私は自民党員であり、今回の総裁選では高市早苗さんに総裁になっていただきたいと考えています。
しかし正直に申し上げると、今回の総裁選そのものには大きな関心を持っていません。なぜなら、誰が総裁になっても自民党・公明党・立憲民主党・共産党といった「古い政党」の凋落傾向は変わらないと感じるからです。
世間や党内では「保守回帰するかどうか」が注目されていますが、問題の核心はそこにはありません。核心は「古い政党が時代の変化に対応できなくなっていること」です。個人レベルでは変革を訴える人材がいても、組織のレベルでは既得権益と結びついた構造に阻まれ排除されてしまう。組織全体として現状維持に流れるため、時代の変化に適応することが困難になっています。
日本の歴史を振り返れば、時代の変化に適応できずに滅んだ政権は少なくありません。徳川幕府もその一例です。田沼意次の時代に近代化への芽がありましたが、路線は潰され、結局は薩長による倒幕へと至りました。幕府が田沼路線を進めていれば、徳川中心の近代国家もあり得たでしょうが、現実には幕府は崩壊し、薩長を核とする維新政府が成立しました。
私は、現代の自・公・立共も江戸幕府と同じ道をたどるのではないかと考えます。改革は「内部からの自己変革」ではなく、「薩長型」、すなわち外部の新勢力が核となり、旧体制の有能な人材を取り込みながら進む可能性が高いと思います。明治維新も薩長だけでは成り立たず、旧幕臣を登用することで国家建設を実現しました。現代でも同じように、核となる外部勢力に旧政党の人材が補強する形で変革が進むのではないでしょうか。
いま問われているのは「保守回帰かどうか」ではなく、時代の変化にどう対応するかです。国民が求めているのは、
実現可能性を伴う政策
問題解決力を持つ政治勢力
であり、古い政党の硬直した構造ではもはや国民の期待に応えられない段階にきていると考えます。