たぶん、
きっと、
ほとんど無理だ、と思いつつ、
1%でも可能性があるのなら
期待してしまうものだし、
そもそも、
成功を期して治療をしているのだから
期待しなかったら嘘だと思う。
それでも、これまでの経験から
傷を少しでも浅くするために
期待しない…というか、
考えないようにする癖がつき…。
いや。
考えないようにしようとしても、
思いっっっきり、考えてた。
心のすみっこで
ひょっこりうまくいってしまうという
成り行きを想定し、
シミュレーションしまくり。
妊娠したら
またしばらくお酒が飲めないとか
病院かけもちの通院と
仕事の調整はどうしようとか
ヘパリン注射のキツイ日々とか
臨月頃は暑くて汗疹になりそうとか
もし切迫で長期入院になったら
旦那は一人でやれるのかとか
この年齢で出産なんて
どう思われるんだろうとか
また産休育休とったりしたら
立場的にどうなんだとか
もう会社には戻れないかなとか
二人育児は大変そうとか
赤ちゃん返りしたら、とか
保育園どこにする？
熱をだしたら？
仕事と両立していける？
今度の育児は、
こうしてみよう、
ああしてみよう
前回ダメだったことも改善するし
辛かったことも絶対に楽しめる。
授乳の幸せな時間とか
赤ちゃんの甘い匂いとか
頼りなく暖かく力強い命の輝き
一刻一刻成長する生命力
母親の神秘的な万能感
差し伸べられる小さな手
あの、目眩くような、
かけがえのないものたち。
できることなら、
もう一度、かみしめたい。
もう一度、確かめたい。
そして、なにより
ムスメに、兄弟姉妹を
作ってあげたかった。
赤ちゃんのお人形を
とてもとても可愛がっている姿や、
お友だちの妹の様子を
たくさん報告してくれる姿。
私たち夫婦は高齢だし
先々、一人で背負わなくてはならない
たくさんのものを
分かち合い、助けあえるように
ふたつあれば、
どっちかひとつくらい
うまくいくんじゃないかって
どっかで高を括ってた。
そんなに、甘くない。
って、
知ってたはずなのになぁ。
いままでは1%はあった可能性は
今度こそ、正真正銘
ゼロになってしまったんだなぁ。
と思ったら、
泣けた。
タイミングでもとれるなら、
0.01%くらい
可能性が残るのかもしれないけど、
それはない。
いったん、
満足した、と思っても、
その状況になってみれば、
もっといろんなものが欲しくなる。
それが、進化と発展の源泉、
とはいえ
人間、欲は尽きないもんだ…。
長かったこの不妊治療を
やりきったことで
万感胸に迫るというか、
感極まった事もある。
でも、どこかで、まだ
『本当にもう可能性はゼロなのか？』
と思ってたりもする。
（↑ほんと、しつこい ^^;）
あと5年、いや3年若かったら、
絶対また治療をやり直してた。
ドクターには
もうおしまいにします
と言ったけど、
いまでもまだ、やりなおしたい。
いや、でも、
5年前にこの状況になってたら、
そう思わなかったのかもしれないぞ。
間違ってたかもしれないけど
その時、その時で
自分なりに考えて、決めて
行動してきたのだから、
いまさら悔いたって、
何をしたって
取り戻せない。
戻れない。。。
世の中、
欲にとらわれて視界が狭くなり、
見えなくなってしまっていては
もったいないものばかりだ。
しっかりと
目を見開いて、
足を踏みしめて
深呼吸して
私の周りの大切なものたちの
今を
かみしめなくては。
チーズクリームてんこもりのホットケーキをトールサイズのコーヒーで流し込み、
タイ料理屋で甘辛い麺とライスとサラダのランチセットをかきこんだら、
こみあげてくるもの（←ゲ⚪︎プではない）を飲み込めるようになってきたので、
また急いで仕事に行く。
それで、今夜も、
真夜中にひとり
ひっそり出汁をとるのだ。