忘れもしない10年前。
当時の会社で休憩に入り、ふとスマートフォンを見ると
見知らぬ番号から着信履歴があった。
明らかに他県からの番号であり、調べてみると警察署だった。
気になってすぐに折り返してみる。
電話の内容は以下の言葉しか覚えていない。
警察署の男性の言葉である。
『◯◯さんのお姉様ですか?落ち着いて聞いてください。
(この時点で妹の自転車の盗難が見つかったか?と呑気な想像をしていた。)
妹さんのご遺体が見つかりました。今日に確認に来れますか。
お母様よりもまずはあなたにお電話したほうがいいかと思いました。』
この言葉は今でも鮮明に記憶に残っており、昨日のことのように声が耳の近くで再生する。
思い出すと今でもギュッと胸が締め付けられるように痛くなる、地獄からの声のようだ。
それ以外のやり取りはあまり覚えていない。
私は電話を切った後、すぐに休憩室前の廊下で泣き崩れてしまった。
周りにいた喋ったことのない同じ会社の社員が大丈夫かと声をかけてくれたが
なんと対応したのか覚えていない。
家族の突然死の連絡。普通こういう時、実感が湧かないような気がするが
私は違った。
妹はそれまでに何度か自殺未遂や、死にたい気持ちを吐露していたので、
『ついにやってしまったんだ。。。』
と私はその電話ではっきりと妹の死を自覚したように思う。