車軸草(シャジクソウ)2


車軸草(シャジクソウ)はマメ科シャジクソウ属の多年草である。
白詰草や赤詰草と同じ仲間である。
名の由来は、葉を牛車の車輪に見立てたものである。
長野県、群馬県、宮城県と北海道に分布し、山地の草原や海岸の岩場などに生える。
草丈は15~50センチくらいである。
葉は互い違いに生える(互生)。
5~6枚の小葉からなる掌状複葉である。
小葉は細長い楕円形で、縁には細かなぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の柄が短いので、小葉が輪生しているように見える。
開花時期は6月~9月である。
淡い紅紫色をした細長い蝶形の花を扇形に数個つける。
写真は7月に箱根湿性花園で撮った。
学名:Trifolium lupinaster


★蝶形の小花揺らして秋の野に
 車軸草咲く高原の朝


車軸草(シャジクソウ)


花図鑑

小岩鏡(コイワカガミ)


小岩鏡(コイワカガミ)はイワウメ科イワカガミ属の多年草である。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、高山の草地や岩場などに生える。
分類上は、岩鏡(イワカガミ)の高山型とされている。
基本種に比べて全体に小型である。
学者によっては両者の違いは連続的で区別できないとするものもある。
草丈は10センチくらいである。
葉には長い柄があり、根際から数枚が生える。
葉は直径2センチくらいの卵円形で、先は丸いかややへこむ。
葉の質は革質で、表面には艶がある。
これが「岩鏡」の名の由来でもある。
基本種に比べて葉の縁のぎざぎざ(鋸歯)は少ない。
開花時期は6~7月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、1~5輪の花を横向きにつける。
花の色は淡い紅色から白まで変異がある。
花冠は鐘状で先が5つに裂け、その先が更に細かく裂けている。
雄しべは5本で、真ん中に紅色の雌しべの柱頭が1本ある。
花の後にできる実は球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
写真は7月に岩手県の八幡平で撮った。
学名:Schizocodon soldanelloides form. alpinus


★小さくてとらえにくいがその姿
 花のフリルはほのかに色づき



小岩鏡(コイワカガミ)2


花図鑑

唐松草(カラマツソウ)2


唐松草(カラマツソウ)はキンポウゲ科カラマツソウ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地の草原などに生える。
漢字では「落葉松草」とも書く。
草丈は50~120センチくらいである。
葉は3~4回3出複葉といって、3出複葉(1つの葉が3枚の小さな葉に分かれた形)の1枚1枚の小葉が更に3枚の小葉に分かれ、それをもう1~2回繰り返す。
開花時期は7~9月である。
長い茎の先に、白く細い線形の小花をつける。
花弁はなく、萼片も早くに落下する。
花のように見えるのは雄しべの花糸である。
花糸は先が棍棒のように肥厚している。
この花の姿を唐松(カラマツ)の葉に見立てたのが名の由来である。
写真は7月に岩手県の八幡平で撮った。
Thalictrum aquilegifolium var. intermedium


★不思議なる唐松草の花姿
 じつと見つめつ自然を感じ



唐松草(カラマツソウ)


花図鑑

小梅蕙草(コバイケイソウ)3


小梅蕙草(コバイケイソウ)はユリ科シュロソウ属の多年草である。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、亜高山や高山の湿った草地や湿原に生える。
草丈は50~150センチくらいである。
茎は直立をする。
葉は幅の広い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉脈は平行脈で、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
つけ根の部分は茎を抱く。
開花時期は6~8月である。
茎先に太い円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、白い花をたくさんつける。
真ん中の長い花穂には両性花がつく。
脇に枝分かれしてつく花穂には雄花がつく。
花被片は長卵形で、6枚ある。
雄しべは6本で花被片より長く、葯(雄しべの花粉を入れる袋)は黒紫色である。
根茎にアルカロイドを含み、有毒である。
花を咲かせるに十分な養分を必要とし、数年に一度しか咲かない。
和名の由来は、花が「梅」に、葉が中国産の「蕙蘭」に似ており、梅蕙草(バイケイソウ)より小振りなことからきている。
写真は7月に岩手県の八幡平で撮った。
学名:Veratrum stamineum


★湿原を統べるがごとく雄大な
 姿に息呑む小梅蕙草


小梅蕙草(コバイケイソウ)2

小梅蕙草(コバイケイソウ)


花図鑑

深山金鳳花(ミヤマキンポウゲ)2


深山金鳳花(ミヤマキンポウゲ)はキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草である。
日本固有種である。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、亜高山帯~高山帯の草地や岩礫地に生える。
草丈は20~80センチくらいである。
葉は濃い緑色で艶がある。
根元から生える葉は大きく3つに裂け、さらに細かく切れ目が入る。
茎につく葉は小さく、3つ~5つに裂ける。
自生地での開花時期は7~8月である。
茎先で枝分かれして、鮮やかな黄色い5弁花を咲かせる。
花びらには丸みがあり、光沢がある。
写真は8月に八幡平で撮った。
学名:Ranunculus acris var. nipponicus


