New Blood -No.40:Lord Huron/ロード・ヒューロン | NMC - Music Recommendation and Discovery. Plus, more music from New Names.

NMC - Music Recommendation and Discovery. Plus, more music from New Names.

最前線からのリポート...From London - New Music Connoisseur : Reviews, Reports, Opinion and Discussion!


New crush: USミシガン発LA拠点 Lord Huron (@LordHuron) ロード・ヒューロン。

ロード・ヒューロンは、ベン・シュナイダー (Ben Schneider:ボーカル、ギター)、マーク・バリー(Mark Barry:パーカッション、ボーカル)、ミゲル・ブリセノ(Miguel Briseno:ベース、パーカッション)、ブレット・ファーカス(Brett Farkas:ギター、ボーカル)、トム・ルノー(Tom Renaud:ギター・ボーカ)からなる5人組インディー・バンド。

彼らの作風はジェントルマンシップ溢れるカウボーイの哀愁を帯びたフォーク・ロック/フォーク&カントリーの最新バージョンの聖歌といったところだが、初聴ではフリート・フォクシーズ (Fleet Foxes) との共通項が多くデビューがもう少し早ければと思わずにいられない。

フリート・フォクシーズほどドラマティックなストリングスのクレッシェンドに覆われておらずアメリカの荒涼とした大地を背景にバンドは心の深淵を漂いフリート・フォクシーズほどのドリーミィさノスタルジックさはなく「現実のさなか」に賛美歌を奏でているといった風合いだ。

荒涼としたキーボードのラインと賛美歌のように歌われるボーカル・ラインの対位法で構築される楽曲が象徴的だ。

また、チェンバー・ポップを基調にパーカッシブでアタック感があるアフロポップなビートと減衰音のギター・リフに沈着なボーカル・ラインで奏でられる "The Stranger"は西部劇のラストシーンのような叙情性豊かなドラマツルギーが素晴らしい。終盤の畳み掛けは息を呑む。このトラックは下記のアルバム未収録でEP"Time To Run"の収録曲。

同じく"We Went Wild"はヴァンパイア・ウィークエンド(Vampire Weekend)meets フリート・フォクシーズなトラック。

ソングライターのベン・シュナイダーのプライベートな過去の悲しみを介して歌われる実存的孤独の戯れはアメリカ合衆国のフォーク・ロックバンドのボン・イヴェール(Bon Iver)のジャスティン・バーノン (Justin Vernon)と共通する態度だろう。絶望的な拒絶反応を抱え込んだからこそ行き着ける歓びを伴った場所がそこにある。

残酷な世界を美しい風景にしてしまうロマンチックなエスケープ・ミュージックなのか過酷な現実を凌駕する実存的な孤独の歓びの世界なのかはリスナー個人に依拠されるだろう。


クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング/バンド・オブ・ホーセズ/マイ・モーニング・ジャケット/フリート・フォクシーズ

バンドは昨年の10月9日にデビュー・アルバムをリリースしています。 

01,Ends Of The Earth
02,Time To Run
03,Lonesome Dreams
04,The Ghost On The Shore
05,She Lit A Fire
06,I Will Be Back One Day
07,The Man Who Lives Forever
08,Lullaby
09,In The Wind

Lonesome Dreams/Iamsound



 "The Stranger"


"We Went Wild"


"Time To Run "