動画を見ていました。

何の動画かと言いますと、偶然撮って頂いていたのですが、娘の勝てない相手の負ける、
試合動画。ちょっとややこしいのですが、大会などで子どもの試合を見る時に、
この「負けた相手が負ける試合」を気にして見るようになりました。(^-^;)

それは、以前にもご紹介させて頂いたのですが、書籍「剣道 勝負への道」

(會田彰範士 著)に書かれていた言葉によります。

「試合に負けたあと、負けた相手が負ける試合を観戦させていますか?
自分が、あんな攻め方ができれば勝てたかも知れない。相手が
優勝したら諦めもつくし、次への目標と意欲も湧いてこよう!」


なかなか当日の大会スケジュール上、自チーム、選手の引率、応援等もありますから
実際にそこまで追いかけるのは難しいのですが、出来る範囲内で。m(--)m

そして、見ていた動画。

実は、少剣のA君の勝った試合だったんですね。(^-^;)そしてその対戦相手が

娘のいつも負けている子。A君のお母様にお願いしてデータをお借りしました。

当然、娘にも見せます。

そのお相手個人の粗を探す、というよりも、こういう剣道をする相手にはこういう剣道を
すればいいんだよ、という視点です。そして、これまで負ける度にこうじゃなかったのか、
ああじゃなかったのか、と散々やってきたのですが、論より証拠、A君が見事な解答を
見せてくれていました。

娘も、A君すごい、そうか、そうか、と感嘆しきり。

もちろん、A君の剣風、技量があって成立しているのでそのまま真似しろ!と言っても
相当難しいのですが、そこはあえて言わず(笑)、な、出来るんだぞ、と。
勝ち筋は必ずある、負けるのは足りないところがたくさんあるから、練習しような、
A君にも教えてもらおう、と、ここまででひとつのお話。



もう一度、今度はひとりで見ておりました。

最近マイテーマの「出ばなメン、出ばなゴテ」、そして単純に攻撃、という意味では
ない剣道の「攻め」という考え方、概念について。

このA君の試合、中盤にA君のキレイな飛び込みメンが決まる場面があるのですが、
その直前、A君の「攻めが非常に効いた」と思われる箇所がありました。

両者、つ、つ、と間合いを詰めて行き、
先にA君が「打つぞ!」とパッ!と踏み込みます。
その瞬間、お相手が打突を警戒し反射的に手元を上げる!!
崩れた、と思う次の瞬間、A君のメン!!

そう。「攻めは相手を崩すためにある。」
T先生のお言葉が聞こえて来るような(笑)。

しかし、このA君の見事な攻め、A君に限らず普段の約束稽古ではなかなか

決まらないんです。(^-^;)子どもたちが真剣にやっていない、という意味では当然なく、

稽古では相手が「そう来る」と知っているから(そういう約束なので)。

A君が見事に決めていたのは、それが「試合」であったから。そして試合開始から
その技に至るまでのA君の一連の動きの中に、その理由があると感じました。

試合開始から積極的に、メン、ドウ、コテ、またメン!と飛び込んで行くA君。

鍔ぜりでは相手を振り、付いては離れ、お相手に自然と
「この選手は動く。そして思い切り打ち込んで来る相手だ!」

と印象付けることに成功しています。

そして、次も来た!と思った瞬間に、実はそれはA君のフェイント、A君の崩し、「攻め」、
自身が浮いたところにメンが飛んで来たのでした。

ですからトータルで、「攻め」になっていたのではないか。

これに気付いた時、ちょっとゾクッとしました(笑)。A君がそこまで計算して

あの流れを演出していたのかどうかは分かりませんが、ただ単純に打った、
決まった技ではなく、A君が自ら積み上げて、切り開いて決めた、技。

僕も非常に勉強になりました(笑)。

「攻めが分かると剣道は面白くなる。」とT先生も普段から話しておられますが、
僕もまたひとつ新しい扉を開けた気分です。
(え。遅いですか(笑)?)

ますます剣道の沼に・・・(笑)。

いや、剣道やっぱり、面白いですね。(^-^)