前泊時にちょっと通ってみた、国際線ターミナル(新しくなって初めて見ました)。

 

翌日7時すぎ羽田発、9時前には女満別空港に到着。この空港を使うのは初めて。

 

曇り空ですが、レンタカーで走り出すとすぐ「これぞ北海道」という風景がひろがります。

畑にコロコロと置かれた「麦わらロール」、初夏から夏の風景のようです。牛の寝床になるのだとか。

畑の一角に集められている所もありました。(倉庫に収納されているのも見ました)

 

これは、遠くてよくわからないけれど、じゃがいもの花かしら?

 

女満別空港から北上していくと、とっても大きな湖が見えてきました。網走湖でした。

さらに道をすすむと、もう一つ大きな湖があって、それが能取湖。

どちらの湖も大きすぎて、スケール感が本州とはぜんぜん違います…。

 

能取湖のいちばん奥、卯原内にある、サンゴ草の群生地に来ました。

秋になると、このサンゴ草が一面、赤くなるそうです。

網走湖、能取湖、サロマ湖、そのほかにもいくつも、この周辺には海沿いに大小の湖が並んでいます。この能取湖もそうですが、海岸線ギリギリに湖があって、海とつながっている汽水湖も多いようです。

海岸の湾に、砂が運ばれて次第に砂州が形成され、最後は海から切り離されてできた湖たち。

 

能取湖から常呂の町を通過して、さらに西へ。

サロマ湖が見えてきました!

天気が悪くて対岸がよく見えないこともあって、「海」としか思えないです。

網走湖や能取湖より、さらに大きな湖。

 

はるか昔、車窓からサロマ湖を見たことがあります(国鉄湧網線。その後すぐ廃線になりました)。

広々とひろがる風景に、心奪われました。

以来ずっと「サロマ湖の砂州を、ずっと先っぽまで行ってみたい。自転車でも行けるらしいし」と思っていました。それが、今日実現しそうです。

 

「道の駅サロマ湖」でちょっと休憩。

オホーツク塩ラーメンなる製品が人気だというので、お土産に購入(帰って来て食べました♪)。

ガラナとか、とうきび茶とか、北海道ならではの物も買いこみます。

 

郷土の誇り。

先ほど通った常呂では、国道沿いに立派なカーリングホールがあるのも見ました。

 

サロマ湖の砂州は、」2か所で切れて海とつながっています。もともとは海とはつながっていなかったのを、昭和になってから開削。

2か所あるうち、西側が第1湖口、東にあるのが第2湖口。

 

さらに西へと進み、サロマ湖の西岸に沿って北へ。

さらに向きを変え、サロマ湖と海とを区切る、細い砂州の上を今度は東、第一湖口へ向けて。

地図で見ると、サロマ湖とオホーツク海とを隔てている砂州は、切れそうなくらい細く見えます。

道路の両側はすぐ岸辺で、歩いていると両側から波をかぶる……みないな感じ。

 

でも、実際はそんなことありませんでした。道路の両側は林が広がっていて、ところどころには建物も建っていて、海も湖も見えません。いわば「普通の田舎道」。

 

第一湖口まで道路はあるのですが、一般車は、途中にあるこのキャンプ場までしか入れませんでした。

キャンプ場に車を停めて、湖口までは1キロほどでしょうか、歩いていくことにしました。

パラパラと小雨降る中ですが、キャンパーが昼食の準備をするいい匂いが漂ってきます…。

 

砂州の、サロマ湖側の岸辺の砂の上を歩いていきます。

湖で漁をする船も見えます。キャンプ場を過ぎれば、静寂。

岸には、藻がいっぱい。「湿地」みたいな感じの岸辺です。

 

場所によっては、貝殻が集まって打ち上げられている箇所も。

サロマ湖ではホタテ養殖が盛んなので、立派なホタテの貝殻がギッシリです。

中身が入ってないかと思ってしまいます。

 

岸と反対側は、一面の草原。

あちこちでハマナスが咲いています。実もたくさんついていました。

これは名前がわからない花。

 

岸辺の砂の上に、点々と動物の足跡がついていて…

その先にはキタキツネが、チラチラと見え隠れしていました。

 

鏡のようなサロマ湖の水面でしたが、歩いていくうちに、少しずつ波が生まれてきました。

どうやら湖口も近いようです。

 

第1湖口に建つ、灯台までやってきました。

 

