佐々木丸美『夢館』 | 花鞠文庫*

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心配性の私が、大好きなものや時について綴っている
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佐々木丸美コレクション16 崖の館/復刊ドットコム



佐々木丸美の「館シリーズ」3作が出揃いました。

北海道の様似に建つ、ガラス張りの館に独りで住む「おばさん」のもとに集ういとこたちを中心に、ストーリーは進みます。









佐々木丸美コレクション17 水に描かれた館/復刊ドットコム



 一作目の『崖の館』と二作目の『水に描かれた館』は、現代の新本格に香り漂うミステリ色が濃いです。

雪で、嵐で館は外界との連絡は絶たれ、閉鎖された空間で事件は進みます。


 先に亡くなったいとこの「千波ちゃん」は何故死んだのか?そしてまたいとこたちの命が狙われ始めて・・・。

二作目は、一作目の数年後、また起こる殺人事件。そして、千波ちゃんの涙の秘密と輪廻の序章が。









夢館 (創元推理文庫)/東京創元社



三作目『夢館』は、千波ちゃんと吹原さんの輪廻の輪が、やっと重なるまでの話。


 輪廻の不思議は、後作に引き継がれて行きますし、館は『榛家の伝説』『橡家の伝説』の舞台としても登場します。

過去と現在が二重写しになりながら、ふたりの歩幅が重なっていきます。


 また、『夢館』には未収録作品『肖像』も収録されてました。まさかはじめましての作品が読めるとは、と感激。


読んで思ったこと。

佐々木作品の男性の口調って共通されるところあるなーー。結構、オレ様。そこがいいんだけど。笑。











 佐々木丸美作品は、少女趣味って言われてしまうこともあるけれど、私には全然癖に感じられないんだけどな。

『大人になりきれない女性の少女性』ではなく、『本当の少女の少女性』が流れているから。