労働者意識について
今回はこれからの労働者の意識についてこれまでの自分の経験を踏まえて持論を語りたいと
思います。
まず、ざっとですが私の経歴を紹介します。私は現在4回目の転職を終えて5つ目の
職場で働いているサラリーマンです。
1つ目の職場は物流倉庫での営業事務(貿易事務・倉庫管理業務)を担当しておりました。
2つ目の職場は建材を扱う工場での事務管理業務を、3つめの職場ではオフィス家具を製造する
工場での事務管理業務を、4つ目はダンボール製造する工場で同じく事務管理業務を担当してきました。そして5つ目の職場では自動車部品を製造する工場での事務管理業務(生産管理業務)を担当しております。だいたい3年スパンくらいでの転職をしていることになります。
過去4回の転職理由についてはその時々の状況により様々でしたが、大きくは労働時間と実質収入の差異。要するにサービス残業の多さによるものでした。それは家庭を持ち始めて自分だけの問題ではなくなっていきました。
職場環境を何度も変えるというリスクは本当は負いたくなかったです。しかし、子供が3人いて夫婦共働きの家庭状況の中で仕事のみにのめり込んだ生活はやりたくてもできなかった。
今、思い返せば独身時代働き始めた頃の自分はいつも120%の力で仕事して出世することしか考えていなかった。でも職場を変更する度にそうゆう気持ちも少しずつ薄れていったように思います。
少し長くなりますが、各それぞれの職場について一つ一つ振返ってみることにします。
1つ目の職場の物流倉庫では幹部候補の総合職としての経験をさせてもらいました。
給与待遇等はかなり良いほうだったと思います。但し、その分初めての社会人にとっては責任は重く、何より労働時間も相当なものでした。それでもココにいればそれだけの見返りはあると思い、必死で頑張っていました。同期も当時50人程いて辛いときは励ましあってなんとか乗り切っていました。
ただ、3年目が終わる頃になり毎日頭痛が取れなくなるなど体調不良が続き断念することになりました。本当にこの職場には全てを賭けてやっていましたが、無知で未経験の自分には余裕を持った自己管理ができず、一時的ですが体を壊してしまいました。
2つ目の職場でも順調なスタートは切っていましたが、原発問題真最中での福島への転勤話・結婚・子供
という流れで家族会議の結果、断念せざるを得なくなりました。
心機一転、3つ目の職場でも工場の生産管理業務を頑張っていこうと決意しました。
でもこれ程経営困難な会社に入ったのは初めてでした。衝撃だったのはボーナス無、給与数%カット,サービス残業過多というあまりに過酷な労働条件。ただ、本来リーマンショック時に潰れていてもおかしくなかったが、社員に相談の上、リストラを誰一人しない代わりに選んだ末の条件だったと聞きました。入社前の面接でも当然聞かされてはいましたが、「これから良くなっていく、良くしていこう」という専務の言葉とじっくりと現実的に選んでられない日々の生活があったため「行くしかない、自分が変えてやろう」という思いで入社しました。
しかし、2人目の子供を授かった時点でやはり家族会議の結果、経済的な事情を理由にこの会社も断念しました。でも、管理業務をしていく上で一番ためになることを学んだのもこの会社だったように今は思います。
システム等の設備環境が悪条件の中でもいかに使えるものを利用して、無駄を省いて効率的な管理ができるか工夫していくことを学びました。また、一つの製品に対して営業から生産・納品といった全てに関わりコミュニケーションの本当の厳しさのようなものを体感しました。
4つ目の職場は自分にとって一番居心地の良い職場でした。ただ、ここでも労働時間の長さがネックになってしまいました。仕事内容としてはこれまで同様管理業務でしたが、ここまでの経験を本当に全て活かして中心メンバーとして一番力を出せた職場でもありました。
職場の居心地、仕事面での充実度は自分にとってはかなり良かったと思います。本当にこの職場で最後にするつもりだった。
ただ、自由でラフな半面、労働時間管理、パワハラ等、違法行為に関してとてもルーズな一面がありました。
この職場では本当に数々の違法行為を目の当たりにしました。まず、一番いけなかったのはサービス残業の多さ。
ここでは残業代はみなし残業(固定残業)という制度を採用していました。そのみなし残業代は15時間程度の
残業代でした。要はその月にどれだけ残業をしようが、ノー残業だろうが一律にみなし残業代を支払うというものでした。
しかし実態は月平均120時間以上とゆう過酷なものでした。でも初めての会社からこれまで残業上等で突っ走ってきた私からしたらこの職場でこの程度の残業なんぞ温いもんだと思っていました。
ただ、やはり家庭を持つ3児の父となる自分がその状況に妻や親達から賛成を得られるわけがありませんでした。
また、自分にとって決定的にマズイと感じたのは圧倒的な残業量もそうですが、それ以上に人員が確保できず、慣れない事務員・営業マンにまで4tトラックを運転させる、無資格者にリフトや機械運転をさせるといった明らかな違法行為が蔓延していたということ。工場内で無資格者のリフト事故、疲労困憊の中で営業マンのトラック事故も何度も目の当たりにしました。
更にダメ押しは固定残業枠を超過したサービス残業代について本社からわざわざ自分達の事業所に役員が出向き、説明をしに来たこと。