防波堤など大規模な港湾施設があり、湖口ギリギリは立ち入り禁止区域。

切れ目部分には近づくことはできませんでした。

↑この図で、湖口からサロマ湖側(左)に入ったところに描かれている曲線が、アイスブーム。

流氷が湖に入らないように貼るネット。

流氷の時期には、こんなふうになるらしいです。(オホーツク21世紀を考える会「オホーツクの建造物」より)

 

立ち入り禁止区域の手前から、湖口を臨みます。一見、ただの工事現場。

資材が並ぶ先に細く見える水面が、湖口。

この写真には映っていませんが、アイスブームを貼る土台となる、四角い巨大なキューブが湖に点々と置かれているのも、見えました。

 

湖口でUターンして、駐車場へと戻ります。

今までは、サロマ湖の岸辺の砂浜を歩いてきたのですが、オホーツク海側には歩ける場所はなく、砂州の真ん中の「竜宮街道」を戻ることにします。

 

「竜宮街道」は、第1湖口、第2湖口を通じて、砂州全体を走る道について「竜宮のように美しい」ということで名付けられたそうなんですが、第1湖口付近では、こんな道でした。

ちょっと竜宮も土木工事中…道の両側に高く台形に積みあげられた、大量の砂。

そこにあった看板によれば、サロマ湖漁港浚渫工事で出た土を、再利用するまでの間保管してあるそうです。湖口の底にあった土砂なんですね。

 

しばらく戻ってゆくと、土砂はなくなり、まっ平らな砂州が海まで続いていました。

この先がオホーツク海なのですが、ちょっと距離があって、よく見えません…。

ほんと、砂州は意外に幅が広い。

サロマ湖側を見れば、こんな感じ。

さっき歩いた道は、↑この草原と、向こうの湖との境目です。

 

とにかくな~んにもなくて、観光地では全然なくて、曇り空もあって、うら寂しいような感じ。

 

でも、唯一、観光客向けのスポットに来ました。

竜宮展望台。(写真がどうも見つからず…湧別町のサイトより)

ここは、砂州がいちばん幅が狭く(200メートルくらい?)になっているのです。だから海も湖もいっぺんに、見えるはず。

 

展望台に上ると、オホーツク海の荒波を、ようやく見ることができました!

先ほどの写真ですが、サロマ湖側の静けさとは、別世界です。

 

晴れてたらなー、夕陽もきれいだろうなー、とは思いますが、小雨パラつく空であっても、雄大で、広々して、素晴らしい。

 

サロマ湖の魅力って、この荒々しいオホーツク海と、静かな湖とが、砂州1本で隔てられているという所にあるって、よくわかりました(←ブラタモリ風)。

 

サロマ湖巡りは続きます。

第1湖口側を後にして、南岸に戻ります。

さっきは佐呂間町にある「道の駅サロマ湖」で休憩したのですが、今度はその西、湧別町にある「道の駅愛ランド湧別」で休憩。

 

ここは、遊園地を併設してあって、雄大な自然の中にカラフルな観覧車という人工物が唐突に現れて、驚きました(ただ、遊園地は休業中でした)。

お昼は、サロマ湖のホタテが乗ったラーメンナイフとフォーク

ラーメンに限らず、ホタテフライなど、ホタテのメニューは人気のようでした。

 

昼食後は、今度は湖の東側から、第2湖口を目指します。

まずは、砂州の付け根にある「ワッカ原生花園」へ。

後ろの建物はネイチャーセンター。サロマ湖と原生花園についての様々な展示があり、勉強できます。

レンタサイクルもあります。ちょうど雨も上がった。

「サロマ湖の砂州を自転車で走る」夢がかないました!

 

砂州なので、アップダウンは殆どありません。

ちなみに、この道も「竜宮街道」。

 

荒涼とした、工事現場みたいな第1湖口側とは、雰囲気が違います。

車は入ってこない道を、のんびり走れます。

両側は原生花園。きれいな声の鳥。

エゾシカの姿もありました。

 

分かれ道からは、オホーツク海に直接出ることもできました。

 

どんどん走っていくと、登り坂になり、行く手に大きな橋が見えてきました。

 

ここが第2湖口。第1湖口よりも狭く、橋が架けられています。

橋の下を船が通過するため、平らな砂州に対して、かなり高さのある橋になっています。

そのため、見晴らしが素晴らしいです。

 

橋の上から見た風景、これがオホーツク海側。

 

同じ場所で後ろを向くと、これがサロマ湖側。

アイスブームの土台となるブロックが、点々と並んでいます。

 

写真にはうまく映っていないのですが、どのブロックにも、ウミネコがギッシリ整列していました。

 

 

