忘れられない運動会の思い出


中学校3年の体育祭


みにいくつもりもなかったし、


息子は、プログラムもくれなかった。


ただ、PTAで役がまわってきた。


体育祭の間、不審者が入って来ないように外を見まわる役だった。


みれないだろうし…


みるつもりもなかった。




自分の子供がプログラムに参加するときは、持ち場を離れても良いと、当日に聞かされた。



そして、簡単にプログラムが手に入った。



体育祭、一度も見に行ったことがありません。


息子は、陸上部でした。


ユニフォームは洗うし


シューズも買ってあげてたけど、


ユニフォームを着た姿も、


走ってる所も見たことがありませんでした。




女子の黄色い声がざわめいた。



トラックの向こう側に立つ息子の姿が見えました。


花形クラブ対抗リレーに参加するみたいでした。


遠くからみてる私に気づいている様でした。


クラブ対抗だからユニフォームを着ていました。



カッコいいじゃん。



50メートルだったし、向こうのほうで…きわどいところでバトンを渡して終わった。




私は、役の持ち場に戻り、


モヤモヤしていました。


私がいる側を駆け抜けて欲しい。


誰よりも先に白いテープを切って欲しい。



欲が出ました。



次のプログラムは、中3男子100メートル走でした。



トラック1周してくれる。



やった!



息子はまた


私に気づいてる様でした。




中距離ランナーの息子。


本領を発揮できないかもしれない。



でも見たい。



スターターピストルの音と歓声が上がった。



はじまった。


先頭の子は、瞬発力がある。


地面を蹴り上げる様にがむしゃらに走っている。


サッカー部だ。



息子は、2位のまま私の側(カーブ)を通過した。


私は、思わず「ハルヒ!行け!走れ!」と、声をあげていました。



お願い。見たい。



ラスト直線コース。



諦めないで!お願い。



息子は、


ゴール直前、


スッと前に出て


軽やかに


白いテープを切ってみせた。







有難う。


なんか、


いつも有難う。


無理させてごめんなさい。





最高に幸せでした。












この作品(話・番組・動画)はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。


 

 

 

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