「のうりん 5」感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

のうりん 5 (GA文庫)/ソフトバンククリエイティブ

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現代動物調教研究同好会――通称『どうちょけん』。
それは私、良田胡蝶が新たに創部した、人と家畜の心を通わせるための部活である。
古来より人類は動物を伴侶とすることによって栄えてきた。畜産なくして人類の繁栄はなく、 だからこそ……ん~? どうちたんでちゅか若旦那?
おなかペコりんでちゅかー? ママが食べさちてあげまちゅね~(ハート)
……そんな私の前に立ちはだかる黒い影! 飛騨高山のライバル校、過激な動物愛護団体、そして……謎のサングラスの男!! 貴様は――!?
人は虚無の畜産にぬくもりを見つけられるか!? おっぱい大増量で贈る農業高校ラブコメ、緊迫の第5弾!
――君は、牛の涙を見る。

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九月。夏休みも終わり迎えた二学期の始業式。農がおめでただという嘘の噂が何故かすっかり広まっている事実に耕作は頭を抱えつつも、授業のある日常生活に再び戻っていく。
始業式にて帰国した良田さんと継が示した農業・畜産の現状と将来に関する全く逆の主張。それらに端を発するような形で、物語は展開されていく。

カマトリ・バジーナ……どう見ても継です本当にありがとうございました。
牛の種付けについて、良田さんがお忍びで継の元に相談にやって来る。熱意は分かるが、いくらなんでも女子として越えちゃいけないラインを大きく踏み越えてやいませんかねぇ……(苦笑)
下肥、バイオトイレの下りには不覚にもわろた。継の「~思う存分排泄するがいい!!」からの林檎の「 死 刑 」が最高でした。これはぼこぼこにされても仕方ないレベル。

現代動物調教研究同好会、どうちょけん。良田さんが部長を務めるその同好会に林檎が入部を決め、皆と共に畜産について学んでいく。
どうちょけんに入ってからの林檎もまた一つの成長をしたように思う。それも周りに良い影響を与えながら。初めのうちは引き気味で家畜に対する想いも薄かったものの、牛の篤姫と少しずつ仲良くなり、距離を縮めていくうちにその考えも変わり始める。林檎と篤姫のやりとりは本当に微笑ましくて暖かい気持ちになりました。出産のところも感動的だったなあ。

農業の現状と想定される未来。動物を死なせる、命を扱う畜産というものの現実。それはあまりにも重く耐え難い。それでも人は命と向き合って、感謝して糧としていくべきなのだろう。
確かにお金にならない家畜を手元に置いていても邪魔なだけなのかもしれない。生活していくためには、畜産をやっていくためには処分する必要性が出てくるのも分かる。でも、だからと言って簡単に切り捨ててしまうのはちょっと寂しいなって。
家畜へ愛情を持って接している人もいる、辛い別れから目を逸らさずに受け止めて畜産を続けている人達も。その事実と、様々な犠牲の上に自分が肉を食べられているということを心に置いて、これからは感謝して食べるようにしていきたい。

それにしても良田さんに並ぶおっぱいとか……姉小路千草、只者じゃない(真顔)

林檎と入れ違いになる形で寮を出ていった留学生、ナタリーが突然耕作たちの前に姿を現し……? さらなるヒロイン追加とかまた一波乱ありそうだなぁ(笑) 他の女子にデレデレして、耕作が農や林檎に痛めつけられる様が目に浮かぶ。