「ささみさん@がんばらない」 感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

ささみさん@がんばらない (ガガガ文庫)/小学館
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お兄ちゃんに愛され、私は今日も頑張らない。
引きこもりの「ささみさん」と奴隷体質の「お兄ちゃん」。2人のささやかな生活に襲いかかるのは、八百万の神々によるデタラメな怪奇現象! 「特殊イベント/全・裸・集・会!が発生しました」って、ええ~っ!?
 
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正直ありがちなハーレムラブコメだと思ってました…(反省)
なので、神様とか世界改変とか出て来てちょっとびっくり。前から言ってるけど、この手の『日常×非日常』みたいな話は好みなのです。
 
物質単位で物に神が宿り、またそれらの力を行使して悪事を働く者たちがいる世界。学校に行かず家に引きこもる少女、月読鎖々美とその兄、月読神臣。二人の関係は一言では表せないほどに歪で、複雑。
とあるきっかけで、最高神である『アマテラス』が神臣の体内に入り込んでしまう。本人はその存在も力も制御どころか認識すら出来ない。よって、神臣の欲求のままに世界の事柄が改変されてしまうという問題が度々起きていた。
そんな二人を支えるのが、高位の神格を持つ邪神(やがみ)三姉妹。見た目は子供、中身は大人なロリ教師の長女、つるぎ。いつも眠そうにしていて存在感が薄い次女のかがみ。小学生なのに体格は大人のそれと変わらずナイスバディ、とりわけ強い神格を持つ三女のたま。この三人が世界の平衡を保つために行動し、ときには悪神や人害などの悪と戦っていく。
世間はバレンタイン。ささみさんは神臣へお弁当(中身はチョコレート)を渡すも、神臣は何も気付かない。それどころか学校へ行く道中で出会ったたまにそのお弁当をあげてしまう。兄の監視を続けるささみさんはショックを受けるが、神臣がバレンタインという行事を知らないことが分かり一安心。ならばもう一度チョコレートを買ってと改めてちゃんと渡そう。そう思い、再び通販サイトの商品を眺める。そこで何気なくチェックした漫画の新刊、そのあらすじには明らかに不自然な『チョコレート』の文字が含まれていた。そして、ふと気付いたときには「物質全てがチョコレート」な世界に改変されており……?
 
バレンタインからのチョコレート事件、オンラインゲーム「八岐大蛇SNS」、それからささみの過去編、という感じで。
基本的には邪神三姉妹が頑張って戦ってましたね。
特に八岐大蛇SNS編が面白かった。オンラインゲームの世界に入れられてしまう、という展開はありきたりではある。けれども、物語や設定なども細かく描かれていたし、八岐大蛇の登場からの展開は感動的だった。途中途中のつるぎたちの手探り感もリアルだったかと。あんまオンラインゲームやったことないけど。
 
アマテラス云々に関して。本人がその力に無自覚なのは、相当に厄介というか危険というか。部分神(個々の小さい物体にやどった神)たちがアマテラスの機嫌取りで改変を起こしている、と考えるとなんだか微笑ましいけどね。そうじゃない人(物)たちもいるから倒さないといけないという。
 
あとささみさんが基本的に兄の観察とネットくらいしかしてない。タイトルの「がんばらない」とはそういうことだったのか、と読み終わってすごく納得した。レポートという名のまとめもそうだけど、神視点の役割を与えている辺りが上手いなぁ、と。
当事者の神臣と傍観者のささみさん。二人の関係性もこの先変化していったりするのかしら。……それにしても神臣がささみ大好きすぎてやばい。こうなったのにも諸々の事情があるとはいえね。ドMなのも気持ち悪く見える要因だろうなぁ…(笑)
 
1月からなので、アニメもまもなく放送開始ということで。みんながどんな感じで動くのか、戦いのシーンはどう描かれるのかなどなど、とても楽しみです。