールズのようにトゥイー・ポップ（twee pop）を通過したというより1960年代に活躍したアメリカのアイドル・グループのシャングリラス（The Shangri-las）を歪ませたようなテクスチャだ(The Shangri-Las - Shout)。

一人ひとりメンバーのキャラが立っており演奏も説得力があり非常に楽しみなバンドだ。

クリスタル・スティルツ(Crystal Stilts)/ヴィヴィアン・ガールズ（Vivian Girls）/ウォーペイント(Warpaint)/ダム・ダム・ガールズ (Dum Dum Girls)

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"ELEVENTH HOUR"




"LUVU4LYF"




"SHOOT YOU"




"YOU DON'T NEED TO BE (LIVE)"

" Live at The Führer Bunker, Salford"