2026年、箱根駅伝を観た
毎年お正月の楽しみといえば、箱根駅伝。往路と復路、5人ずつ、合計10人の選手が2日間かけてタスキをつなぎ、速さを競う。関東の大学生しか出場できない大会なのに、テレビ中継は全国区。大学名が注目されれば、受験者数が増えたり、経済効果が生まれたりもする。ただ「走った速さ」を競う、シンプルなスポーツなのに、なぜこんなに面白いのか。それは、圧倒的にドラマがあるから。特徴のある区間と、その区間ごとの区間賞、往路優勝、復路優勝、総合優勝。さらに、上位10校までが翌年出場のシード権を得られるため、10位争いも見逃せない。しかも、トップ通過から20分を過ぎると繰り上げスタートとなり、タスキがつながらないという、下位校にも容赦なく訪れるドラマ。東京から箱根までを走り抜けるコースは、景色の変化も楽しく、テレビ観戦が最も見ごたえある競技。だから私は、毎年つい見入ってしまう。今年は本当に、ドラマだらけだったのよ。3連覇を目指す青山学院が、まさかの1区で出遅れ。正直この時点で「3連覇は無理かも…」って思った。でもそこからがすごかった。2区、3区、4区とどんどん追い上げて、極めつけは山登りの5区。驚異的なスピードで駆け上がり、ついに往路優勝。その途中でも、國學院大學や城西大学が初のトップ通過を果たしたり、順位が何度も入れ替わったり。往路だけで、すでに物語がいくつもあった。そして復路。復路のルールが往路にはない複雑なドラマを生む。往路トップから10分以内でゴールした大学は、その時間差でスタート。でも10分以上離れた大学は、トップがスタートしてから10分で一斉スタート。それで見た目と正しい本当の順位が変わってしまう。今年は、終盤のシード権争いで、途中、見た目では先に走っている大学より、あとから走る大学のほうが総合順位が上という逆転劇が起きていた。シード権争いのデッドヒートが、視覚的に把握できないという不思議な展開だった。復路は青学のトップが揺るがなかった一方で、2位以下は下克上の連続。走る選手だけでなく、選手を支える周りの人たちの物語もある。それから、途中のタスキリレーを終えた選手が、沿道の観客に向かってお辞儀をする姿を見るのが好きだ。倒れ込む選手が多い中、今年もその爽やかな姿を見ることができた。あれは選手に余裕がないとできない。全力で走っているのは間違いないけれど、それでも観客を気遣う余裕がある。倒れ込むより、私は清々しく美しいと思う。正直、もし私が選手だったら、きっと倒れ込む側だと思うけど。やはり感動。勝ち負けだけじゃない、たくさんの物語を垣間見た。だから私は、来年も箱根駅伝を観る。