松岡少剣、月曜日の稽古。

 

T先生が子どもたちを集めます。

 

「今の、お前らのあれ、いったい

何をやってたんや?(福井弁)」

 

怒っているのではない、穏やかなトーンで。

 

逆に、怖い(笑)。


静まり返る子どもたち。

 

「お前らの、あの切り返しみたいなの

あれなんや?

あの、打ち込みみたいなん

いったいあれはなんや?(関西弁)」

 

答えられない子どもたち。

 

「声が小さい、足の引き付けもない、

打ちもゆるい・・・。

お前らは、そもそもいったい

何のために剣道やっとんねん。」

 

見回して、一人一人に問いかけます。

 

「試合に勝つため?

強くなるため?

それだけやったら、

やめといた方がええよ。」

「いつもの時間に来て、

いつものように始めて、

今日も9時になるまでか。

週にたった二回の稽古で、

そういう風に決まっているから、

なんとなく・・・。

何のために、剣道やっとんねん。」


諭すように。

T先生、じっくり、子どもたちに考えさせます。


 

 

「・・・ほんなら、もう一回切り返しから。

こんだけゆうたら少しはちゃうか(笑)?」

 

ちゃいましたね(笑)。

 

空気が一瞬で入れ替わりました。(^-^;)

 

ほとばしる子どもたち。

弾ける声、竹刀の音・・・。

 

 

何のために、剣道をやるのか?

 

大きな意味で、本当の意味で。

 

これに答えるのは大人の僕でも難しい。(^-^;)

以前、T先生から一枚のDVDをお借りしたことがあります。

 

剣道の名門、宮崎高千穂高校と吉本政美監督を追ったドキュメンタリー番組。
 

その吉本監督の言葉に以下のようなものがあります。

 

「上手い生徒や選手より、

  正しく強い人間をつくれ。

  剣道は一本一刀。 

  人生に余韻を残せ。」

 

剣道で、人生に余韻を残せ。

 

もしかしたら、この辺りがT先生の問いへの答えとして、

近いものなのかも知れません。

 

「娘さんに見せてあげて下さい。」と当時は稽古を休みがちだった娘に、と

貸して下さったDVDでしたが、剣道!剣道!の内容。親子三人目が点に

なった記憶しかなかったのですが(笑)、今なら分かる気がします。m(--)m

 

頑張れ。松岡少年剣道教室!!


(試合前ミーティング中のT先生と真剣に耳を傾ける子どもたち。

松岡錬成会より、ふんわり加工済み。m(--)m)