母は昭和一桁の生まれ。
90オーバーの元気もの。
父が亡くなってから20年余り、ほとんど一人で暮らしてきた。
耳は遠くなり、足腰も弱ってきたが、気持ちだけは気丈だ。

その母の願いは「最後まで家で過ごすこと」

だか、膝が悪く歩けなくなってくると、その願いを叶えてあげるとこは、難しくなってくる。
ケアマネさんからも、気持ちはしっかりしているが、火元の管理など心配だと聞かされることが多くなっていた。


あの年の冬。
天気予報では例年な比べて、かなりの寒波がくるとされていた。

築40年以上経つ古い木造の一軒家では、隙間風もあり寒さが厳しくなるのは予想できる。

高齢になると、暑さや寒さを感じることが鈍くもなる。

暖を取ろうと石油ストーブを点ける日も多くなるだろう。
となると火事を出さないか心配になる。

そんなことを考えていると、弟が実家をリフォームしたいと言い出した!

渡りに船とはこのこと。
これにかこつけて、母を施設へ入所してもらう口実ができた。


そこから、母の第二の住処の老人ホーム探しがはじまったのであります…