こんにちは!親子問題カウンセラー 竹島雅美です。

私は映画通ではありませんが、好きな映画はいくつかあります。

ショーン・コネリー主演『薔薇の名前』もそのひとつです。



残念ながら上映された当時は知らなかったので、映画館では観れなかった泣

偶然かもしれませんが、真如苑という新興宗教に熱心な友人からいいよと勧められた、キリスト教を題材とした映画真顔

宗教つながりなのか、真如苑とキリスト教は似ていると主張していたからなのか、その辺りは不明。

とにかく、ショーン・コネリー主演というのに興味を持って、観る気になったわけです。

殺人事件を紐解くミステリーで、スリリングだし、映像がすばらしいし、コネリーはめちゃくちゃかっこいいし、夢中で観てあっと言う間でした。

フランス・イタリア・ドイツ合作の映画で舞台もイタリア、なのに主人公がイギリス人なのはなぜ? と疑問でした。これは、原作の設定がそうなっているのです。だからショーン・コネリーを抜擢したのかあ、アンソニー・ホプキンスでなくてよかったー笑い泣き


で?  けっきょく内容を何も理解できなかった私ガーン 面白いのは確かなのだけど。

それは、この原作に理由があります。

原作者のウンベルト・エーコは、イタリアの中世思想家で記号学者。『薔薇の名前』の時代的背景は西暦1327年、まさにエーコの専門分野ど真ん中。

この映画をすみずみまで堪能するには、中世ヨーロッパの歴史について熟知していないとむずかしいのです。


もう古い映画なのでネタバレとなりますが、殺人事件が起きた原因は一冊の本、アリストテレス著『詩学第二部』。これを書庫で見つけた修道士たちが次々と殺されていくのです。

この本には、「笑い」を肯定する内容が書かれていました。大笑いすると、スッキリしますね。心が浄化される、とアリストテレスは説いています。

しかし中世ヨーロッパでは、これが人々にバレたら、教会への忠誠が失われる、と考えていたのです。

だって、キリスト様なしで、心が浄化されちゃうんですから。一大事だわ。

こんなことで人を殺しちゃうような時代だったのです。ていうか、キリスト教って悪だよなー、宗教ってなんなんだよムキー、と思いました。

そしてもうひとつ、エーコがこの小説を書いた動機は、「モーロ事件」でした。当時のイタリアでは言論弾圧が横行しており、そんな中起きた首相殺人事件。エーコはこの小説を通じて、当時のイタリア社会に警告を発したのです。

これ、まさに現代にも通じていませんか? 14世紀、あるいはもっと前から、連綿と言葉狩りは続いているのです。

それにしても、社会への告発とはいえ、こんな小説を書いてしまうウンベルト・エーコは、知の巨人。イタリア人て能天気なイメージしかなかったので、認識を改めます。

まだご覧になっていない方は、今は亡きショーン・コネリーの雄姿を、ぜひ !