兄からだ、祖母が亡くなったんだ。聞かずともわかった。ただ泣き崩れる正子を見ていた。

こんなにも親不幸を続けてきて苦労させてきたあなたに泣く権利はあるのか?と疑問を感じた。

泣くくらいなら後悔しないようにやってくれば良かったのに、と。

私にとっては祖母が居なければ生きて来れなかった、一番大事で一番傍に居た人を失ったのに

不思議と私は一滴も涙が出なかった。絶望しかなかった。

毎日のようにお見舞いに行っていたのになぜ今?悔しさが残り、最後の最後に親不幸をしてしまった。

でもそんな事は言っていられない、これから葬儀やら49日まで兄が大変だ。1日も早く帰らなければ。

思った時にはPCを開いて飛行機のチケットを取っていた。正子の分も。

夜中の連絡から、荷物をまとめ出来る限りの事を朝までかけて終え帰る決意をした。

翌日飛行機に乗り急いで祖母のところへと行った。いざ顔を見てもやっぱり涙がでない。

人前だから?小さいころからの癖?そんなことではなかったと思う。

絶望と同時に実感のなさ、居なくなる事態を想定していなかった。思えば年も年だし、

病気が悪化して良くない状態だった。でも認めたくなかった、だから泣かなかった。

泣いてしまっては、全てを受け入れる事になる。泣いている私を祖母は見たくないはずだ。

 

兄宅にそのまま寝泊まりし、葬儀が終わって帰った正子に頼み兄と話して荷物を兄宅に送ってもらった。

49日が終わるまで、居候ながらにも共働きで祖父の看病もしてきている兄と兄嫁の生活に支障が出ないように少しでも力になりたかった。

全て落ち着いたらすぐに出てまた再スタートしようと決めて。

泣く事も出来ず、葬儀は終わり坊さん待ちの留守番の日々だった。実感ないまま。

 

そんな時に5年振りに大失恋した彼から連絡がきた。皆で合う機会があって話すと彼は

「ずっと自分を思ってくれている人がいるから」と振られた時に言っていた人と婚約していた。

 

もう今再会してもどうする事もできない。でも、あれで永遠の別れじゃなかった、

男としてだけでなく人として私が必要としていた人が今一番キツい状況の私の前に居る。

もう婚約とか既婚者とかどうでもよくなってしまった。ただ繋がってられればいいと再会出来た事にも、

覚えて居てくれた事にも初めてこっちを見てもらえた気持ちでいっぱいで安堵した。

彼にとっては浮気相手でしかなかったかもしれないが。

 

このタイミングで現れた救世主で、私も大昇進だ。