この絵は寺島代表の水彩画。
面白いオジサン(失礼!)ですが、とっても透明感のある素敵な絵を描かれるんです。
いずれブログ上でギャラリーを展開したいです。
というところで本題です。
寺島代表が折々に発信するコラム「寺島’s EYE 羅針盤」。
ハナモモの会の前身「高森台県有地の活用を提案する市民の会」のHPで随時更新していましたが、これからはブログに掲載いたします。
何を隠そう、新生ハナモモの会のHPは現在鋭意作成中
完成し移行するまでの間は今までのサイトをご覧ください。
http://www.0568kasugai.net/~shimin/
ということで、今回の「羅針盤」はHPと同時掲載です。
新生「ハナモモの会」の船出に思う
世界的に有名な建築家安藤忠雄氏、若かりし頃、設計の依頼もない土地に「こんな建物を建てたらどうですか」と土地所有者に売り込んだという、彼の建築へエネルギーをうかがい知る逸話が残っている。
2012年、高蔵寺ニュータウン内の8万㎡を越える広大な県有地の活用を提案しようと「市民の会」が発足。「美術館を創ろう、文化交流施設を、スーパーを」と、市民の夢を満載した青写真が出来上がった。1.5Mもの大きな模型も完成し県や市へそれを持参して説明に廻った。当時の我々の県有地に対する情熱は若き頃の安藤氏を思わせる熱気に漲っていた。
2年が経過し、なんの進展もなく意気消沈しかけた頃、転機が訪れた。2014年敷地内に高齢者福祉施設がオープンした。建物だけは建ったものの、周辺の外周道路斜面は荒地のまま。この部分だけでも市民の手で緑化することができないか、かってニュータウン周辺はモモの産地であった。ハナモモを植えて原風景を取りもどそう、これなら市民の力で実現出来そうだ。このアイデアをきっかけとして、今までそっぽを向いていた県や春日井市がようやく目を向け始めた。
2017年2月、第一回ハナモモ育樹祭が高齢者福祉施設「どんぐりの森」を会場に150名もの参加者があり盛大に行われた。こうして発足以来5年目にしてようやく、具体的な目標が定まり活動が開始された。ハナモモ育樹祭はその後、毎年行われ、行政も積極的に参加いただけるようになった。春日井市は2017年「緑の奨励金制度」を新設。2019年2月の第3回育樹祭は愛知県の「あいち森と緑づくり都市緑化推進事業」に採択された。一方、一般市民からの「花咲か基金」と同時に、環境に関心のある企業からも特別協賛金が寄せられるまで発展してきた。
周辺の状況も急激に変わりつつある。県は県有地周辺を「地域包括ケア団地モデル地域」に指定、UR都市機構も賃貸住宅の大々的なリノベーションに着手した。近接する「高森山」の環境整備も同時に進行中。このような状況の中で、当会の活動が県有地に限定してしまう事は、今後の活動を阻害してしまい、次世代に受け継がれるにはもっと分かりやすい名称の方がいいのではないかとの議論が続いた。その結果、2019年5月の総会において名称も新たに「高蔵寺ニュータウン・ハナモモ桃源郷の会」(愛称:ハナモモの会)として承認され、ここに新しい第一歩を踏み出すことになった。
手を広げることは、それにかけるエネルギーも増大する。維持管理にかかる経費も増える。生き物が相手なので、病虫害にも気が抜けない。あらゆる場面で責任を伴った本気度が求められる。植栽3年目の今年は苗木にとっても、いよいよ自分の力で育って行かなければならない年。会の名称変更は若木にとっても試練の船出でもある。
2019年(令和元年)6月 代表 寺島靖夫