(この記事のざっとのルートです)

 

オロロンラインに入り、利尻山を見ながら北上。

夕方、「てしお温泉・夕映」に到着しました。

てしお温泉は、1軒宿。

内陸の「天塩川温泉」と混同しやすいです。

 

ホテルの部屋からも、電線が邪魔ですが海と利尻山が見えます。

 

荷物を置いて、夕方のお散歩に出かけました。

天塩川と利尻山。

天塩川の向こう、海との間にあるのは、ごく細長い砂州。

 

大河となった天塩川が、最後に海に流れ込むところ。

河口左岸に船が見えます。漁港らしいので、行ってみました。

 

漁港そば。なんかの網。

 

船のある所に着いたら、陸にあげてあるイカ釣り船でした。

 

漁港の堤防の上から、日没を見ました。6時40分ごろ。

 

町のほう。並んだ家々も夕陽を受けています。

 

日が沈みました。

海の上に雲が出ているので、利尻山は浮かんでいるみたいです。

 

あたりはだんだん暗くなってきます。

ホテルに戻って、夕ご飯。

 

5泊する今回の旅で唯一、朝夕2食付きにした宿です。

これは「かすべのバター焼き」。

「かすべ」ってなんだ?と思ったら、エイなんだそうです!

北海道ではエイをこうして食べるそうです。

白身魚のあっさりした感じで美味しかった。

 

「てしお温泉」ですが、茶色くて、ちょっとした刺激臭があって、珍しいお湯だなあと思いました。

 

 

次の朝。朝食前のお散歩です。

ホテルの周囲。こうした集落の佇まいも、屋根や家の造りに北海道らしさを感じます。

 

ホテルと海岸との間にある、鏡沼に行ってみます。

 

木道が伸びて、ポツポツと花が咲いて。サロベツ原生花園あたりと同じかんじです。

ハマナス。

 

エゾミソハギ(たぶん)。

 

遠景。手前が鏡沼、キャンプ場を挟んで、向こうは海。

 

細長い沼です。

鏡沼はこの形からして、砂州が堆積して、海から区切られてできたようです。

こうした成り立ちの湖は、サロマ湖をはじめ道北によくありますが、「潟湖」(せきこ、英語だとlagoon)というそうです。

 

ホテル前にはバス停。ここまで路線バスで来れるんだ!

 

ホテルの朝食は、品数がいっぱい。お腹いっぱいいただきました。

8時ごろ、出発。

 

天塩町中心部を通っていきます。

この煉瓦造りの素敵な建物は、旧役場。今は資料館となっているそうです。

 

天塩川のほとりに出ると、川口遺跡というのがありました。 

 

続縄文期(3~8C)や擦文文化(8C~)の遺跡ということです。

(「擦文文化」という言葉は、網走の北方民族博物館で覚えました。)

 

周囲は防風林が、うっそうと茂っていました。

 

川口遺跡を出て、天塩川にかかる最後の橋、天塩川河口大橋へ。

橋のたもとに車を停めて、歩いて渡ってみました。

 

橋から見る、天塩川と利尻山。

 

河口側の風景。海側(右手)に細長い砂州が伸びています。

 

こちらは上流のほう。

川の向こうに見える白いもの。

オトンルイ風力発電の風車群。3列に並んでいます(前より増えたような?)。

今からあそこまで走っていきます。

 

天塩川河口大橋を渡りました。オトンルイの風車群まで、全く何もありません。

 

まっすぐ走り続け、風車に到着。ブウンブウンと回る音が聞こえます。

 

風車の脚元まで行けるようになってました。

行ってみます。

 

 

時間がちょっとずれている。けっこうアバウト。

 

この風車群ですが、数年以内には撤去されて新しいのに替わるそうです。

新しい風車は性能がいいので、こんなにいっぱいは建たないのだとか。

これだけ連なっているのは、もうすぐ見納めなんだそうです。

 

さらにオロロンラインを北上。

幌延のビジターセンターにやってきました。7年ぶりの再訪。

まずは、展望タワーに登ります。

 

タワーの上から。南のほうは、一面の牧草地。

 

牧草ロールの向こうに、さっきのオトンルイ風車群。

 

北のほうは、サロベツ原野がひろがり、長沼が見えています。

今から、手前に見えるビジターセンターから、あの長沼までお散歩する予定。

やっぱり、どうも前来たときよりもオトンルイの風車が増えてる気がしました。

(あまり増えると、ちょっと風景の邪魔、って感じになってきます。)

 

無理やり、利尻山と長沼を一緒に入れ込んだ写真。

 

ビジターセンターに入りました(センターに入るのは初めてです)。

サロベツ原野の成り立ち。

サロベツも、このあと寄ったあちこちの原生花園も、みな似たような成り立ちと思われます。

 

湿原を形成する泥炭層の断面です。

1メートル堆積するのに1000年かかるという。

サロベツの泥炭層の深さは3~7メートルくらい。

この一番下は、5700年前の部分。真ん中あたりで、ようやく2500年~2000年前。

低温のため分解しないので、こうして見ても、「藁が積み重なって泥状になってるだけ」みたいに見えます。

 

長沼への遊歩道に出ました。前にも歩いたところ。

 

ヤチマナコ体験コーナー。

 

クサレダマ(たぶん)

 

サワギキョウ。

 

コウホネ

 

長沼まで来ました。

 

楕円形の特徴的な葉っぱ、これは何だろう?

