「これ笑わせてるわけじゃないんだってば。ただ事実だけを話してるのに…」

インタビューの途中、笑って後ろに転げ落ちた人をかえって不思議そうに(?)眺める。
表情を変えずにどうやってそんなに面白い話ができるのだろう。
日頃一緒に生活するマネージャたちも横で声を殺して笑っているのだから、これ以上ない説明だ。
ありがたいほどに正直な回答のため、インタビュー直後は帰すタイミングを調節する必要があったが、風変りでセンスある話しぶりはどうしても手を加えることが惜しく、最大限そのままで送り出すことに。
ミニアルバム3集「ROUND3」を通じ久しぶりに国内で本業復帰するキム・ヒョンジュンの、28歳の夏の日。


-いつ体つきがこんなに良くなったのか。新しいアルバムのティーザー写真で翼の骨を完全につけた背中の筋肉を見て驚いた。

普段から運動が好きで多くしたし、ティーザーを公開する時、皆は前を露出するから、僕は背中を一度露出してみた。ああいった背筋は長く運動すればたぶん皆できると思う。

-ティーザーとミュージックビデオでお化け模様のタトゥーを描いたが、作業時間がかなりかかったのでは。

2時間ほどかかった。手首には丹青文様を描き、全体的なタトゥーを韓国的な形で刻んでみた。
アルバム作業をしながら真のK-POPとは何なのかを考えてみた。ポップ自体が韓国の音楽ではないでしょう。だから、韓国的な何かを表せることについて悩む。
先行公開された収録曲「Unbreakable」でポップ音楽に韓国的なサウンドを乗せてみた。

-「Unbreakable」のフィーチャリングにパク・ジェボムが参加したそうだね。ヒップホップの香りがぷんぷん漂っていたけど、パク・ジェボムとは元々親交があったのか。

普段周りに親しいラッパーがいなくてフィーチャリングを誰に頼もうかと思ってたところ、偶然にパク・ジェボムの「チョア」のミュージックビデオを見て「一度任せてみようか」と思い連絡したら、クールに受諾してくれた。
「Unbreakable」はヒップホップというよりはパフォーマンスミュージックだし、タイトル曲「YourStory」はファンの予想を一度“裏切ってくれる”静かな曲だ。アルバム収録曲の中には「以前のように」といった柔らかい歌もあるし、「Gentleman」という曲もある。

-PSYの「Gentleman」と同名だね。

昨年から作業した曲だけど、タイトルにしたいという欲があった。
そうしてるうちにPSY先輩が「Gentleman」を出したためタイトルを「スーパーマン」だの何だの変えてみたけど、口にうまく馴染まなくて(笑)
結局、収録曲として入れることになった。そうやって今のタイトル曲が新たに生まれたのだが、より良い曲が出てきてかえってよかったと思う。


-8月にはアルバム活動に邁進するだろうし、ドラマ「感激時代」の出演が確定すれば来月にはおそらく上海に飛ぶのだろうね。大陸最高のファイターでありロマン主義者シン・ジョンテ役のオファーを受けたと聞いた。

新しく入ったドラマ「都市征伐」が今年初めに潰れたことで、僕が萎縮したのではないかと周りが心配していた。
実際は全くそんなことはなかったし、似たキャラクターが入ってくるだろうと思っていた矢先、「感激時代」のオファーを受けた。肯定的に検討中だ。1930年代が背景の時代劇ということで声のトーンのような部分が気になったが、現代的に再解釈がうまくいった。

-そうでなくても「都市征伐」が製作中断される痛みを経験し、今回は刀を研いでいるのでは

刀を研ぐと力が入るので、逆に力を抜いて演技するのが良いんじゃないかな(笑)
アクションみたいなものは、「都市征伐」を撮りながらこれ以上望むものがないほどにやってみたから…。
(ドラマ制作中止は)個人的には高い演技の授業を受けたと思っている。凄い監督と俳優、良いスタッフと2ヶ月ほど呼吸を合わせてみたことは、本当に高い演技のレッスンでしょう。
一方で、(損をした)製作会社に申し訳なくもあるし。今回の作品が決まったら、あの時に感じた問題点をうまく補完して演技をしようと思ってる。


-出演中のSBS「日曜日が良い -裸足の友達」(以下メンチン)ではダイビングに挑戦してたけど、本当に上手だった。7.5mの飛び込み台では一体何を考えて飛ぶのか。

たぶんマンション4階の高さにはなるはず。ただ放送だから飛んだ。(短期プロジェクトのテーマである)短所克服はできないし、飛ぶたびに怖い。芸能人は10mでも20mでもカメラを向けられると皆飛ぶことができる。


-事実、水とは特別に親しいじゃないか。スキューバダイビングのライセンスを6個も持っているそうだけど。

元々海がすごく嫌いだった。子供の頃に「ジョーズ」をあまりにも恐ろしく見て、海に一度も入らなかった。
そんな中スキューバダイビングを一度やってみたんだけど、とても面白くて。たぶん僕が大韓民国において最短期間でマスターの資格を取った人なはず。
全て取得するのに数ヶ月もかからなかったから。その時は、スケジュールも入れずに海に住んでいるかのように過ごした。水の中に入るとまた別の世界が見える。

-真冬に氷を割ってダイビングした写真があった。

冬に雪原で氷を割って入ったら、何がないって言うのさ。(“虚しいギャグ”式の展開に一同笑)
でも氷が70~80cmの厚さでできると、凍る時の色彩のようなものがね、近くで覗いてみるとすごく綺麗なんだ。スキューバダイビングが大好きで、実際一人でもよく潜りに行く。少し前にも忙しい中時間を割いて済州島に行って遊んできた。