道は、橋を渡ってさらに続きます…降りていきます。

ここからは、舗装もない道。

砂州の中で、東を第2湖口、西を第1湖口に区切られて、島状になっているエリアです。

 

オホーツクの風から湖を守るように、植林された林が続きます。

 

ほどなく、林に囲まれた広場に出て、ここで行き止まり。

なが~い砂州に対して、ほんのちょっと入って来ただけなのですが…この先は自然保護区なのかな?クマが出るのかな?とにかく行けません。

 

「花の聖水 ワッカの水」。

オホーツク海と、汽水湖であるサロマ湖、塩水に囲まれたこの地に湧く、貴重な真水。

このあたりには、縄文時代からの遺跡もあるそうです。

アイヌ語の「ワッカ」=真水。

つまり「ワッカの水」=「水の水」になってしまうのだが…

 

ポンプを押すと「ワッカの水」が出てきました。

 

そばに、常に水が流れている所もありました。

 

ワッカの水の広場で、再び湖畔に出て、サロマ湖を眺めます。浜は藻でフワフワ。

サロマ湖の湖面には、ホタテ養殖のためのブイがたくさん浮かんでいるのですが、流れ着いたブイがひとつ、浜辺にころがってました。

 

Uターンして、戻ります。再び、第2湖口の橋を渡ります。

 

橋から、東へと降りてゆくところ。

右手にサロマ湖、左手にオホーツク海。真ん中の砂州を竜宮街道が貫きます。

 

ビジターセンター周辺に戻ってきましたが、自転車を返さず、通過。

さらに東のコースにも行ってみます。

↑写真右側に小さく映る屋根がビジターセンター。砂州で隔てられているのですが、その手前に広がるのも、サロマ湖の続きです。

 

どこまでサロマ湖は続くのか…と思うほど、道は続き、とうとうサロマ湖の東の端っこあたりに来ました。

 

このあたりには、旧湖口がありました。

「海に通ずる湖口は元々このあたりにあり、地盤が高かったので毎春人工的に掘削開通していた。昭和4年湧別側で排水路を掘削したため潮流が大きく影響し自然に閉塞した」と書かれています。

 

昭和になって湖口を掘削するまでは、漁業シーズンになると湖口を造っては、シーズンが終わると潮流で閉じ、また次の年に開掘し……と繰り返していたようです。

もともと、サロマ湖はオホーツク海の湾。そこに潮流によって砂が運ばれ続けて、砂州となって、1000年ほど前に、海と隔てられたという歴史があります。だから、放っておけば、また砂が運ばれてきて、砂州になってしまうのですよね。

 

もうすぐ5時。自転車を返さないといけないので、急いで帰ります。

西を向いて走るので、右手がオホーツク海。左手がサロマ湖。

今日は何度、この構図の写真を撮ったか……(次の日も撮りました)

 

ギリギリ5時、間に合った!と思ったら、ビジターセンターの営業は、6時まででした。ホッ。

この後わかるのですが、このあたりの公的な観光施設はみな、夏の営業時間は5時までじゃなくて、6時まででした。ありがたいことです。

 

自転車は返したけど、まだ明るいので、ビジターセンター周辺の原生花園をお散歩。

なでしこ。

 

よく見かけた黄色い花。

 

柱の上に飾ってあるブイ。サロマ湖の形(左)と、北海道の形(右)に丁寧にくりぬいてあります。(この写真では真っ黒で判然としませんが…)

 

鳥が隊列を組んで、ねぐらに帰っていきます。いくつもいくつも群れが飛んで来ました。

 

私たちも帰ります。

網走へ向けて国道を走っていたら、鹿が車と衝突して倒れていました…。

気をつけないと。

 

再び、能取湖。

 

再び、網走湖。

 

網走の町へ来ました。ホテルは、網走川のそば。駅も近い場所です。

網走の夕暮れは、ウミネコの声。港町だ~という気分になります。

 

ホテルに荷物を置いて、夕食に出ました。

網走駅。

 

網走川に沿った国道を、河口の方に歩くと、繁華街…なんですが、閉まっている店が多い。

 

営業していたお寿司屋さん、中はそこそこお客さんが入っていました。

 

網走の美味しい海鮮丼ナイフとフォークに、ウニ軍艦巻も注文しちゃいました。

 

地元スーパーで買い物をしてホテルに帰りました。

北海道とうきび茶、旅行中何度も飲みました。慣れると美味しい。

ラベルに4種類あって、札幌・函館・富良野バージョンはあったのですが、道東バージョンだけ売り切れでした(この後もセコマとかで探したけど、とうとうご当地・道東バージョンには巡り合えず)。