「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件」 感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件 (一迅社文庫)/一迅社
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「あなたは、我が校の《庶民サンプル》に選ばれました」
ごく平凡な高校生・神楽坂公人は、ある日突然、『清華院女学校』に拉致されてしまう!
伝統と格式あるこの学校に通うのは、名家の令嬢ばかり。
おまけに外の世界に出たこともなければ、同世代の「男」を見たこともないという超絶箱入りっぷり。異性と世間に免疫をつける教育のため、「庶民サンプル」として選ばれた公人だったが、ケータイ、ゲーム、漫画すら知らないお嬢様たちにとって「庶民」は憧れの存在で……!?
いきなりお嬢様にモテモテ生活スタート! ハートフル学園ラブコメディ!

 
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一迅社文庫の中では人気作だしドラマCD化もするくらいだからそれなりに面白いんだろう、と思ってしまったのがいけなかったのかな。期待を上げすぎた。
 
一言で言ってしまえば、ありがちな「ハーレムラブコメ」ですよね。
何の変哲もない冴えない普通の高校生、神楽坂公人は授業中、突然現れた黒服の者達に拉致されてしまう。車に乗せられ連れられた先は、地図にも載っていない、人里から離れた山奥のお嬢様学校である清華院女学校。お嬢様として寵愛を受け、男性に対する免疫も持たない生徒たち。清華院では、普通の生活環境へと解き放たれた反動で、卒業生がネットゲーム中毒になるという問題が続出していた。その問題を解決するために、と校長らが考えた作戦、それが庶民の男性を一人学園に入学させるというものだった。公人は筋肉大好きという異常な性癖を押し付けられつつも、それを認めなければならない。何故なら女子が好きな者では学園の生徒に危害を及ぼしかねないとされ、存在を抹消されてしまうから。そんなおかしな出来事に巻き込まれた公人が『庶民サンプル』として、お嬢様たちに庶民のことを教えたり教えなかったりするおはなし。
 
ヒロインが四人ほど出てきたけど、まあわかりやすいテンプレなラッキースケベ展開があるというね。お風呂で鉢合わせて裸を見たり、服が破れたりなどなど。この手のを連発されると萎える、というのが正直なところ。もうちょっとキャラに関して掘り下げたりすれば……とか思ったけど一巻だからそれもあんまりか。内容もたいしてないからさらっと気軽に読める、その部分は良い点としてあげたい。
 
本音を言って他人を傷つけてしまうのが怖くて、クラスメイトと会話も出来ずぼっち状態。残念なツンピュアさんこと天空橋愛佳。彼女と出会った公人は、愛佳が実は心の優しい良い子なのだと見抜き、その状況を改善、つまりは友達を作ってあげたいと考える。
お嬢様たちはテレビ、ネット、ゲームなどの一般的な娯楽も知らない。故に庶民である公人と会話が通じないのは当然のこと。そのすれ違いっぷりというか、お嬢様たちが見たことのない新しいものを目にして喜び驚き、ときには感動すらしている。そんな場面がすごく新鮮だった。現実にそんな人たちが存在しているのなら是非会ってみたい。
 
その他にヒロインが三人登場。クラスメイトみんなの憧れ、どこをとっても完璧なお嬢様こと有栖川麗子。
超が付くほどの天才であるが、どこでも服を脱いでしまう数式少女、汐留白亜。
気丈で厳かな雰囲気を見せるが実は可愛いものに目がない剣術少女、神領可憐。
この三人も程度の差こそあれど、公人に好意を持っているんでしょう。だからときにはラブコメ的な展開になったりもするじゃないかと。
 
庶民の文化を知らないお嬢様にとって何より興味を引く代物、それが携帯電話。それを使って人気者になろうというのが愛佳の思いついた作戦だったのだが、有栖川麗子が友人と喧嘩をしてしまったと知り、その計画を彼女のために実行することを決意する。
愛佳がいい子なだけに報われないのがちょっとかわいそう。まあ基本的には残念な感じなんだけども…(笑)
最終的に良い話に落ち着くのかと思いきや、まさかの麗子と愛佳が犬猿の仲となるという。公人を取り合う二人はライバルだから仕方なしですなぁ。なんかもう仲良くなる未来が見えないもん(笑)
閏月戈さんのイラストはさすがでした。キャラがみんな可愛かったです…!