8月に入り、こちらでもようやく梅雨明けし、


暑さがますます厳しくなってきました。



外出すると、夏休みの親子連れを


目にする機会が多くなり、


私も、遠い夏の懐かしい日々を


思い出しています。





でも、楽しいことばかりではなく、


夏休みの時期になると、


寂しく思い出す出来事があります。




小学6年の夏休み初日は、


岩手山の親子登山が恒例でした。



私も父と一緒に登る予定で、


夏休みが来るのを楽しみにしていました。




でも、そんな夏休みの前日のこと、


父が運転する車に、


坂道から降りてきた自転車の小学生が


止まれずに、


そのまま突っ込んできたのです。


父には何の落ち度もありませんでしたが、


ぶつかったことで小学生は骨折し、


入院することになりました。




あまりに衝撃的で、


その後の経過はよく覚えていませんが、


両親は小学生のところへ


何度もお見舞いに行っていた記憶があります。




結局、夏休みの登山は、


父が行かれなくなったので


一人で行きました。


母に、


「お父さんは行かれないけど


 あんたは行ってきなさい」


と言われたのです。



一人は嫌だな、と思ったけれど


仕方ありません。


もう6年生になっていたけれど、


とても寂しく辛かったことを


今でも思い出します。



その事故に遭った小学生が


同じ学校だったこともあり、


担任の先生に


嫌味っぽいことを言われ、


(お父さんは悪くないのに・・・)


と、悔しい思いもしました。


でも、先生に言われたことは、


父や母には言えませんでした。









先日、父のリハビリ後に


我が家でお昼を食べながら


テレビを見ていたら、


山登りの話が出てきました。



父が、


「あの時、一緒に行かれなかったなぁ」


と、ポツリ言いました。


私は、なんて言ったらいいか分からず、


ただ、「あー、そうだったね」としか


言えませんでした。




私も寂しかったけど、


父も辛かったのでしょう。



それ以上言葉にすると


お互い辛い気持ちを思い出してしまう気がして


さらっと流すしかありませんでした。





もう何十年も昔のことですが、


あの夏の蝉の声とか、


父と母の会話とか、


日にちや時間は覚えていないけれど、


その瞬間のことが蘇ってきて


今でも辛くなってしまいます。






あの日の出来事は消えることはないけど、


気持ちに引きづられないように、


これからは楽しいことで上書きして、


少しでも辛い思い出が


和らいでいくといいな、と思います。