じじが生まれた日 | The Wonder Room

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⚫︎2003ロンドン在住〜国際結婚⚫︎2007ビジネス経営学BTEC資格取得⚫︎バイヤー&ファッショニスタとして活動⚫︎現在二児の母⚫︎娘を家庭学習で支えトップ私立女子校に7歳で合格⚫︎日本の子供達を国際的観点で応援していきたいです。Instagram: invisible_door


18時か19時ごろには、確か姉ちゃんが会いに来てくれてた。

相変わらずな身軽さで・・・

でも私はというと・・・・

陣痛がどんどん強くなってきていて、、、

部屋をウロウロしないといられなくなってきて。

(もうじっとして耐えることは不可能!)


ここまで来るのに、もうシャワーもしてたし、食事は。。。

お寿司?か何か買ってきてもらっていたのを食べたような・・・。



陣痛が来るたびに、ウロウロ・・・。

横で姉ちゃんやお母さんが、どーーーーーーでもいい話をしてるのがイヤで、

〝ちょっと黙ってぇ!〟ってキレてたのは覚えてる。


もう、こっちはそれどころじゃないもんね。

少し前に、温感シップを背中に貼ろうとしてたときに助産師さんが〝貼ってもいいけど、気休めね^^;〟

って言ってたのがこのときになってよくわかったよね、あははっ!!!


もうそんなものは効きやしないわ、笑っちゃうわね。



そうそう、この日は26日。

私の母としてのインチューイションが目覚めてたんだよ。

〝26日に生まれてくるなっ〟

これはもう前からわかっていたことだったんだ。


家族みんなで出産日当てゲームしてたんだけど、私はもう26日!って思ってて。

だから26日に本当に生まれてくるのかなぁなんて思っていたけど、、、


夕方から入院して、、、

本格的な所謂出産に繋がる陣痛!ってものに変わったのが、

このウロウロしだした19~20時あたり。




この先にどんなことになるのかはよくわかっておらず、、、

出産の流れもほとんどわかってなかったし、

ここからどれだけ長い時間耐え続けることになるのか!?そのことばっかり考えてた。


そんなこんなであっという間に22、23時くらいになって、

そろそろ分娩室に行こうか♪と、感じのいい助産師さん。


彼女が私の担当ということだった。

ラッキーだった。

しっかりしていて、ベテランで、頼りがいがあって、優しくて、ニコニコしてる人だった。

彼女に託せる感覚が心地よかった。



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日付はいよいよ27日へと変わりそうになっていた。

26日じゃなかったんだぁ。

27日に出てくるんだねって、もうその時はわかっていたのだけど、

やっぱりあとどれだけ?

どれだけ長いの?

スクリーンの時計を見つめるしかできなかった。



陣痛はどんどん強くなってくるのだけど、

自分の気持ちがついていかない。

怖い。

怖い。

体がこわばる。

頑なになったままの気持ちが体を硬直させる。

全然気持ちがついてこない。

これじゃ駄目だと思った。


体力の消耗のせいか、今までに感じたことのない激しい眠気!!

Rajの手じゃ握りつぶしてしまいそう。

ハンドルを握りしめながら、体を右往左往。

のた打ち回れないから、左右に体を動かすしかなかった。


次の痛みまでの間は、眠ってしまいそうになる。

眠りたくなんかないのに、体が休もうとしてる?

激しい眠気!!!なんなんだ?!


そしてその間、私の気持ちは恐怖に襲われ、次の痛みがくるのが怖くて怖くて震える。

痛いのがこんなに怖いなんて!!!!!

気持ちが気持ちが・・・・



切り替えよう、切り替えよう、、

ここから、ここから。。。

怖がってちゃ駄目だ。

ちゃんと向き合う。

ちゃんと向き合って、自分のものにする。



そしてそんな痛みの中感じていたことは、

出産って人生に似てる。

逃げることもできるだろうけど、そうすればもっと痛いだけだ。

怖いけど、それを自分なりに乗り越えることはできるはず。

だからやり方を変えないと。

逃げてばかりじゃダメだって。。。



そこから私はじじに話しかけながら、自分を支え始めた。

じじを支えることで、自分を支えようと思った。

人って自分を支えることって難しい。

自分自身にできることって限界がある。

だけど誰かを守ろうとする力は無限で、

その強さはまわりまわって自分の最高のエネルギーとなる。


じじ、わたしが支えるよ!