★鮮やかな黄金の色に煌いて
 群れなし咲くや深山金鳳花



深山金鳳花(ミヤマキンポウゲ)


花図鑑

蔓柾(ツルマサキ)2


蔓柾(ツルマサキ)はニシキギ科ニシキギ属の常緑蔓性木本である。
北海道から九州にかけて分布し、山地に生える。
また、庭木や盆栽にされる。
枝は匍匐して横に広がり、気根を出して木や岩などをよじ登る。
長さは数メートルになる。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉は革質で艶がある。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~7月である。
乳白色の花をつける。
秋には実が赤く熟する。
実の写真は11月上旬につくば植物園で撮った。
学名:Euonymus fortunei


★ぼんぼりが葉陰に浮かぶ蔓柾
 点す灯りは仄かに燃えて



蔓柾(ツルマサキ)


花図鑑

早池峰蝙蝠(ハヤチネコウモリ)2


早池峰蝙蝠(ハヤチネコウモリ)はキク科コウモリソウ属の多年草である。
本州の東北地方北部に分布し、亜高山の林の中に生える。
北上山地固有の植物である。
草丈は20~60センチくらいである。
茎は各節ごとにジグザグと曲がる。
葉は五角形状の腎形で、互い違いに生える(互生)。
葉は浅く5つに裂け、裂片の先は尾状に長く尖る。
葉の柄には翼があり、つけ根の部分は茎を抱く。
開花時期は8~9月である。
茎先に疎らな円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、黄色い筒状の頭花を数個つける。
写真は6月につくば植物園で撮った。
学名:Parasenecio hayachinensis


★少しだけ他の仲間と違うけど
 葉っぱの形よく似ているよ


早池峰蝙蝠(ハヤチネコウモリ)


花図鑑

梅蕙草(バイケイソウ)2


梅蕙草(バイケイソウ)はユリ科シュロソウ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し、山地の林の中や湿地に生える。
海外では、朝鮮半島、中国、サハリン、カムチャツカ半島などにも分布する。
草丈は50~150センチくらいである。
茎は直立をする。
葉は長さが20~30センチある幅の広い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉脈は平行脈で、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
つけ根の部分は茎を抱く。
開花時期は6~8月である。
茎先に大きな円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、緑白色の花をたくさんつける。
花径は10~25ミリくらいである。
花被片は6枚で、緑色の筋が入る。
花弁の縁は縮れており、たくさんの突起毛が生える。
雄しべは6本で花被片より短い。
雌しべの柱頭は3つに裂ける。
根茎にアルカロイドを含み、有毒である。
和名の由来は、花が「梅」に、葉が中国産の「蕙蘭」に似ていることからきている。
写真は7月に仙台市野草園で撮った。
学名:Veratrum album subsp. oxysepalum(=Veratrum grandiflorum)


★薄闇ににょっきり立ったその姿
 どこか不気味だ梅蕙草は



梅蕙草(バイケイソウ)


花図鑑

蝦夷禊萩(エゾミソハギ)


蝦夷禊萩(エゾミソハギ)はミソハギ科ミソハギ属 の多年草である。
「蝦夷」の名がつくが日本各地に分布し、日当たりのよい湿地に生える。
近縁種の禊萩(ミソハギ)と分布域は同一である。
両者はよく似ているが、蝦夷禊萩(エゾミソハギ)のほうがやや大型である。
また、どちらも線形の葉を向かい合ってつける(対生)が、蝦夷禊萩(エゾミソハギ)はやや茎を抱く。
草丈は50~100センチくらいである。
開花時期は6~8月である。
紅紫色の花が密生して花穂状になる。
花びらは6枚で、咲き始めから花弁には皺がある。
花の寿命は短いが、次々に咲くので長期間観賞できる。
なお、「禊」はミソギ(浄めること)を意味し、お盆にお供えと一緒に並べる習慣がある。
写真は7月に板橋区立赤塚植物園で撮った。
学名:Lythrum salicaria


★すっと立つ蝦夷禊萩は紫の
 花に包まれ日差しの中に


蝦夷禊萩(エゾミソハギ)2


花図鑑

浜菱(ハマビシ)


浜菱(ハマビシ)はハマビシ科ハマビシ属の一年草である。
千葉県・福井県以西の本州から九州にかけて分布し、海岸の砂地などに生える。
海外では、朝鮮半島、中国、チベット、インド、西アジア、南ヨーロッパ、アフリカなどにも分布する。
草丈は50~100センチくらいである。
茎は地を這って広がるる
葉は羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並んで1枚の葉が構成される)で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は7~10月である。
葉の脇に黄色の小さい5弁花をつける。
花は午前中に開花し、夕方には閉じる。
花の後にできる実は球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で硬く、太い棘があり、菱(ヒシ)の実に似ている。
漢方で実を強壮薬とする。
写真は7月に小石川植物園で撮った。
学名:Tribulus terrestris


★浜菱の花は静かに咲きいづる
 短き命惜しむがごとく



浜菱(ハマビシ)2


花図鑑