20年前に好きだったあの人は誕生日の日に毎年忘れずにメッセージを送ってくれる。


あの時から、今まで、私は彼の恋人にはなれなかった。

今彼は良いパートナーと幸せな結婚生活を送っているらしい。


私が彼に気持ちを伝えた時、

彼は確か、私を妹みたいに思っていると言っ

た。


今でもそんな感じに思ってくれているのだろうか。


私も彼を兄のように思う。



最近色々悩んだり、上手くいかなくて、

誰にも言えないこともたくさんあった。


そんな毎日を潰れそうな気持ちで過ごしていると、

ふと彼からメッセージが届いた。


彼からのメッセージはいつでもやっぱり嬉しい。


特別な話題があったわけではなかったが、

話はすごく弾んだ。


長い時間メッセージをやり取りして、

私は彼に最近のほぼ全てを打ち明けた。


誰にも言えなかった、悩み、悲しみ、

誰にも賛同されないようなこと。


彼に軽蔑されたかもしれないなと思った。


だけど彼からの返信は違ってた。


彼は批判も否定もしないと言って、私を慰め、応援してくれた。


嬉しかった。


誰にも言えなかった。


いつも真っ直ぐな考えの彼に、嫌われるだろうと思った。

厳しいことばも覚悟していた。


なのに彼は、私の過ちや悲しみを受け止めてくれた。


そして、

私のことを忘れたことはないと言ってくれた。


彼はやっぱり、遠く離れているけれど、

今でも兄のようだった。


会いたい。


もう一度。


だけどやっぱり、

あんなに昔彼を好きだった私が、

結婚して幸せに暮らしている彼に、

会うことはできない。


会いたい人に会えない。


ずっと、

そんな日ばかりだ。


今日もまた、

会いたい人には会えない。


兄のような彼は、

遠くの街で


大好きな人は近くても会えない事情がある。


前の彼は遠くの国で


会いたい時に

会いたい人に会えない。


会いたい。

そんな気持ちが、

私の中から消えてしまえばいいのに。


10数年、私たちはお互いの姿を見たことがなかった。


最後に会ったあの日から、

10数年ぶり、

私たちはメッセージで写真を送りあった。


彼は白髪が混じっただけで、

何も分かっていなかった。


私たちは会うことはない。

お互いに分かってる。

だけど会いたいねと話した。


あなたは幸せに暮らしている。

良かった。


また、あなたの幸せな話をそのうち聞きたい。


20年後の私たちは、

20年前と同じように、楽しくメッセージを交わしていた。


苦しかった気持ちを助けてもらった。


ありがとう。私のお兄ちゃん。


だけどなんだか上手くいかない日を、

私はまだ続けている。


予想もしないことが、ずっと起こり続けてる。


今、どんな人生の、どんな部分に自分がいるのか、よく分からない。


それでも、20年間、あなたは時々私を思い出してくれる。


今日も少し泣いた。


ありがとう。


遠く離れても、

時々あなたは

私の気持ちを救いに来てくれる。


変わらないあなたに

感謝するよ