三国無双の蜀将のイメージで。
実際は荊州・南群あたりの農民。
関羽が荊州の軍事総督に任命された際、徴兵され、呉、魏が侵攻してきたときに活躍をみせる。
メインウエポンは鍬。サブウエポンは斧。
兵卒から什長に上がり、百人将に抜擢されてから10戦目のある夜戦の最中、負傷し井戸に落ちる。
気がつけば蒼天を抱き、草原を背にしていた。
ここは、桃源郷か?
先輩の老百人将が宴で語っていた、あの。
なにを夢みたいなことを、と思っていた。
では、ここは?
そんなことを思索していると、娘の声がした。
桃源郷に住むという天女か?
いや、娘が着ているものは、形こそ見なれないが、その色は我が蜀軍のイメージカラー、緑色ではないか!
だが、瞳の色も緑だ。これは、北に住む異民族の娘か?
困惑していると、娘が、ここはピグ村よ、と声をかけてきた。
この娘、言葉が通じるのか!?
ピグ村とは、北の異民族領土か?
俺がまた困惑していると、こんにちは。ピグ村へようこそ!
あら、まー!ひどいケガ!と、一息に喋る。
大丈夫、ここには色々な素性の人たちが来るもの。私は、村長の娘のエミリー・ババールです。
私からの「クエスト」をはじめてみましょ♪って、いけない!いつものくせで、早く手当をしないと!お医者さんはここからじゃ時間がかかるから、私のお家に来てください、応急手当をしますから。
俺はこの娘の家で手当てを受け、三日三晩やっかいになった。
振る舞われた食事は、見たことも聞いたこともないものばかり、毎晩ご馳走だ。
ポル?チー?ベー?グル?ロイなんとかという茶を気に入った。
あの晩、祝いに食した鹿汁はなんだったのか。
俺が百人将になっての初戦に勝利した祝いに、兵卒時代からの、弓自慢の連れが捕ってくれた鹿。
その味を忘れるほど、この土地の料理は旨い。
そして、この土地の料理を食すと、体調が健やかになる。
ベーグルとかいう料理、たしか河北の食い物にこのようなものがあると聞くが、この材料、マジなんとかという、黄金に輝く麦のおかげか。
ケガはみるみる治り、体調も万全になる頃、エミリーの父、ピグ村の村長に、家と庭をあたえられた。
なぜ見ず知らずの俺に、ここまでしてくれるのか?エミリーに尋ねると、にこりとほほえみながら、きっと、あなたは自ら求めて、このピグ村に来たんだわ。ピグ村の人々もあなたを求めているの。
あなたがこの村を出ていかないかぎりは、ずっとここの村人なのよ。あなたがだれであってもね♪
戦場で果てたはずの俺が、また鍬を大地に下ろす時が来るとは。
俺は土を耕し始めた。
もう、この鍬が赤く染まることはない。