-再び「メンチン」の話に戻ると、プログラムが開始前の期待に比べて結果がやや予想外だ。

芸能は僕が遊びに行くと思うべきであって、無理に何かをしようと思ってもうまくは行かない。
実際、視聴率が出ないといっても再放送のIPTVでまた見る視聴者がいるので、大して神経は使わない。昔のように同時間帯の他のプログラムを見るために僕らのものを見ないわけでもないから。僕は固定芸能は最後だと思って熱心に取り組んでいるから、それだけ末永くやれたら良いなと思う。


-放送で言っていたように、本当に辛いちゃんぽん店に「キム・ヒョンジュンが倒れた家」と書かれているのか。そんなに辛いチャンポンを何で食べに行ったの…。(ププ)

それは2年半前、1集「BreakDown」活動時だった。今だから笑えるけど、あの時は救急車に乗って運ばれていくほどに本当に深刻だったんだから。目が白目になって、口からは泡が出て。子供の頃スピードスケートを習った時に脳震盪になった人を3回見たけど、泡を吹いて手を震わせて何でもいいから掴もうとしてたけど、たぶん僕がそうだったはずだ。
病院が言うには、血圧が瞬間爆発したんだと。その日のちゃんぽんは3段階の強さにしたんだけど、おじさんがサービスで5段階のスープを下さって。そのスープを飲んで倒れた。たぶん芸能人だから5段階よりもっと辛くしてくれんだと思う(笑)

-国内復帰を久しぶりに準備しながらSS501のメンバーたちが曲を前もって聞いてみたり、応援メッセージを送ってくれたことはあるか。

僕は元来人々に(作業工程を)見せない。家族にも話をしない。
コンサートの時にチケットを差し上げる程度で、アルバムが出たらCDも直接買わなければならない。会社の一部のメンバーだけが進行状況を知っている。そうやってでも満足度を高めたいと思っている。

-直接的に聞く。SS501のメンバーたちとそれでも一度は再結成をして公演してみる考えはないのか。

考えはするけど現実は叶わないということを知ってるから…僕が簡単にポンと投げる言葉がファンたちにとっては約束のない期待になる。
危険な発言ということは分かってるけど、こういった部分について話をする時、互いにぶつかって傷ついたとしても現実を直視させることが正しいことだと思う。

-眩しい花美男のように見えるが、実際は男らしい性格じゃないか。最近はどんな趣味を楽しんでいるのか。

ジムやサッカー。週末のたびに(タク)ジェフン兄さんと早朝サッカーに出かける。ポジションはセンターフォワードだけど、ただ芸能人だからさせてくれるみたい。(一同爆笑)
本当の実力はそれほどでもないのに、有名だからさせてくれるので。

-キーイースト(現所属事務所)に入った時からペ・ヨンジュンと作品やアルバム活動について常に相談すると聞いた。

作品に入る時は兄さんと話をたくさんする。だけど、兄さんも非常に率直な面が良いのは、音楽的にはよく分からないと言うんだ。演技をする時は、照明に合わせてどこに立つべきかといったディテールを教えてくれるが、ダンスと歌を見ては「俺が教えることはない」と言う。
(ぺ)ヨンジュン兄さんが歌うのは一度だけ見た。酒の席で聞いたけど、本当に上手に歌われる。(目が大きくなって)ホントだってば。兄さんのファンたちが歌うのを聞けば、本当に喜ぶだろうに。

-ところで近所の友人たちと運営しているチキン店はうまくいっているのか。友人と本気半分、遊び半分で始めた仕事が全国フランチャイズで拡張されている。

初期投資金だけを出して、運営は友人が全面的に引き受けている。
最近トイレの改装補修工事をする必要があるからお金を出せと連絡がきた。トイレが良くないといったファンたちの意見が多くて、最近工事中だ。同じ持分を持つ店なのに、そういったお金は全部僕が出さなきゃいけないんだってさ(笑)
僕は芸能人が職業であり、彼らはチキン商売が仕事だから、お互いの本業に忠実に生きるのが良いと思う。友人が事業をとても上手くやる。

-2005年SS501でデビューした時が二十歳だった。20代を芸能人として、アイドルとして、韓流スターとして送った。この間、うまく生きて来たと思うか。残念だと思う点があるとしたら。

残念だと思うことはないし、自分がしたいことをしてるから幸せだ。
仕事をする中で、人は幸せでばかりじゃいられないでしょ。会社員が職場でストレス受けるのと同じように、自分の仕事でストレスを受けることにも感謝してるし、幸せだと思う。

-以前のインタビューで20年後の計画まで全て練り上げていると言っていたが、まだ有効なのか。

そう。僕は全てを練り上げた。

-具体的な計画を聞いてみよう。

ひとまずアルバム活動をして、軍隊に行って来て40歳までは演技をしなきゃね。だけどその後は他の仕事がしたいと思ってる。

-では、40歳以降は何をするつもりなのか?

済州島にペンションを建てようと思ってる。スキューバショップも出して。
実際スキューバをしながらお金儲けをする考えもない。
環境活動家のように見られたくはないけど、スキューバをしながら感じたことは、海の中は本当に綺麗に見えるけど中はとても汚い。
マッコリのビンに漁網、ビール缶等々見たくないものが無数にある。拾おうとしても拾うことすらできない。
これからはスキューバ同好家同士集まって、海の掃除をする良い文化を作りたい。魚がいないのなら漁礁の設置もして。サンゴが最も遅く育つ生物だそうだ。手のひらサイズの20cmほどに育つのに、20年かかる。
人々が捨てた網に引っ掛かって全部剥がされていくけど、そういったことを未然に予防して、海の中まで見るようになったら良いのではないかな。