内容は「あなた達は非効率なことをしていませんか?一定の生産効率を超えていなければ会社はそれ以上の残業代は払わないですよ」というものでした。
しかしこの説明には余りにも矛盾と無理がありました。本社側の主張は会社が定めた生産効率(時間当たりの生産量)をクリアしているかどうかを基準とするというものでした。要するにその基準をクリアしていなければ例え何時間働いたとしても1円を支払わないというものでした。
本社側の余りに自信ありな説明に一瞬怯みましたが、冷静に考えたらすぐにおかしなことに気づきました。
そもそも評価基準そのものがおかしいということ。全国13拠点ある事業部で仕事内容が全く異なることをしている中で、時間当たりの生産性を比較すること自体無意味です。単価も工程数も仕事量もバラバラの中でそんなバカげた評価基準を自信満々に説明しにやってきたことには後に私は非常に幻滅しました。
また、根本的に労働のルールとして効率、非効率に関係なく残業したら必ず支払いはされなくてはなりません。
例え固定残業制度を採用していようとそれを超過した分は必ず支払いがされなくてはならないのです。
週末になるとパートのおばさんが、朝7時半ごろやってきて午前2時頃帰っていく姿を何度もみました。
そういった状況の中でなんとかしたいと、ある時からずっと思っていました。とりあえす私は携帯アプリを使って正確な出勤・退勤時間の記録をつけることにしました。
そして、5つ目の会社に転職が決まった後に、生まれて初めて弁護士事務所に未払い残業代の請求について相談に行きました。携帯アプリで記録した労働時間の記録を見せると後は数ヶ月間の弁護士・会社とのやり取りで直に決着がつきました。法律上2年間しか遡って請求はできなかったものの、会社側はあっさりと非を認め即座に数百万円を支払ってきたのでした。正直、時間を犠牲にして家族に迷惑をかけた分を少しは取り返せた気がして良かったと思った半面、この会社に対し役員連中のあの説明は何だったのかと憤りを感じました。弁護士の交渉の手順等、この時初めて知ったことですが、[相談→会社へ交渉→会社側に不服があれば裁判]という流れらしいのですが、交渉を終えた段階で会社側から和解を求めてくるという何とも情けない対応をとってきました。
やはり法の下に人は平等で、理屈の通らないことは通してはいけないんだなと強く感じました。狭い空間でしたが会社組織という中にいると、上層部が明らかにおかしなことをやっていても立場上妥協して受入いれていくケースが多いものだと思います。更にそれに耐えて次に出世した時今度は新人に対し同じ対応をとってしまいがちです。この悪い連鎖が常態化していくことをまず止めなくてはいけないと思います。
その為には常に客観性を持って行動していく必要があります。この頃から知ったことですが、最近は一昔前とは違い、労働問題に関して労働基準監督署、弁護士事務所等、相談し易い環境に変化してきているように思います。それだけ世に労働問題が蔓延しているということなのでしょう。少しでもおかしいと感じたら即それらの機関に相談をすべきだと思います。勿論、退職前後のタイミングはよく考えて実行しなければいけませんが、最近はこの会社のように残業代を支払わずに利益を出している会社が山ほどあります。経営において現実的な厳しさは分かるのですが、やはりあからさまにやってはいけません。未払い残業は外食しても金を支払わない食逃げと同じことだと思います。
なんて、酷いことを書いてしまいましたが、私はこの会社のことが本当に嫌いだったわけではありません。寧ろレベルが低い分自由で居心地は良かったし、採用してくれたこと自体には感謝しています。ただそれとサービス残業をすることはまた別の話です。企業は全てを支払った上で利益を上げる努力を怠ってはいけないのだと感じています。
現在5つ目の職場でも工場の生産管理として管理業務を行っています。
かつての4社と比べるとかなりのホワイト企業だと感じています。組合もしっかりとしていて残業時間管理等
徹底したものになっています。ブラック企業ばかりで過ごしてきた自分には休憩時間に休憩する等逆に違和感を感じることさえありましたが、やはり企業側の徹底した取決めはあるべきだと感じています。
最後に自分なりの労働への見解を示したい。
労働者として(会社員として)働いていくには、先ほども少し触れましたが、これからは特に客観性を持って起こっている事象を冷静に判断して行動していくことが求められていると思います。
また、明らかに時代とともに雇用状況も変化してきています。これはこれまでの常識や情熱論を捨て去り事実として素直に受け入れる必要があるのでないでしょうか。
一昔前であれば、たとえ中小企業であっても我慢して1つの会社に居座り続けることで昇給して最終的には多額の退職金を手にすることができるケースも多かったのではないかと思います。
ですが、現在は明らかにそうではなくなっています。サラリーマンのメリットが1社での年数により昇給や退職金を増加させるものだとしたら、もうそれはとうに崩壊していると思います。
その事実を冷静に受止め、一昔前とは異なる考え方を持って雇用と向き合っていかなくてはならない。
要するに、世の中は良い企業もあれば、おかしな企業もあふれ返っているため、それらを見極め行動することが求められていると思います。