上手、上手~!

そうそうそうそう!上手だよぉ~!!!


目を閉じたまま、ずっと話しかけてた。

周りには、Rajに母に姉に助産師さん二人がいて、

もちろん恥ずかしいに決まってる。

でも、もうそれどころじゃない。

集中集中!



痛みと戦うことにしてから、

痛いのだけど、気持ちが逃げ腰じゃない分、

それは全く違った痛みとなった。

母親ってこういうときからなんだろうね、

ちゃんと立ち向かおうと腹をくくるというか・・・。


そうそう、破水はしなかったんだよ。

だから、どこかのタイミングで割ってもらったんだと思う。

でもそれもよくわからなかった。


そしてもういきまずにいられなくなった。

〝まだいきんじゃだめ!〟と言われ、

これがいわるゆ、〝まだいきんじゃだめ〟ってやつか!と思った。



出産って赤ちゃんを出す痛みじゃなくて、

このオシリのあたりの陣痛の痛みが恐ろしいのだと初めて知った。

オシリのあたり。。。

どこだ??


もうまずい、、

いきまないでと言われても限界。

〝押さえてくださーい!〟と言ったのを覚えている、笑

(出してしまいそうで)




そしてやっとGOサインが出たっ!

〝さあ、いきんでいーよー!〟


メインの助産師さんとサイドの助産師さんの合図に合わせていきむ。

あごを引いて!

ふーーーーっとながーく息を吐いて~っ!!!

長く長く~!!!

そうそうそう!



何かが引っかかった感覚がした!?

痛いイタイイタイ!!!!!

その瞬間、一回押し戻されたような感触があった(あれはなんだった?!)



そして、先生登場。

ここまできたらもうすぐだ!

さあ、出すぞ!


先生が、もう頭が出てきてるよ~!と。

すると、、、

右側にいたRajが・・・・・・・


覗き込んでるし・・・・・・・・・・・・


普通見ないでしょ。

どんなノリなんだよ。



2回?3回?

記憶が薄い、、、

それくらいのいきみでじじが出た!

Rajの声、

〝はなちゃん、全部うまくいったよ、全部うまくいったよ、じじが出てきたよー〟


そこから私はしばらく放心状態・・・・




この世界に初めて出てきた瞬間のじじ↓

泣き声は今と変わらない、大きい声。

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抵抗する感じも今と同じ、笑

やめて!やめて!私に変なのしないで!って言ってるはず、笑

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放心状態の私と、嬉しそうな母↓

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3306gと大きいお腹に入っていた大き目の女の子だった。
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初めて二人で撮った写真。

初めて二人で横になった瞬間。

眉毛が繋がって見えたじじは、おじさんみたいな顔をしていた。

あなたがじじ???

変な感覚・・・・

ずっとじじのこと知ってたのだけど、

あなたがじじ???

不思議な気持ちだった。



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まだまだ人間としてはとっても未熟な私を

こうして育ててくれるじじは、私の師匠そのもの。

私のラッキーガールとして、私を助けに来てくれた。

彼女が生まれてきてから、私の背負っていたものが一気に軽くなった。

長年の苦しみ全部を取り除いてくれたのが彼女だった。

彼女の存在は、わたしにとって人生全部。


育児をし始めた頃は、子供が全部!になるのがどこか怖かった。

いつか離れるんだもん・・・って。

でもいつの間にかそんなことも考えられないほど、

余計な理性なんてきかないほどに、気持ちはどんどん吸い込まれていって、

今はもうどっぷり彼女が私の人生そのもの。

彼女が巣立つまでは、私の人生が彼女だって言ってようと思う。



いや、、、

巣立ってからも、言ってるかな、笑

じじが全部全部全部!

依存しまくったってなんだってかまわないよ^^

私の人生を捧げてもまったくもって構わないと思うよね。