束の間の 安堵・・・
Toshiの言葉を聞き終えると…
Yoshikiは
我が耳を疑った……
しかし
それが嘘でない事は…
自分の身体に回した
Toshiの腕から…
手のひらから…
触れ合った頬から…
充分感じ取れた・・・・・
ずっと心に空いていた
大きな穴が…
愛しい人の深紅の血で…
埋まった気がした・・・・・
出来ることなら……
このまますべてが
終わればいい……
それは・・・
二人とも同じ思いだった。
ヨシキ!
Toshiが声をかけると…
Yoshikiは甘い寝息をたてていた……
寝てないことと、安心感で…
深い眠りに落ちていた…
Toshiは
そっとYoshikiを寝かせ
隣のソファーに
無造作に脱ぎ捨てられた、Yoshikiのガウンを羽織った………
それから、明るくなるまでYoshikiの寝顔を
見つめていた。
AM9:00
すっかり雪が積もりましたねー!
と、
甲高い女性の声で…
目を覚ましたのはToshiだった・・・
女性は…見知らぬ男性が主人(あるじ)のガウンを着ていた事と、主人がソファーに横たわっていた事とで
昨夜何があったのかと!
一瞬で、頭が混乱してしまったようだ。
Toshiが何を話しても…
キク耳を持たない。
仕方なく…Yoshikiを
起こす事にした。
ゴメンな、お客さんだ……
目をこすりながら…
起き上がるなりYoshikiは
Toshiがここに居ることが
夢じゃないかと…
Toshiに抱きついてみた・・・
懐かしい胸に………
Toshiもギュッと
抱き締めて返した…
旦那さま~!!!!!
ダイニングテーブルの下で小さくなっていた女性は…
リビングの光景に、思わず大声を上げた!
ニッコリ笑って
Yoshikiが女性に歩み寄り
ごめんね…ジェニファー!
大丈夫だよ・・・・・
彼は夕べ遅く
日本から来た、僕の大切な人なんだ………
するとToshiが言った・・・
違う…来たのは、2日前
Yoshikiは驚いた!
ずっと自分の帰りを、この寒空の中…
ガレージの前で待っていたなんて!
トシ!
紹介が遅れた…
こちらのレディは、僕の身の回りの世話をしてくれている
ジェニファーだよ。
こんな小さな身体で、この広い家の隅から隅まで掃除しちゃうし、洗濯物も…乾燥機が終わるやいなや、アイロンかけて畳んでしまっちゃうし、家具や床もピカピカにしちゃうんだ!
料理はプロ並で!世界中の料理を作ってくれるんだ。
ご主人はエンジニアで、二人にはお孫さんが去年できたんだよ☆
………………
一気にしゃべっちゃった…
だね………
Toshiは笑っていた・・・
Yoshikiは…
まさか彼がずっと自分をまっていたなんて…
思いもつかなかったから…
嬉しさで………
しゃべっていないと……
泣き出しそうだったんだ…
Toshiも…
そんなYoshikiが愛しかった・・・・・
あのぉ~
そんな二人を見ていたジェニファーが口を挟んだ…
お客様は…お腹空かれてるのでは?
美味しいもの…作りましょうか?
お願いします!
二人は同時に声を出した…
一時間程で…
素晴らしいモーニングの準備が整い
久しぶりに
一緒に食事をした・・・・・
幸せな時間が…
流れていった。
Yoshikiはジェニファーに食事の礼を言うと…
ここに彼が居ることは、誰にも話したらいけないよ…
そう言って…チップを渡した・・・・・・・