 

前に来たとき、長沼からパンケ沼まで道があることを知って、いいな~と思いました(その時は、暗くなってきたので行けず)。

今回は歩けるかな?と思ってたのですが…遊歩道は閉鎖されていました。

すでに道の跡もなく。

 

今は、長沼のこのデッキが遊歩道の終点でした。

しばらくゴロンと横になって、鳥の声を聞いていました。

素晴らしい時間でした。

 

長沼からパンケ沼まで、遊歩道では行けなくなったので、車でいきます。

車だとちょっと遠回りですが、すぐ到着します。

パンケ沼にも、デッキがありました。

 

パンケ沼は長沼よりもっと広いです。でも人が沼に近づけるのは、ここだけ。

この先にもう一つ、ペンケ沼があるのですが、そちらへは全く道がなく、見ることもできません。

サロベツ原野の中、誰も近づくことができないペンケ沼。

その存在を考えるだけで神秘的で、いいな~と思います。

 

 

パンケ沼からさらにオロロンラインを北上すればサロベツ原生花園ですが、ここでちょっと寄り道。

一時海岸を離れて、宗谷本線を横切り、内陸に入りました。

 

幌延町にある、トナカイ観光牧場に来ました。

到着したら、なんと本日休業…

あらら…と思ったら、来ていた人が「でもトナカイは見えますよ」と。

 

ロックガーデンがありました。ちょっと草ボーボーしてますが。

 

牧場に行くと、いました♪

角はツルツルじゃなくって、なんと毛皮に包まれています!

これは「袋角」といって、8月下旬になると自分でこすって剥がして、白い「枯れ角」になるそうです。

トナカイの角は、毎年生え変わるそうです。シカと違って、雌にも生えるとのこと。

 

子ども。

 

白いトナカイ…だと思う。ヤギじゃないよね?

 

食べ物には困らない感じです。

冬に来たら、雪の中を走るトナカイが見られるんだろうな。

 

トナカイ観光牧場を見てから、せっかくなので豊富温泉に寄ってみました。

静かな温泉街がありました。

豊富温泉は、石油成分が混じっているという珍しい温泉ということなのですが、足湯とかはなくって、それを体感することはできませんでした(日帰り入浴に入ればわかるのですが)。

 

再び宗谷本線を渡り、海側へ。

サロベツ湿原センターに到着です。

 

またこの風景を見られて、感無量です。

 

利尻山も、この広大な風景も変わらない。でも、今回花が少ない気がしました。

前回とほとんど同じ時期に来てるんだけどな?ん~、残念。

 

ギボウシがところどころ。

 

こっちは、たぶんサワギキョウ。

 

シロワレモコウ、今回いちばんたくさん見た花かも。

 

 

湿原センター周囲の木立にあった赤い実。ピラカンサみたい。

 

センターに戻って、揚げイモを昼食代わりに食べました。

今回、新しい展示棟ができていました。泥炭産業館。

明治期以降、サロベツ湿原で行われていた泥炭採掘の歴史や機械を紹介してあります。

泥炭がもし、とても効率のよい燃料で利益を生んでたら、今頃サロベツ原野も泥炭層も失われていたでしょう。そうならなくて良かった…と思います。

 

道北の旅をしていると、あちこちに湿原も原生花園もありますが、サロベツ湿原は、背後に利尻山が見えて、やっぱり特別。

花がいっぱい咲くころに、いつかまた来られたらいいなあ…。

 

 

再びオロロンラインへ。利尻山がさらに大きくなってきました。

 

このあたりが、利尻島との距離が最も近い場所。

 

「こうほねの家」というパーキングがあったので、停めてみました。

海との間に、やはり潟湖があります。ここにコウホネが咲いているのでしょう。

 

遊歩道沿いには、ハマナスのほか、ナデシコも咲いていました。

 

 

遊歩道は、海岸まで出られるようになっていました!

海岸には、石がゴロゴロしている所もありましたが。

少し先まで歩くと、砂浜。

サロベツあたりの海岸って、こんな風景だったんだ。

(前に来た時には日没ごろだったので、海岸の様子まではよくわかりませんでした。)

ゆっくりできてよかったです。

 

 

「こうほねの家」から、さらに北へ。

平らなサロベツ原野が終わり、特徴的な形の丘の連なりが見えてきました。

 

この先を右に行くと稚内市街。直進するとノシャップ岬。

 

ノシャップ岬に到着。風が強い。

 

ここまで来ると、ちょっと観光地らしくなり、人がいっぱいいました。

前に来たときと同じく、ノシャップ岬周辺の道路では、鹿がのんびりしていました。

 

ノシャップ岬をぐるっと廻って、稚内駅に到着。

北防波堤ドーム。

 

 

少し修理中の所もあったので、この写真に写っているよりももう少し長い。

北防波堤ドームを見ていたら、ボ~っと汽笛が鳴りました。

向かい側の港から、礼文へと向かうハートランドフェリーが出発していきました。

また礼文島にも行きたくなります…

 

大鵬の上陸の碑なんてあった。新しい碑なので、最近できたのかもしれない。

終戦の少し前にサハリンからやってきた大鵬、母の船酔いで、急遽予定を変更して稚内で船を降りたそうです。次の日、船は攻撃を受けて沈没…というエピソードが書いてありました。

 

稚内駅。(この駅に来るのは、もう3度目になります)

 

 

にぎわう駅構内(道の駅)でした。前に来たとき、こんなにお店あったかな??

シカパンを買いました。

 

稚内の道路標示など、変わらずロシア語が併記されています。

ロシアからの人の流れは途絶えてしまっているでしょうけれど…

 

強風の中、稚内から、宗谷岬へ向かいます。