フランスと言えばワイン

最近ではフランス国内での消費量が減ってきているなんて話も聞きますが、フランス人にはワインに根ざした大切な文化があります。


それがアペリティフと呼ばれるもの。夕食の前、夕方5時頃からの食前酒とそれを楽しむ時間です。


おつまみにはオリーブやナッツ、軽いスナックなど。あくまでもディナーをより美味しくするためのウォーミングアップなので、食卓につかないこともしばしば。ソファの肘掛けに腰掛けたり窓辺で立ちながらと、思い思いの場所でカジュアルにお酒を楽しみながらお喋りに興じていたりします。


パリの企業でバリバリ働くフランス人はともかく、モロッコにいるフランス人はアペリティフの時間までには、必ず仕事を終わらせているのが普通。ですがもちろん、どうしてもしなければならない仕事がはいっていることだってあります。


エッサウィラ郊外のホテルで、結婚式の装花をした時のことです。ディナータイムの披露宴準備の為スタッフ一同が慌ただしく動き回っていると、オーナーのフランス人マダムが私のところへやってきました。

そしてアペリティフには何がいいかと聞くのです。


仕事中だからと断る私にマダムは、


「結婚式なんだから、私たちも楽しまないと。ぐでんぐでんになるわけじゃあるまいし、飲みながらだって仕事はできるでしょ。」



働くのは大事。でも楽しみながら働くのはもっと大事。

結果的に上手く行っていれば、

仕事だからといってがむしゃらにやらなくてもいいし、楽しみを諦めなくていい自分の生活全てを捧げる必要はないのよ、とそのマダムは続けました。


アペリティフという文化から、フランス人の仕事に対する考え方と生き方を学ぶことになった、私にとってはその日の結婚式以上に忘れられない出来事でした。